「メールが送れない」「端末が使えない」 急増する格安スマホのトラブル 国民生活センターが注意喚起

» 2017年04月17日 15時12分 公開
[田中聡ITmedia]

 右肩上がりで契約数を伸ばしている格安スマホ(MVNOサービス、格安SIM※ここでは「格安スマホ」で統一する)だが、契約に伴うトラブルも後を絶たない。国民生活センターは、4月13日に格安スマホに関連するトラブルの実例やアドバイスを紹介し、消費者に注意喚起した。

 国民生活センターが管理している全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)には、2016年度に格安スマホに関する相談が1045件寄せられた。これは2015年度の380件から約2.8倍の増加となる。では、どんなトラブルが多いのだろうか。国民生活センターがまとめた事例をもとに紹介したい。

国民生活センター 国民生活センターに寄せられた格安スマホの相談件数
国民生活センター 格安スマホの相談事例

問い合わせ窓口が電話のみで、なかなかつながらない

 60代男性からは、インターネットで契約した格安スマホについて問い合わせをしたいが店舗がなく、サポートの電話窓口にもつながらない、という不満の声が挙がっている。

 MVNOは実店舗を持たないところが多く、店舗を持っていてもキャリアほど全国各地にくまなく出店しているわけではない。こうしたデメリットが形になったケースといえる。ネットだけで調べられる自信のない人は、近くに店舗のあるサービスを選ぶのも一考の価値がある。

端末の修理を出したいのに代替機がない

 キャリアのスマホが壊れたら、取りあえずショップに持ち込めば、修理の対応をしてくれて代替機も手配してくれる。しかし格安スマホでは、必ずしも同じ対応をしてもらえるとは限らない。

 30代男性が格安スマホに乗り換えたところ、端末が故障したのでメーカーに連絡をしたところ、修理に1カ月以上かかり、メーカーとMVNOどちらも代替機の貸し出しはないと言われた。1カ月スマートフォンが使えないのは困るので、初期契約解除を申し出たところ、対象外と言われたとのこと。

 電気通信事業法では、契約をしてから8日までは契約を解除できる「初期契約解除制度等の解約ルール」が定められている。しかしMVNOの音声サービスはその範囲には含まれないため、一度契約してから解約を申し出ると、契約直後であっても解約料が発生する場合がある。上記30代男性の例が、まさにそのケースとなってしまった。

 MVNOや端末メーカーは、修理代金を補償するサービスを提供しているところはあるが、代替機の貸し出しはMVNOやメーカーによって異なるのが実情。自分の、または家族が使っている古いスマホがあれば、代替機として使える可能性は高いが、そうでない人は注意したい。

キャリアメールが使えない

 MVNOでは、「xxx@docomo.ne.jp」「xxx@ezweb.ne.jp」「xxx@softbank.ne.jp」といったキャリアメールを利用できないが、こうしたデメリットが一般消費者に浸透しているとはいい難い。

 50代女性がケーブルテレビ会社の格安スマホに乗り換えてメールを送ったところ、エラーメッセージが戻ってきたという。これは携帯メール以外のメールを受信拒否していたため。

 Gmail、LINE、メッセンジャー、iMessageなど、キャリアメールに代わる連絡手段は多数あるが、キャリアメールのユーザーはまだ根強く存在する(特に年配の利用者が多い印象はある)。MVNOは、上記ケースのように、具体的な事例を交えて「キャリアメールが使えないこと」を消費者に説明をする必要がありそうだ。

SIMロックが掛かっていて手持ちの端末が使えない

 「3年前、2世代前の機種を使っている」という40代女性は、家族3人で格安スマホに乗り換えたが、3人の端末はSIMロックが掛かっていてロックを解除できないため、MVNOのSIMを使えないことが判明。ショップ店員からは、その機種でSIMが使えるとの説明があったにもかかわらず、無料での契約解除ができないと言われたそうだ。

 現在、ドコモのスマートフォンなら、SIMロックを解除しなくても、ドコモ回線を使った格安スマホはそのまま使えるが、auやソフトバンクのスマートフォンでドコモ回線のサービスを使う場合、SIMロックの解除が求められる。またau回線を使った格安スマホも、au VoLTE対応機種はSIMロックの解除が必要となる。

 今回のケースは店員が誤った回答をしていたようなので論外だが、「SIMロックの解除が必要かどうか」「手持ちの端末がロック解除できるか」の2点は、しっかり伝えるべきだろう。

販売されていた中古端末にネットワーク使用制限が……

 30代女性がネットのショッピングモールで未使用のスマートフォンを購入して格安スマホを使ったが、勝手に電源が落ちるようになった。その端末を販売していたキャリアに修理を依頼したところ、端末費用の未払いがあることが判明し、修理はできないと言われたという。

 端末を分割払いで購入したものの、途中で料金を踏み倒すと、「ネットワーク利用制限」が掛かり、データ通信や通話が利用できなくなる。いわゆる「赤ロム」の状態だが、この赤ロムのまま端末が中古で販売されている場合がある。中古で端末を購入する場合は、製造番号を問い合わせるかインターネットで調べるなどして、必ずネットワーク利用制限があるかどうかを確認したい。

SIMが届かないのに勝手に利用料金が発生?

 格安スマホのSIMカードが手元に届き、ユーザーが自ら回線の利用開始手続きをする場合、その手続きをしなくても、MVNOが定めた期間が過ぎると自動で通信料金が発生する。

 40代女性がMVNOからSIMカードを注文したところ、SIMカードが届かないので、MVNOに問い合わせたところ、警察や宅配事業者に確認するのに加え、既に利用料金が発生している……という回答だったとのこと。

 また、MNP(モバイル番号ポータビリティ)で格安スマホに乗り換えた場合、乗り換え日が以前使っていたキャリアの解約日になるため、解約日が更新月以外だと解約料が発生することがある。

格安スマホ契約前にすべきこと

 ここまでの事例を踏まえて、国民生活センターは消費者に対して、以下のポイントを確認するよう呼びかけている。

  • 今使っているサービスが格安スマホでも使えるかどうか
  • 今使っている端末が格安スマホでも使えるか
  • 今使っている端末にSIMロックが掛かっているか、解除はできるか
  • SIMカードのサイズは正しいか
  • 購入する中古端末が「ネットワーク利用制限」の対象かどうか
  • 格安SIMの利用開始日
国民生活センター 格安スマホの契約で確認すべきこと

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