クアッドコア×グロッシーカーボンでUltrabookを圧倒せよ――「VAIO Z 15周年記念モデル」徹底検証16.65ミリ厚に“4コア”Ivy Bridgeを内蔵(1/5 ページ)

» 2012年06月27日 13時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

15周年記念の“Z”はハイエンドを超えたハイエンドか

13.1型ワイド液晶搭載のハイエンドモバイルノートPC「VAIO Z」

 性能と携帯性の妥協なき両立――。ソニーのフラッグシップ・モバイルノートPC「VAIO Z」はこのテーマを掲げ、同社の薄型化技術や軽量化技術、そして先進的な仕様をこれでもかと詰め込み、進化を重ねてきた。

 「VAIO type Z」として2008年夏に登場してから、大きなモデルチェンジを2回経て、今や高級志向の最上位モバイルノートPCとして、不動の地位を築いたといえる。

 6月9日に発売された2012年夏モデルでは、従来のフルフラットな薄型軽量ボディやドッキングステーション「Power Media Dock」を接続できるセパレートスタイルを引き継ぎつつ、基本システムにIvy Bridgeこと第3世代のCoreプロセッサー・ファミリーが核となるChief Riverプラットフォームを採用した(Ivy BridgeとChief Riverは開発コード名)。

 そして、ソニーストア限定のVAIOオーナーメードモデル(SVZ1311AJ)では、VAIO生誕15周年を記念した限定カラーモデル「VAIO 15th Anniversary Collector's Edition」も用意されている。今回はその15周年記念モデルを中心に、新しいVAIO Zの実力を検証していこう。

カーボン素材を目立たせたプレミアム感たっぷりのデザイン

15周年限定カラーの「グロッシープレミアムカーボン」

 VAIOの発売15周年を記念して用意された限定カラーは、「グロッシープレミアムカーボン」だ。VAIOノートの薄型化・軽量化技術の象徴であるカーボン素材をフィーチャーしたプレミアムなボディカラーとなっている。

 ボディには、軽量で優れた剛性を誇る東レ製のカーボン素材をぜいたくに使用。最新鋭の中型旅客機「ボーイング787」でも利用されている素材だ。天面にはカーボン層の間に特殊シートを挟むことでより軽量化しつつ剛性を高めた「ハイブリッドカーボン」、さらに底面の外装にもカーボンを採用している。艶やかな光沢の奥にカーボン繊維のヘアラインが透けて見える表面仕上げも秀逸で、プレミアム感たっぷりのビジュアルに仕上げている。

 さらに、ブラックのヒンジ(通常モデルはシルバー)に記念モデルであることを示すスペシャルな刻印を施しているのも見逃せない。その内容は世界共通で「15th ANNIVERSARY COLLECTOR'S EDITION MADE IN AZUMINO, JAPAN」というもので、長野県安曇野にあるVAIOノートの上流設計/生産拠点の技術力を誇る内容だ。記念モデルとしての所有欲をかきたてる心憎い演出といえる。

天面だけでなく、底面も側面も光沢仕様となっている。当然、表面に指紋は付きやすいので、外観を美しく保つためにはクロスでこまめに拭く必要がある。底面には内蔵ファンの2つの吸気口が配置されている。薄型ボディで通常電圧版CPUの熱を効率よく排出するため、デュアルファン仕様となっている

グロッシープレミアムカーボンは、表面の光沢層の奥にカーボン繊維の上品なヘアラインが透けて見える(写真=左)。その表情は光の加減で変化する。背面にある液晶ディスプレイのヒンジはブラックで、「15th ANNIVERSARY COLLECTOR'S EDITION MADE IN AZUMINO, JAPAN」のロゴが刻まれている(写真=中央/右)

直販モデル(グロッシープレミアムカーボン/左)と店頭モデル(通常のブラック/右)を並べた。限定カラーの光沢あるカーボンが印象的だ

薄型軽量ボディはそのままに、バッテリー駆動時間を延長

薄型、軽量、そして剛性感のあるボディは継承されている

 素材、カラー以外のボディの基本設計は従来モデルと同一だ。フルフラットなボディのサイズは330(幅)×210(奥行き)×16.65(高さ)ミリで、重量は約1.15キロ(最軽量構成時)。これは現行の店頭モデル(SVZ13119FJB)の約1.17キロよりも若干軽い。今回入手したVAIO Zの実測重量は1.132キロと、公称値よりさらに軽かった。詳しいスペックは後述するが、パワフルかつ非常に薄型で軽量といえる。もちろん、キッチリとタイトに組まれた高い剛性感も健在だ。

