アイ・オー・データ機器は12月17日、Windows 7のSensorAPIを使う人感センサー機器「WinSensor(SENSOR-HM/ECO)」を発表。同日より同社直販サイト「ioPLAZA」で販売する。価格は5980円(税込み)。
WinSensorシリーズの第1弾となるSENSOR-HM/ECOは、本体に内蔵する人感(赤外線)センサーでユーザーの離席・着席を感知し、自動的にPCの省電力制御を行う機能を追加するPC周辺機器。Windows 7に標準装備する「SensorAPI」への対応を大きなポイントとし、Windows 7 ロゴプログラムの資格認定を取得予定とするSensorAPI対応機器として世界初をうたう。主に法人需要を想定し、節電を軸に二酸化炭素の排出量削減や電力コストを低減できること訴求。同社によるとWinSensorの導入で、一般的なオフィス環境において約20%の電力削減を実現するという。今回の人感センサー以外に各種センサーを内蔵した製品のシリーズ化も計画し、同時にディスプレイなど同社が展開する製品群への機能組み込みや企業向けソリューション販売などの展開や訴求をマイクロソフトと共同で行っていく。
SENSOR-HM/ECOそのものの仕組みは単純だ。USB接続型の本体に赤外線センサーを内蔵し、照射される赤外線が遮られているか否かを検知してオン/オフを制御する。付属するユーティリティソフトで「離席して何秒後にディスプレイの電源を切る」「さらに何分センサーに反応がなかったらスリープ状態に移行する」といった動作の設定が行える。
このほか、SensorAPIの研究や開発支援を目的にアプリケーションのサンプルソースコードも無償で提供する。企業ニーズに応じて、例えば「業務アプリと連携」「社員の在籍管理」「着席時間に応じた生産性を計測する」──などの応用も想定でき、ユーザーはこのソースコードをもとに独自のアプリケーションを開発することもできる。
各種センサーを用いて機器を自動制御するのは、ディスプレイの輝度調整や消灯(照度/赤外線センサー)やHDDのヘッド待避(加速度センサー)といった機能をメーカーが独自工夫して盛り込んだPC・PC周辺機器がすでに多く存在するほか、温度や人物の位置などを認識して効率的に動作するエアコン機器やテレビ、便座、防犯灯など、PCでも家庭内機器でも、機能そのものに目新しさはない。
ただ「このAPIがOSに標準で備わることで、オープンかつ今後長く使えること、コストが下げられること、総合して汎用性が高いこと。これが重要」(マイクロソフトの中川本部長)とする。これまでのマウスやキーボードなど受動的なインプットデバイスに加えて、環境情報をOS標準のAPIでコントロールし「“今、ユーザーが何をしたいのか”をPCが認識し、自動的・能動的に制御」するようになることで、法人・個人に限らず、各種センサーを利用したさまざまな活用シーンの広がり、つまり市場の拡大も想定している。
さらに「Windows 7にAPI標準搭載」ということで、SensorAPI搭載機器は原則としてWindows 7でないと動作しない。2009年10月〜12月期におけるWindows 7のコンシューマー向けパッケージ売上高は、前年同期比で約7倍(マイクロソフト 中川本部長)と好調のようだが、法人向けの売上はこれに及ばない(もちろん前年同期比約2倍で増進してはいる)。SensorAPIの利便性や環境負荷削減への意識を訴求することで、法人における旧バージョンからWindows 7へのアップグレードないしPC買い替えをさらに促す材料の1つに据える考えでもあるようだ。
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