新型iPhoneの「価格」「ネットワーク」は? 「SIM」目線で気になるところは?次期iPhoneはどうなる?(2/2 ページ)

» 2017年09月12日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]
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LTEの高速化は進むのか

 iPhone 7/7 Plusでは日本独自のBand 21(ドコモの1.5GHz帯)へ新たに対応したが、新iPhoneはどうか。特に気になるのがBand 42(3.5GHz帯)への対応だ。

 ドコモは3.5GHz帯のキャリアアグリゲーションや4×4 MIMOなどの仕組みを活用し、9月4日から下り最大788Mbpsの高速化を果たした(関連記事)。iPhone 7/7 Plusのドコモ網での通信速度は下り最大375Mbpsだが、新iPhoneのプロセッサが進化して3.5GHz帯に対応すれば、788Mbps化も可能になるかもしれない。

iPhone ドコモは3.5GHz帯を活用して下り最大788Mbpsの通信を展開

 auも9月1日に下り最大708Mbpsの通信を開始した(関連記事)。これは2.5GHz帯のWiMAX 2+と3.5GHz帯または2.1GHz帯を組み合わせたもの。iPhone 7/7 Plusのau網での通信速度は下り最大225Mbpsだが、新iPhoneが3.5GHz帯に対応すれば、さらなる高速化が期待できる。

 ソフトバンクはTD-LTEの3.5GHz帯と2.5GHz帯の組み合わせで下り最大612Mbpsの速度を実現。iPhone 7/7 Plusのソフトバンク網での通信速度はFDD-LTE利用時が下り最大187.5Mbps、TD-LTE利用時が下り最大165Mbpsだが、新iPhoneが3.5GHz帯に対応すれば、TD-LTE利用時の高速化につながる。

新iPhoneと格安SIMの関係は?

 MVNO業界にとって、新iPhoneを取り巻く環境は従来より改善されたといえる。まず、2015年5月以降に購入した端末を対象とする「SIMロック解除」のガイドラインが改正され、一括で購入した場合は原則として即日SIMロックを解除できるようになった。ドコモは2017年5月24日からこのルールを運用しているので、新iPhoneを一括で購入すれば、その日にSIMロックを解除できる(関連記事)。一方、auとソフトバンクは2017年12月1日からの運用となる。

iPhone 新しいSIMロック解除のルール(ドコモの場合)

 分割払いで購入した場合も、購入日から100日または101日が経過していれば、SIMロックの解除が可能になる。従来は購入日から180日または181日経過している必要があったので、新ルールでは80日短縮された。このルールは3キャリとも運用中だ。

 従来よりも早くSIMロックを解除できるようになれば、例えばソフトバンクのiPhoneを購入してドコモ、au回線を使った格安SIMに変更する、といったことが、より短期間で可能になる。

 さらに、2017年8月1日以降に発売される端末については、MVNO向けのSIMロックも廃止された。特にその影響が大きいのがau回線。au VoLTEの回線を使ったMVNOのSIMカードを使用するには、端末のSIMロックを解除する必要があった。例えばauのiPhoneを購入しても、iPhone 7/7 Plus以前の端末だとSIMロック解除なしにmineo(Aプラン)やUQ mobileのSIMは利用できなかったが、新iPhoneならSIMロック解除は不要だ。

 この変更により、auの新iPhoneを購入して、すぐにau回線の格安SIMに乗り換える、または併用するといったことが可能になる。

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