「VAIO Sシリーズ15」を自己責任でパワーアップしてみたメモリ増設+SSD化で再レビュー(5/5 ページ)

» 2012年08月21日 00時00分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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DDR3とDDR3Lでバッテリー駆動時間は変わるか?

 バッテリー駆動時間のテストは、定番のBBench 1.01(海人氏・作)で行なった。前回のレビューでは、SPEEDモードとSTAMINAモードでバッテリー駆動時間に差が出なかったため、今回はSTAMINAモードに絞って、DDR3とDDR3Lの違いをテストした。

 Windows 7の電源プランは「バランス」(ディスプレイ輝度40%)を利用し、無線LANで常時接続(Bluetoothオフ)した。BBenchの設定は「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」を選択し、WebブラウザはInternet Explorer 9(32ビット)を使い、タブブラウズは無効にして測定している。

BBench 1.01で計測したバッテリー駆動時間

 この条件で、バッテリー満充電から残量5%で休止状態へ移行するまでの時間を計測したところ、DDR3L利用時で278分(4時間38分)、DDR3利用時で277分(4時間37分)と、1分しか差がなかった。また、DDR3Lでも前回計測したノーマル状態よりも17分短くなってしまった。回線や巡回サイトの状態などが変わっている可能性があるので、単純な比較はできないものの、意外な結果ではある。

 次に、メモリに負荷をかけてみる意味で、今回はInternet Explorer 9のタブブラウズをオンにした場合も計測してみた。BBenchの動作中にタブを延々と追加し続けるため、あまり現実的なテスト設定ではないのだが、メモリの消費量はタブを開くたびに増えていくので、あえてこの設定でも試したのだ。

 こちらのテスト結果は、DDR3L利用時で171分(2時間51分)、DDR3利用時で167分(2時間47分)と、その差は4分に広がったが、それでもわずかというレベルには変わりがない。また機会があれば、さらに強い負荷をかけてテストしてみたいところだ。

余計な手間をかけたくなければVAIOオーナーメードモデルがベストか?

 最初は「この構造ならば、メモリ増設とSSD換装なんて簡単だろう」と見くびっていたが、データの移行作業に手間取り、実際にやってみると少々面倒だったという誤算があった。

 しかし、結果として、おおむね期待通りのユーザーエクスペリエンスは得られ、満足している。試してみたかったDDR3とDDR3Lの差も案外なかったので、コスト重視ならば、あえてDDR3を増設してしまってもよいと思われる。

 もっとも、今回のテストで得られた結果は、あくまでも筆者がテストした一例であり、この結果や互換性を保証するものではないことはお断りしておく。また、実際にユーザー自身でメモリの増設やストレージの換装などを行えば、動作保証の対象外となるので、その辺りはご自身で確認のうえ、自己責任で行っていただきたい。

 そういう心配をしたくなければ、やはりソニーストアでVAIOオーナーメードモデルを買うのが一番だ。メモリは当然どの構成でもDDR3Lになるし、SSD RAIDを選べば、Serial ATAインタフェースがボトルネックになることもなく、レスポンスはもちろん、シーケンシャルのリードもライトも高速だ。もちろん、データ移行などの面倒な作業も必要なくなる。

 2012年8月20日現在、ソニーストアで店頭モデルと同じ構成をベースに、メモリを8Gバイト、データストレージをSSD RAID 256Gバイトにすると、15万4800円となる。本体やSSDをどこでいくらで買うかにも左右されるが、増設や換装の手間、精神的な安定、そして3年保証サービスまで含めて考えると、意外に買い得なのかもしれない。

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