今回のLet'snote新モデルは、Bluetoothや無線LANのほか、10.4型ワイド液晶ディスプレイを備える「Let'snote R8」以外のモデルに標準で無線LAN+モバイルWiMAXのコンボモジュール「Intel WiMAX/WiFi Link 5150」と、自社開発の高感度コンボアンテナを実装する。モバイルWiMAXは、国内でUQコミュニケーションズのUQ WiMAX(4480円/月あるいは600円/日 1日利用プランは2009年10月開始予定)や、UQコミュニケーションズのMVNO各社のサービスを利用でき、下り最大13Mbps、上り最大3Mbpsで通信できる。
さらに直販サイト「マイレッツ倶楽部」では、無線LAN+モバイルWiMAXに加えて、ドコモのFOMA通信モジュールによるワイヤレスWANも同時に内蔵できるカスタマイズモデルも用意する。近距離や公衆無線LANスポットでBluetooth(v2.1+EDR)のPAN通信や無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n)、東名阪・都市部ではモバイルWiMAX、サービスエリアが広いドコモ網を利用したワイヤレスWANと、モバイル利用に必須とする高速モバイル通信となる4つの手段を内蔵できてしまう。マイレッツ倶楽部オプションにはこのほか、SSDや8Gバイトメモリ、64ビット版Windows 7の選択といったメニューも用意し、「最強全部入り」構成でオーダーすることも可能だ。
新OS、Windows 7のリリースが迫るが、特に企業ユーザーにはWindows XPやInternet Explorer 6を望む声も多くある。Windows 7は、仮想環境で実行する「XPモード」などを用意し、現Windows XPユーザー向け対策も意識する。より高速な標準電圧版CPUの採用は、これら仮想環境実行時もかなり有効だ。
加えて、Let'snote新モデルは全モデルでWindows 7 Businessを採用しつつ、Windows XP Professional(SP3)にもダウングレードできる手段を標準で用意し、法人向けモデルにWindows XPインストール済み(ダウングレード適用済み)のオプションも用意する。さらに法人向けモデルは、4年の無償保証も標準で備えたことも注目したい(従来は3年)。
「現在、企業のIT資産投資額が減少傾向にあるのは確かであり、無償保証期間の拡大は“買い替えスパンが長くなる”ので結果として数が出にくくなるという声はある。ただ、“長く使える=トータルコストの削減”になることは、ユーザー目線で見ると大きなメリットだと思う。重量やバッテリー駆動時間、頑丈、高速、国内生産というLet'snoteシリーズならではの特徴は、実はここにもつながる。安価さのみを特徴にするPCとは少し異なり、Let'snoteシリーズは“モバイルPCの本質を見極めたPC”と自信がある」(奥田事業部長)
最近は、2台目需要を担うNetbook以外に、台湾のPCメーカーを中心に12型クラスのディスプレイと薄型ボディ、CULV(コンシューマー向け超低電圧版:Consumer Ultra Low Voltage)プロセッサを搭載し、10万円以下と安価なモバイルノートPCも流行の兆しを見せているが、今回の製品群とその力の入れ具合は「決して、そうではない。日本ユーザーが望む本質はそこではない」というアンチテーゼをも込めたように感じられる。
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