日本国内で、特有の進化を続けてきた従来型携帯電話(ガラケー)。スマートフォンの急速な普及により、存在感は失いつつあり、キャリアショップではほとんど販売されなくなりました。そんな中、中古のガラケーのニーズが高まっています。今回は、中古ガラケーの人気の秘密に迫ります。
内閣府のデータによると、ガラケーからスマホに政権交代したのが2016年3月。下記のグラフ1では、2015年度の2人以上の世帯におけるスマホ普及率60.6%、ガラケー69.8%に対し、翌2016年にはスマホ67.4%、ガラケー64.3%となり、ガラケーとスマホの普及率が入れ替わりました。
スマホの普及率がガラケーを抜いた背景にはいろいろなものが考えられます。例えは「スマホがPCと同じようにネットを閲覧できる」「アプリでさまざまなジャンルのコンテンツが使える」といった、スマホならではの利便性も大きいでしょう。あと日本ではiPhoneが売れていることから、「はやりのiPhoneを使いたい」という理由もあるでしょう。
一方、キャリアショップで購入できるガラケーが少ないことから、しぶしぶスマホに乗り換えた人も多そうです。2014年以降、キャリアから発売されたガラケーの機種数を確認してみましょう。
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
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ドコモ | 6機種 ・らくらくホン8 F-08F ・SH-07F ・F-07F ・P-01G ・N-01G ・らくらくホンベーシック F-01G |
3機種 ・ARROWSケータイ F-05G ・AQUOSケータイ SH-06G ・P-01H |
2機種 ・P-smart ケータイ P-01J ・AQUOSケータイ SH-01J |
au | 1機種 ・MARVERA2 KYY09 |
3機種 ・GRATINA2 KYY103 ・AQUOS K SHF31 AQUOS K SHF32 |
2機種 ・GRATINA 4G KYF31 ・かんたんケータイ KYF32 ・AQUOS K SHF33 |
ソフトバンク | 1機種 ・COLOR LIFE 4 WATERPROOF 301P |
3機種 ・かんたん携帯8 302ZT ・COLOR LIFE 5 WATERPROOF 401P ・AQUOSケータイ |
3機種 ・かんたん携帯9 ・DIGNOケータイ ・AQUOSケータイ2 |
キャリアから毎年数十台のスマホが発売されているにもかかわらず、ガラケーの数は年々減少し、ドコモのiモードケータイは2016年で出荷が終了しています。一方、最近はAndroidベースの「ガラホ」が投入され、操作性も大きく変わらないため、従来のガラケーに取って代わる存在になりつつあります。ともあれ、ガラケーの数が減っているのは事実で、キャリアショップでの扱いも縮小傾向にあります。
ガラケーは消えつつあるこの状況は、日本だけでしょうか? 海外の事例を見てみましょう。
米国、英国、ドイツ、韓国、中国のどこ国を見ても、日本のガラケー利用率(全体加重平均)が全世代で特に高いことが分かります。その裏返しで、スマホ利用率が6カ国で一番低くなっています。また、タブレット普及も各国より断トツで遅れています。
年代別に見ると、スマホ利用率では、20代では 87.0%で全世代トップ。年代とともにスマホ利用率は下がり、60代は35.0%。逆にガラケーは年代と利用率が比例しています。日本ではまだまだガラケーのニーズがあることが一目瞭然です。
これだけガラケー利用率が高いにもかかわらず、旧機種はキャリアショップでは購入できません。そのため、ガラケーユーザーもしくは購入希望者は中古端末を買うしかありません。
実際にどのような層が中古ガラケーを購入しているのでしょうか? 当社(携帯市場)では、月間数千台のガラケーを販売しています。データによると、ガラケー購入ピーク層は2つあります。1つ目が30〜40代のサラリーマン男性で、仕事で利用するためです。2つ目がシニアで、熱心なガラケー利用者かつスマホを持っていないため、メイン端末として利用しています。
各層の購入者コメントを紹介します。
30〜40代男性
シニア
それ以外のコメントも紹介します。
これらのコメントから、中古ガラケーが売れている理由をまとめると、以下の通りになります。
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