 底面に8本のコインネジで固定されたリチウムイオンバッテリーの容量は45ワットアワーで、公称のバッテリー駆動時間は約7.5〜9.5時間と長め。底面に装着して使うシート型の拡張バッテリー(49ワットアワー)もオプションで用意されており、これを利用すると駆動時間を約15〜18時間(公称値)に延ばせる。このシートバッテリーを装着しても厚さは24.75ミリ、重さは約1.69キロ(最重量値)に抑えられ、超長時間駆動のモバイルノートPCとして十分実用できる。

 なお、先代モデル(VPCZ22AJ)との公称バッテリー駆動時間の違いは表にまとめた。最低駆動時間が短くなっているのは、クアッドコアCPUが選択できるようになったことが大きいと思われる。逆に最低構成や店頭モデルではCPUの動作クロックが200MHz上がっているにもかかわらず、駆動時間は30分延びており、第3世代Coreの新プラットフォームを採用した効果は公称スペックからも感じられる。

8本のコインネジで固定されたリチウムイオンバッテリーの容量は45ワットアワーだ(写真=左)。オプションのシートバッテリーを装着しても、フルフラットなフォルムは保たれる(写真=右)

新旧モデルのバッテリー駆動時間比較(その1)
直販モデル 新VAIO Z(SVZ1311AJ) 旧VAIO Z(VPCZ22AJ)
本体サイズ 330×210×16.65ミリ 330×210×16.65ミリ
重量(最軽量構成) 約1.15キロ 約1.15キロ
最上位CPU Core i7-3612QM(2.1GHz/最大3.1GHz) Core i7-2640M(2.8GHz/最大3.5GHz)
最下位CPU Core i3-3110M(2.4GHz) Core i3-2330M(2.2GHz)
バッテリー駆動時間(内蔵) 約7.5〜9.5時間 約8.5〜9時間
バッテリー駆動時間(内蔵+拡張) 約15〜18時間 約16.5〜17.5時間
バッテリー充電時間(内蔵/拡張) 約3時間/約3時間 約2.5時間/約3時間

新旧モデルのバッテリー駆動時間比較(その2)
店頭モデル 新VAIO Z(SVZ13119FJB) 旧VAIO Z(VPCZ219FJ/B)
サイズ 330×210×16.65ミリ 330×210×16.65ミリ
重量(最軽量構成) 約1.17キロ 約1.165キロ
搭載CPU Core i5-3210M(2.5GHz/最大3.1GHz) Core i5-2410M(2.3GHz/最大2.9GHz)
バッテリー駆動時間(内蔵) 約9.5時間 約9時間
バッテリー駆動時間(内蔵+拡張) 約18時間 約16.5〜17.5時間
バッテリー充電時間(内蔵/拡張) 約3時間/約3時間 約2.5時間/約3時間

 標準で付属するACアダプタ(65ワット)は、実測でのサイズが45(幅)×106(奥行き)×27(高さ)ミリ、電源ケーブル込みでの重量が257グラムだ。小型のPC本体に比べると少し大きめだが、本体と一緒に携帯して苦になるほどではない。

 なお、ドッキングステーション装着時は別途ドッキングステーション用のACアダプタ(120ワット)が必要で、ドッキングステーションとの接続ケーブルからPC本体に給電されることになる。仕様的に仕方がないが、ドッキングステーション用のACアダプタは実測でのサイズが61(幅)×141(奥行き)×30(高さ)ミリ、電源ケーブル込みの重量が435グラムと、大型な点は少し残念だ。

ACアダプタは2種類を用意。本体専用のもの(写真=左)に比べて、本体とドック兼用のもの(写真=中央)は大きく重い。ドック接続時は、大きいほうのACアダプタをドックに接続し、ドックとの接続ケーブルからPC本体に給電する(写真=右)。なお、購入時にグロッシープレミアムカーボンのカラーを選択し、ドックを追加すると、ドックの背面部の色がブラックになる(通常はシルバー)

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