インタビュー
» 2017年07月12日 15時27分 UPDATE

MVNOに聞く:一般層にも広がり約70万契約 好調「mineo」を支える“コミュニティー” (1/4)

ケイ・オプティコムが運営する格安SIMサービス「mineo」の特色は、ネットワークやサービスだけではない。同社は「Fun with Fans」をブランドステートメントとして掲げ、ファンの育成にも注力する。そんなmineoの事業戦略を聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 auのネットワークを借りるMVNOとして2014年にスタートし、急成長をとげ、大手の一角に名を連ねているのが、ケイ・オプティコムの運営する「mineo」だ。同社は2015年にドコモからもネットワークを借り、「Dプラン」を開始。借り先の回線を問わず、データをシェアできたり、家族割を組めたりする、MVNOならではのサービスをいち早く導入した。

 mineoの特色は、ネットワークやサービスだけにあるのではない。同社は「Fun with Fans」をブランドステートメントとして掲げ、ファンの育成にも注力する。その舞台となっているのが、コミュニティーサイトとして立ち上げた「マイネ王」だ。余ったデータ量を蓄積し、会員全員が困ったとき引き出せる「フリータンク」など、マイネ王発のサービスも生まれている。

 そんなmineoの差別化戦略を、ケイ・オプティコムでmineoの責任者を務める、モバイル事業戦略グループのグループマネージャーの上田晃穂氏が語った。

コミュニティーサイト「マイネ王」に注力する理由

mineo mineoの責任者、上田晃穂氏

―― サービス開始以降、順調にユーザーが伸びていますが、現状のユーザー数やユーザー属性などはいかがでしょうか。

上田氏 加入者数は最新情報でいうと、ほぼ70万になりました。そのうち、Aプランが40万、Dプランが30万という状況です。音声プランの比率は大体7割強ぐらいですね。前からできるだけ音声付きにご加入いただき、メイン端末として使ってほしいという思いがありましたが、その流れで(音声プランに)ご加入いただけています。

 ユーザー属性でいうと、一般層にどんどん広がっている傾向があり、それが女性比率だったり、若者の比率だったりに表れてきています。年代でいうと、もともとの母数として30代、40代が多いというのはありますが、最近の加入者は、女性の20代、30代、40代と、男性の20代が伸びています。

―― IIJやNTTコミュニケーションズと比べると、MVNOに参入したのは遅かったという認識ですが、最近の調査などを見ると、mineoはそういった会社と肩を並べる上位グループにいます。この要因は、どのように見ていますか。

上田氏 もともと思っていたことですが、後発なので、他社と同じようにやっていてはダメというのは強くありました。価格競争やサービスの横並びに、いかに巻き込まれないか。違う軸で差別化したいという思いがありました。それが一番強く表れているのが、ブランドステートメントの「Fun with Fans」です。これは、お客さま起点でサービスを組み立てるということで、それがマイネ王や共創戦略につながっています。ここはmineoとしてもオンリーワンのところですね。

―― といっても、ケイ・オプティコムはコミュニティーサービスを専門にしていた会社ではありません。なぜ、その発想に至ったのでしょうか。

上田氏 きっかけとしてあるのが、英国にある「giffgaff」というMVNOです。そこがコミュニティーを重視し、お客さまを獲得しているという事例がありました。価格やサービス以外での差別化事例を調べていたときに、コミュニティー重視のMVNOが海外にあったところがスタートです。ただ、それを日本でやるときに、どのようなことに気を付けなければならないのかということはもちろん、コミュニティーをコア(の差別化要素)にして本当にやっていけるのかということは、いろいろと考えました。

 コミュニティーがどれだけ事業に貢献しているのかというデータも取っています。もともとmineoに入る前にマイネ王を知っていたかというものや、マイネ王で活動している度合いによってどんな差があるのかということも、常に追っています。今でいうと、25%ぐらいの方がマイネ王を最初から知っていて、その上でmineoに入っています。

 経路はどうかというと、Googleで調べていくと、マイネ王のQ&Aに当たります。そこに詳しく、「こういうところに気を付けて」といったことや、「技術的にこういうことができる」と書かれている。すると、mineoなら、分からないことがあったとき、コミュニティーが助けてくれるということを知るようになり、そのままmineoに入るという流れができています。

―― 確かに、自分がMVNOについて検索で調べ物をしているときにも、マイネ王がヒットすることが多い印象はあります。

上田氏 実際、検索エンジンからの流入比率は高いですね。Twitterのつぶやきでも、マイネ王のリンクが付いていて、クロスチャネルで知る機会が増えています。

 マイネ王の中で何が一番魅力的かというと、やはり困ったときに、知らないことがあっても誰かが答えてくれるということが(アンケートで)上に来ます。つまり、mineoに入るときだけでなく、mineoに入った後も、ユーザーサポートになっている。マイネ王の中で積極的に活動してくれる方は解約率も高くなく、紹介する人数も多いですね。

―― 回答するモチベーションは、どこにあるのかを教えてください。報酬のようなものは用意されているのでしょうか。

上田氏 今は、まったくありません(笑)。ただ最近、これでいいのかなと思うことがあります。それがポイントなのか、何なのかはまだ分かりませんが、感謝の気持ちはあってもいい。何もなく、ここまでやっていただけて非常にありがたいのですが、サポートの重要な一部を担っていただいているわけですから。

mineo ユーザーと中の人の交流も活発なコミュティーサイト「マイネ王」

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