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» 2010年04月04日 14時35分 UPDATE

ついに米国で発売:行列に並んで「iPad」を買ってきました (1/2)

「買ってきました」シリーズの最新作は米国で4月3日より販売が始まった「iPad」だ。今回は第1弾の「初代iPhone」、第2弾の「Google Nexus One」に続き、このiPad購入までのエピソードを紹介する。

[鈴木淳也,ITmedia]

確実にiPadを手に入れるために

og_ipad1_001.jpg 3月12日にオープンしたiPad特設サイト。画面右上の「Pre-order」ボタンに注目

 ……と見出しに書いてはみたものの、今回のiPadに関しては入手のために試行錯誤を重ねたことも、ましてや初代iPhoneのときのように1日がかりで並んだなんてこともなく、ほとんど苦労もなく至ってスムーズに購入できた。というのも、今回のiPadでAppleは予約制をしいており、事前予約さえしておけば当日に簡単に入手できたわけだ。なので今回は、予約開始から当日までの現地の様子をご紹介する形で、購入までの状況をリポートしていこう。

 AppleがiPadの発売予定日を発表したのは3月5日だ。それまでWi-Fi版がスペシャルイベント開催の1月27日から60日以内、3G版が90日以内とされてきたが、4月3日というほぼ60日きっかりでの提供が正式に決定したことになる。ここで判明したのは最初に提供されるのは米国のみで、3月12日より事前予約を開始するということが伝えられた。

 購入方法は「Pre-order」と呼ばれるオンラインストア経由での事前注文と、「Reserve and Pick-up」というApple Store店舗での取り置きの2種類が指定されている。iPadについては事前にアナリストらによって製造委託メーカーであるFoxconnでの製造トラブルが伝えられており、当初米国のみでの提供となったのも、こうしたトラブルを背景にしたものである可能性が高かった。ゆえに4月3日に確実に入手するためには、いずれかの方法を選択しなければならなかった。オンラインストアでの配送はトラブルによる遅延の可能性もあるため、今回はすばやく入手するべく後者の予約での取り置きを選択することにした。

og_ipad1_002.jpgog_ipad1_003.jpgog_ipad1_004.jpg 4月3日の当日に確実に入手する方法は2つあり、1つは「Pre-order」と呼ばれるApple Online Storeでの事前購入と発送で、2つめは「Reserve and Pick-up」というApple Retail Store各店舗での取り置き(いわゆる予約)だ(画面=左)。Pre-orderを選択したときの画面。ここで注文が可能だが、最大2台までの制限がついている。ここで3G版も選択できるが、実際に配送されるのは4月末となる(画面=中央)。アクセサリの数々。すべて一覧で並べられてはいるものの、4月3日に発売されないアクセサリもあり注意が必要(画面=右)

og_ipad1_005.jpgog_ipad1_006.jpgog_ipad1_007.jpg Reserve and Pick-upを選択したときの画面。まずピックアップする取り置き店舗を指定する(画面=左)。次に予約する機種と数量を指定する。台数制限は特にないが、ここで3つ以上の数を指定しても後で問題なく購入できたようだ。なお、おわかりのようにこちらではWi-Fi版しか指定できない。この画面終了後、Apple IDでログインする(画面=中央)。最後に確認メッセージと店舗の地図が出て終了。確認メールが届く。今回は16Gバイト版を2台注文した。なお、取り置きは開店から午後3時までと時間が指定されている。この時間を過ぎると、後から来た客に順番に在庫がまわされていくことになる(画面=右)

 そして3月12日、予告通りオンラインでの予約受付がスタートした。確実に入手するため、ニューヨーク等のある米東海岸時間(EST)で12日に日付が変わる瞬間を狙って予約を入れようと待っていたが、AppleのWebサイトには何も変化もなく、その日は諦めてそのまま寝てしまった。だが予約自体は同日の早朝8時(EST)からスタートしていたようで、筆者がベースとするサンフランシスコの西海岸時間(PST)ではまだ夜明け前。開始から4時間遅れほどで予約プロセスを済ませたが、特に何の問題もなしに終了。確認メールも無事に届いたため、これで「iPadを確実に〜」が終了してしまった。

 これだけだとつまらないので、ちょっとだけ後日談を加えておこう。あとで同業者らとの話をしていたところ、すでに3日目の時点で「4月3日の購入は難しいのでは?」という意見が出ていた。だがこれは間違いだったようで、3月末の時点でPre-orderでの届け予定日がはじめて4月12日に変化し、予約開始から2週間が経過するまで4月3日当日での配送が確約されていたようだ。だが予約が少なかったのかというと、そんなわけでもなく、アマチュアの投資家集団らによる予約状況の事前予測では、1週間経過時点でのPre-orderの台数が20万に達しており、関係者からのコメントで、それ以外の店舗取り置き分でさらに15万台近くが確保されているという話が伝わっていた。計40万台近くが1週間で売れていたわけで、発売日当日には少なくともそれ以上の台数が用意されていた可能性が高い。結局、Appleが商品を潤沢に用意していたことは当日分かることになるのだが……。


発売日前日の行列リポート……のはずが、サンフランシスコは人影もなく

 予約完了から2週間ほどイベント取材で米国じゅうを徘徊した後、サンフランシスコへと戻ってきた。そしてiPad購入に向けて準備していたところ、Appleから当日の販売方法についてアナウンスが正式に行われた。iPadの販売はApple Storeだけでなく、同社認定販売業者、そして大手家電小売りチェーンのBest Buyでの販売が行われることが明らかにされた。この日Apple Storeのサンフランシスコ店に顔を出してみると、今までになかった4月3日発売を予告する“のぼり”が入り口に立っていた。

og_ipad1_008.jpgog_ipad1_009.jpg 3月29日から米国全店舗のApple Retail Storeに掲示されたiPad発売予告の“のぼり”。まだ店舗の外装もiPhoneとMacBook中心のもので、iPad発売の雰囲気はあまり感じられない

