10万円以下でゲームも余裕! お買い得ノートPC「m-Book MB-T910B」を試すArrandale+GT335Mの実力(2/2 ページ)

» 2010年02月25日 18時24分 公開
[小川夏樹,ITmedia]
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パフォーマンスに直結するメインメモリやHDDは妥協せず

 これまで紹介してきたように、MB-T910Bは同クラスのノートPCに比べると、機能やインタフェース面ではややシンプルな印象を受ける。ただしその一方で、CPUとGPU、メモリやHDD容量といった、PCで最も重要な部分と言える基本性能に関しては、しっかりとツボを押さえている。

本体底面。各種コンポーネントは底面のカバーを外せばアクセスできる。メモリの交換やHDDの換装などは比較的容易だ

 メインメモリは2Gバイト×2の4Gバイト(SO-DIMM/PC3-10600)と、64ビット版Windows 7 Home Premiumが快適に動作できる容量を標準で搭載し、HDDも標準で500Gバイト(Serial ATA)を備える。さらにBTOメニューには、さらに高速なSSDのオプションも用意されている。

 なお、メモリ用のDIMMスロットは、本体底面のカバーを止めているネジを外すとアクセスできる。DIMMスロット脇にCPUとPCHが配置され、冷却ファンから銅製のヒートパイプが伸びており、CPUとPCH、GPUを冷やす仕組みだ。

 DIMMスロット同様、HDDが格納される底面部もカバーをネジ2本で外すことができ、HDD自体も簡単に着脱可能だ。ノートPCながらメンテナンス性は高く、将来的に安価なSSDを入手して自分で交換する、といったことも容易に行える。

 ちなみに、冷却ファンはネジ7本で固定されているだけだし、CPUはPGA988ソケット(rPGA 989/988 CPU Socket)に装着されているので、ArrandaleのBGA988版Core i7 Mシリーズなど、上位のCPUが将来的に入手できれば(保証外ではあるが)自分で交換することさえできる。ノートPCながら、CPUアップグレードの可能性がある点では非常にユニークな製品と言えるだろう。

冷却ファンを固定しているネジを外すと、ヒートパイプごとファンを取り外すことができる。CPUは写真のようにGA988ソケット(rPGA 989/988 CPU Socket)を使って装着されている。右側がIntel HM55 ExpressのPCHだ(写真=左)。内蔵GPUのGeForce GT335M。GPUの周囲には専用のグラフィックスメモリが配置されている。専用グラフィックスメモリの容量は1Gバイトなので1チップが256Mバイト。こちらも冷却ファンから伸びているヒートパイプによって冷却される仕組みだ(写真=右)

 それでは、各種ベンチマークテストを実施し、Core i5-520MとGeForce GT335Mを搭載するm-Book MB-T910Bの性能を検証していこう。

十分な3D性能とCPUパワーで省スペースデスクトップPC代わりにおススメ

64ビット版Windows 7 Home Premiumの「Windowsエクスペリエンスインデックス」のスコア。HDDが最低の5.8、メモリーが5.9となっている以外は6を超えている。Windows 7を快適に動作させることができる性能だ

 MB-T910Bは標準で64ビット版のWindows 7 Home Premiumが搭載されている(BTOメニューで32ビット版やほかのSKUを選択することも可能)。Windows 7のエクスペリエンスインデックスの結果は、最低スコアがHDDの5.8、CPUが6.9、グラフィックスは6.6と、Windows 7を快適に使うのに十分な性能が持っていることが分かる。

 性能をより詳細に計測するため、PCMark05、PCMark Vantage(x64)、3DMark06、3DMark Vantage、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3といったおなじみのベンチマークテストも実施した。なお、3DMark Vantageでは最低でも1280×1024ドットの解像度が必要になるが、MB-T910Bの内蔵液晶の最大解像度が1366×768ドットのため、外部ディスプレイに接続して行っている。また、64ビット版のWindows 7ではPCMark05の総合スコアが出ないため、計測出来たスコアのみ掲載している。

 なお、ベンチマークテスト実行中の動作音は、非常に静かな通常時の動作音に比べると、冷却ファンの回転音が聞き取れる程度までは上がる。ただし、自宅の深夜などよほど静かな環境でなければ気にならないレベルだ。また、排気口から暖かい空気が出るが、これも排気口が背面側にあるので大きな問題はないだろう。

PCMark05(1280×1024ドット)/PCMark Vantage(x64)(1280×1024ドット)

3DMark06(1280×1024ドット)/3DMark Vantage(1280×1024ドット/Performance)/FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3

 ベンチマークテストの結果だが、3Dグラフィックス性能に関しては、オンラインゲームを始めとした現行の3Dゲームなら、各種効果をフルに有効にしてというわけにはいかないものの、標準設定なら十分プレイできる性能を持つ。また、CPUに関してもPCMark05のCPU Test Suite、PCMark Vantage(x64)のCommunications Suite、Productivity Suiteの結果から、オフィスソフトやWebブラウジング、動画鑑賞といった使い方なら不満のないパフォーマンスを持っていることが分かる。

 ただ、ほかのパフォーマンスが十分に高い分、HDDのスコアが低いのは少し気になるところだ。例えば、同じCPUとGPUをベースにSSDを搭載した製品と比較した場合、Windowsの起動時間やアプリケーションの起動、データの読み出しなどで違いは出る。もっとも、いったん起動してしまえば4Gバイトのメモリ容量を余すことなく利用できるので、そこまで体感差を感じることはないかもしれない。また、BTOメニューには80Gバイト/160GバイトのSSDも用意されているので、パフォーマンスを追求したいときはSSD、容量を優先するならHDDを選べばよいだろう。もちろん、本機のHDDは比較的容易に交換できるので、将来SSDの容量が増えかつ安価になったときに自ら載せ換えてしまってもいい。

 以上のように、MB-T910Bは安価ながらも十分な性能を備えたコストパフォーマンスの高い製品だ。機能面やインタフェース回りはシンプルな印象もあるが、こうした点を念頭に入れておけば、非常に魅力的な選択肢と言える。15.6型ワイド液晶ディスプレイを内蔵する本体にあわせて、テンキー付きのキーボードが搭載されており使い勝手もいい。これから迎える新生活にあたって、価格が手ごろな省スペースデスクトップPCやフルサイズのノートPCを購入したいと考えているのなら、MB-T910Bを是非検討して欲しい。

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