「Eee PC VX6」実力診断――ランボルギーニの世界観を表現したミニノートもはやNetbookとはほど遠い!?(3/5 ページ)

» 2010年11月11日 17時45分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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OSは32ビット版Windows 7 Home Premium、付属ソフトはシンプルな構成

 プリインストールOSには32ビット版のWindows 7 Home Premiumを採用している。多くのNetbookではWindows 7 Starterを用いているが、StarterではWindows Aeroの半透明効果などが使えず、基本的に壁紙の変更ができないほか、DVD-Video再生やWindows Media Centerなどのマルチメディア機能が省かれている。

 一般的なNetbookを大きく上回る性能を持つEee PC VX6だけに、OSがWindows 7 Starterであれば、いかにも物足りないと感じていただろう。少しコスト増になってもHome Premiumを採用したのは妥当な判断といえる。なお、付属ソフトはASUSのユーティリティを中心にまとめたシンプルな構成だ。

デスクトップにはランチャーソフトの「Eee Docking」が標準で常駐しており、独自ツールなどにアクセスできる
「Eee Docking」に用意されている「USB Charge+」ユーティリティ。本体が休止状態や電源オフ状態でもUSBポートを使って携帯電話や携帯オーディオプレーヤーなどを充電できる
Eee Dockingからアクセスできる画質調整ツールの「Eee Splendid」。画面の色合いを調整する「LCD Splendid」では、4つのプリセットから好みの色合いを選べる。「Video Splendid」では動画再生時のコントラストを調整できる

1366×768ドット表示の12.1型ワイド液晶、高品質オーディオシステムを装備

 液晶ディスプレイのサイズは12.1型ワイドで、薄型化と省電力化に有利で経年劣化の心配が少ないLEDバックライトを採用している。画面の表示解像度は1366×768ドットに対応する。最近のノートPCとして標準的な解像度であり、Windows 7を実用十分な快適さで利用できる。

 表面が光沢仕上げなので映り込みは多少あるが、表示品質はごく標準的だ。TNパネルのため上下の視野角はやや狭い。ディスプレイの開く角度は、125度程度までとあまり開かないほうだ。通常の利用では問題ないが、ヒザの上などに置いて画面を上からのぞき込むような体勢には、人によっては少し見にくく感じるかもしれない。

表示解像度は1366×768ドットで、Windows 7搭載PCとして標準的だ。画面が12.1型ワイドとEee PCにしては大きく、表示が細かすぎることもない
LEDバックライトの採用に加えて、ディスプレイ部をブラックとシルバーのツートーンに塗り分けており、薄く感じる。ディスプレイは125度程度まで開く

Bang & Olufsen ICEpowerが認定したEee PC VX6専用のオーディオシステムを採用。イコライザを変えて楽しむのもいいだろう

 サウンド面では、デンマークに本拠を置く高級オーディオ機器メーカーであるBang & Olufsen ICEpowerが認定したEee PC VX6専用のオーディオシステムを採用している。同社はランボルギーニの親会社であるアウディにカーオーディオシステムを提供しているだけに、これもコラボレーションの一環なのだろう。ASUSは大型ノートPC「NX90Jq」でもBang & Olufsenとコラボしており、今シーズンは音質面の強化が目立つ。

 試聴した印象では、確かに音質が良好だ。ミニノートPCだけにスピーカーの容量は限られ、低音の弱さは否めないところだが、中高音域でのキレのよさ、抜けのよさを感じた。特に専用のチューニングソフトなどは付属していないが、音源に合わせてイコライザで調整してやると、より印象のよい音で楽しめるだろう。

アイソレーション型のキーボードとデザインされたタッチパッドを搭載

アイソレーションタイプのキーボードに、凝ったデザインのタッチパッドを組み合わせている

 キーボードはキートップの間隔が離れたアイソレーションタイプを採用している。キーボードユニットとパームレストをシームレスに一体化した構造のため、見た目の印象がよいだけでなく、堅牢性も高い。キーのスイッチは多少反発が強めに感じたが、強めにタイプしてもたわみなどを感じることはなく、安定したタッチ感だ。

 Eee PCシリーズとしてはボディが少し大きいため、サイズも大きめに確保されており、配列も比較的素直だ。主要キーを含めほとんどのキーは18(横)×17.5(縦)ミリのキーピッチを確保しており、Enterキーのサイズも26〜31(横)×31(縦)ミリと大きい。パームレストにはASUSが「ソフトタッチコーティング」と呼ぶコーティングが施されており、滑らかな手触りで質感も上々だ。

 キーボードの手前には個性的なデザインのタッチパッドを装備する。パッドの位置はホームポジション直下よりわずかに右寄りで、有効なパッド領域は66(横)×40(縦)ミリとそう大きくはないが、通常の操作には十分なサイズだ。ただし、パッドに光沢のあるクリア素材を利用しているため、指の滑りがいまひとつで、操作性はあまりよくないと感じた。左右のボタンは一体成形だが、ストロークが適度にあって意外に押しやすい。

 タッチパッドのドライバはシナプティクス製で、2本指を使ったスクロールやつまみズーム、回転、3本指で弾く(ページ送り、写真送りなど)などといった、マルチタッチジェスチャー機能が標準で有効となっている。さすがに3本指での操作はタッチパッドが狭い印象だ。

タッチパッドにはシナプティクスのドライバ(V7.2)が導入されている。パッドの右辺を利用した縦スクロールのほか、2本指での縦横スクロール、つまみズーム、回転、Webページの進む/戻るやフォトビューワの写真送りなどに対応する「3本指で弾く」などの機能が標準で有効となっている

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