 店員によれば、すでに予約リストが準備されているとのことで、当日は身分証とクレジットカード(または現金)を持ってくるだけで購入可能だという。午前9時のオープンから午後3時の取り置き終了まで6時間あるので、購入するのは明らかに余裕。以前のように早朝からは並ばず「開店1時間前の午前8時くらいに顔を出せばいいや」程度に考えていた。「今回は行列をゆっくり取材しよう」などとプランを練りつつ、Appleから新たに発表された販売店舗のBest Buyにリサーチに行ってみることにした。

 サンフランシスコ市内には2つのBest Buy店舗がある。そのうちの1つ、丘の高台にある店舗に行って店員に話を聞いたところ、今回のiPad販売の件について何も連絡を受けていないという。直前まで指導が行われない可能性も考えたため、数日後にもう1つのフリーウェイ沿いの店舗に行ったところ、こちらは発売直前だけあって詳しい話を聞くことができた。それによれば、同店舗に用意される端末はわずか5台であり、次の入荷予定も不明だという。前述のApple Online Storeの予約日の変化を考えれば、4月12日に改めて入荷する可能性はあるが、わずか5台では開店前の行列で一瞬でなくなってしまうため、選択肢としては論外だ。おそらく、予約がなくてもApple Storeの店舗に並んだほうが入手が容易だろう。

og_ipad1_010.jpgog_ipad1_011.jpg サンフランシスコ市内に2つあるBest Buy店舗の1つ。丘の高台にある店舗だが、以前に入っていたデパートのテナントが倒産したため、ほとんどもぬけの殻で寂しい状態だ(写真=左)。サンフランシスコ市内にある2つめのBest Buy店舗。発売直前に店員に尋ねたところ、入荷予定台数は5台だという。こちらで入手するのは絶望的で、Apple Storeに出向いたほうが可能性が高そうだ(写真=右)

 そうして発売日前日の2日となったわけだが、なんとこの日のサンフランシスコは大雨。外出もままならないレベルで、雨が止む夕方過ぎまで1日大人しくしていることにした。本当は徹夜組がいないかどうか行列をチェックしようとしていたのだが、「この雨では行列なんてないだろう」と考えて……。実際、最初の行列はサンフランシスコ店で20時過ぎにできたようで、しかもわずか3人だけ。「数日前から張り付くファンのいた米ニューヨークの5番街店に比べれば、西海岸は随分とおおらかだな」などと思いつつ、しばらく様子を観察することにした。

og_ipad1_012.jpgog_ipad1_013.jpgog_ipad1_014.jpg サンフランシスコ店舗の行列状況をチェックしようと街の中心部に戻ってきたところ、20時過ぎですっかり真っ暗に。店舗前までやってくると、すでに行列が。ただ聞いたところ、まだ並び始めたばっかりだという

 夜になると若干人が集まってきて、賑やかになっている。だが人数はほとんど増えておらず、行列組の1人が持ってきたタブレット端末「JooJoo」を手にまわりの人間が談笑しているだけだった。形状が似ていたせいもあり、JooJooをiPadと勘違いして近付いてくる野次馬も多かったようだ。しばらくすると、宣伝を兼ねて炭酸ジュースを配りに来るお姉さんが出現した。Appleファンとの会話に楽しく参加している。話によれば、サンフランシスコ市内にあるほかのApple Store店舗をいくつかまわってきたが、どこも行列どころか人っ子一人おらず、宣伝キャンペーンが行えず空振りだったという。

og_ipad1_015.jpgog_ipad1_016.jpg 22時過ぎ。すでに店舗は閉店して、模様替えを開始。内装を見せないために暗幕が張られる。これはiPhoneローンチのときと同じだ

og_ipad1_017.jpgog_ipad1_018.jpgog_ipad1_019.jpg 先ほどの行列の先頭の場所に人が集まっているので覗いてみると、なにやらiPadらしき端末を操作している人が……。でも実はこれ、「JooJoo」という先月末に発売されたタブレット製品で、スクリーンサイズや形状こそ似ているもののiPadとは何の関係もない。だがプロセッサがAtomベースなので、けっこう快適にWebブラウズやアプリ利用ができているようだ

og_ipad1_020.jpgog_ipad1_021.jpg 何やらウォータークーラーを引き下げてやってくるお姉さんがいたと思ったら、炭酸ジュースを配り始めた。例によって宣伝らしい。ただし、炭酸ジュースは今回「アップル味」のみ配布らしい

 さすがに事前予約が徹底していただけあって、今回は以前のiPhoneのような行列は期待できなさそうだと思い、素直に部屋に戻って寝ることにした。部屋に戻ると同業者のY氏からのメッセージが残っていたので携帯に電話してみると、Apple本社にほど近いApple Storeパロアルト店舗からの様子を教えてくれた。なんとそちらはすでに20名以上がテントを張って野営しており、深夜1時からバーベキュー大会まで開催する予定だという。街の中心部の道ばたで深夜のバーベキュー宴会とは迷惑きわまりない気もするが、それはそれで楽しそうだ。この店舗はシリコンバレー中心部だけあって著名人が多数集まることで知られており、Apple共同創業者のSteve Wozniak氏がよく遊びに来るほか、CEOのSteve Jobs氏がiPhone発売日に視察に来たことが話題になっている場所でもある。

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