ニュース
» 2017年01月19日 00時30分 UPDATE

ヤフー、Googleとの連携を強めるY!mobile――“新しさ”でソフトバンクとすみ分け

Y!mobileの2017年春商戦向けサービスや新機種が披露された。サービスはヤフー、端末はGoogleとの連携を強化。ソフトバンクとは“新しい取り組み”で差別化を図る。

[田中聡,ITmedia]

 ソフトバンクが、Y!mobileの2017年春商戦向けの新サービスやキャンペーン、新機種を発表した。

 サービスはY!mobileの料金プランに「Yahoo!プレミアム」をコミコミにする施策、キャンペーンは学割の「ヤング割」と「Pocket WiFi学割」、新機種はAndroid Oneの新モデル2機種とHuaweiのモバイルWi-Fiルーター、タブレットという内容だ。

Y!mobile 新サービスと新製品を発表
Y!mobile 発表会では、Y!mobileのCMでもおなじみ、桐谷美玲さん、ピコ太郎さん、ふてニャンが駆け付けた。「ヤング割」を訴求する新CMも披露し、会場を盛り上げた

 今回の発表にはどのような狙いがあるのか。ソフトバンク 執行役員 プロダクト&マーケティング統括 Y!mobile事業推進本部 本部長 寺尾洋幸氏が語った。

Y!mobile ソフトバンクの寺尾洋幸氏

Yahoo!ショッピングの利用を促進

 サービス面ではヤフーとの連携を強化。より便利なスマートフォン体験を提供するために、Y!mobileユーザーには「Yahoo!プレミアム」を、月額料金据え置きで提供する。ヤフーの川邊健太郎副社長によると、Yahoo!プレミアムで特に支持されているのが、買い物でのポイントが5倍になる特典だという。Y!mobileユーザーのキャンペーンやEnjoyパックの特典などを合わせると、最大で17倍もの還元率に上がる。

Y!mobile ヤフーの川邊健太郎氏

 2016年第2四半期のYahoo!ショッピングにおける流通高は、前年同期比で約128%成長し、Y!mobileユーザーの同ショッピング利用額も増加している。Y!mobileユーザーの特典を手厚くすることで、Yahoo!ショッピングのさらなる利用促進を図っていく。

Y!mobile Y!mobileユーザーのYahoo!ショッピング利用額は2016年3月から12月までに約3倍伸びている
Y!mobile Y!mobileユーザーなら、Yahoo!ショッピングやLOHACOでの買い物に付くポイントが最大17倍になる

好調「Android One」の新機種を投入

 2016年のY!mobileは3月に「iPhone 5s」、7月にAndroid Oneスマホ「507SH」を投入し、同年4月〜12月のスマートフォン販売数は、前年同期比で約2.5倍に伸びたという。SIMフリースマホをはじめとする「格安スマホ」の市場で存在感を示し、大手3ブランド(ドコモ、au、ソフトバンク)を除くスマートフォンの販売台数は、Y!mobileが40%を占めるまでに至った。

Y!mobile iPhone 5sやAndroid Oneなどが好調で、スマートフォンの販売台数は増加
Y!mobile 格安スマホ市場でもシェアを拡大している

 大手3キャリアのAndroid端末でも、Y!mobileはシェアを伸ばしている。2016年4月〜12月のAndroidスマートフォンで、Y!mobileのシェアは前年同期比で約2倍に拡大。またソフトバンクの自社調査によると、507SHユーザーの約8割が高い満足度を示したという。

Y!mobile Androidスマホのシェアが拡大
Y!mobile Android Oneの満足度も高い

 Android Oneには必要最低限のアプリをプリインストールし、発売から最低2年間のセキュリティアップデートと、18カ月間に最低1回のOSバージョンアップを保証する。Y!mobile向けAndroid Oneの初号機507SHはシャープ製だったが、今回はシャープ製の「S1」と京セラの「S2」という2機種をラインアップ。

Y!mobile Android Oneの新機種

 S1は低消費電力に定評のある「IGZO」をフルHDディスプレイに搭載したこと、S2は耐衝撃性能や、フィーチャーフォンからスマホへデータを移行しやすい赤外線通信を搭載したことが特徴だ。

「Android Ambassador」プログラムでサポートも強化

 Android Oneを継続した理由の1つとして寺尾氏は「接客のしやすさ」を挙げる。携帯キャリアでは、スタッフや販売店にかかるコストが特に大きいが、Android Oneを採用すれば、UIやアプリはGoogle純正のものに統一されているため、説明しやすくなるという。今回2メーカーを採用したのは「裾野を広げるため」(同氏)。特にシャープと京セラはY!mobileでも人気が高く、“指名買い”のニーズに応えやすくなった。

 さらにY!mobileショップでは、Googleの「Android Ambassador」プログラムを導入する。同プログラムは、AndroidやGoogleに精通する人材を育てることを目標としている。Y!mobile店頭でよりきめ細かな接客ができるようトレーニングを行う。まずは首都圏で導入して500人ほどのスタッフを育成し、順次全国でも展開していく予定。

Y!mobile 「Android Ambassador」プログラムをY!mobileショップで開始

 GoogleのAndroid/Google Play 担当副社長 ジェイミー・ローゼンバーグ氏は「Android Ambassadorは、Androidの各種機能やGoogleのさまざまなサービスに精通しているエキスパート。Y!mobileショップにお越しのお客さまは、Ambassadorから1対1の手ほどきを受けられる。さまざまなタイプのAndroidユーザー、Googleサービスの利用者に対して、このようなプログラムを提供できるのは有益だと思う」と評価した。

Y!mobile Googleのローゼンバーグ氏

ソフトバンクとのすみ分けは?

 今回の発表で特にインパクトが大きいと感じたのはYahoo!プレミアムの無料化だが、特典の1つであるYahoo!ショッピングとLOHACOでのポイント増額は、ソフトバンク向けにも2月1日から5月31日まで10倍がたまるキャンペーンを実施している(関連記事)。Y!mobileユーザーなら必ず5倍たまるなどの違いはあるが、ソフトバンクとY!mobileでどのようにすみ分けていくのだろうか。

 寺尾氏は「インターネットの楽しさを広げていくことが、われわれの最大のミッションなので、Y!mobileでは新しいサービスやプロダクトの投入を進めている。ソフトバンクでは体験価値や、ショップでのサポートを充実させている」と話す。他のキャリアが行っていないチャレンジングなことはY!mobileが実験的に取り組み、より多くのユーザーに提供すべきと判断したら、ソフトバンクでも取り入れる……という考えのようだ。

 「例えば(音声定額サービスの)『誰とでも定額』は、私どもが(ウィルコム時代に)発明したサービスだが、大手キャリアにも広まった。新しいサービスを先駆けて提案するのがY!mobile。それをもっと大きなマーケットに持っていくときに、ソフトバンクの力を借りる。すみ分けというよりは、常に先を行く、新しいことを考えていきたい」(寺尾氏)

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

この記事が気に入ったら
ITmedia Mobile に「いいね!」しよう