クアッドコア×グロッシーカーボンでUltrabookを圧倒せよ――「VAIO Z 15周年記念モデル」徹底検証16.65ミリ厚に“4コア”Ivy Bridgeを内蔵(5/5 ページ)

» 2012年06月27日 13時30分 公開
[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]
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バッテリー駆動時間、静音性、発熱をチェックする

 バッテリー駆動時間については、海人氏のBBench 1.01を利用して測定した。無線LAN以外のBluetooth、GPSなどはオフにした状態でネットに常時接続し、「60秒間隔でのWeb巡回(10サイト)」と「10秒間隔でのキーストローク」の設定でテストを行なっている。電源プランは標準の「バランス(ディスプレイ輝度40%)」を利用した。

BBench 1.01で計測したバッテリー駆動時間

 この条件でバッテリー駆動時間は5時間44分(残り5%)だった。公称値(約7.5時間)には及ばないまでも、クアッドコアCPUを搭載しながらもモバイルノートPCとして十分実用的なバッテリー駆動時間を実現している。店頭モデルは7時間17分(残り5%)で、こちらも公称値(約9.5時間)には及ばないものの、かなりのスタミナを実証している。

 静音性も悪くない。低負荷時でもファンは回転しているが、よっぽど静かな部屋でないかぎり、耳を近づけなければ分からない程度だ。CPUにマルチスレッドで連続して負荷がかかるような状況では2つの内蔵ファンによる風切り音がかなり大きくなり、やはりクアッドコアモデルのほうが、デュアルコアモデルに比べて大きな音がする。高回転時のファン動作音が独特の金属的な高音という印象は従来モデル同様だ。

 また、Power Media Dock接続時は本体のヒンジから15センチ奥にドックを設置したが、ドックのファンはそれなりに回っているものの距離があり、本体側のファンはそれほど回らないため、ドック接続時のほうが静かだった。

 薄型ボディながら発熱の処理も優秀だ。システムに高い負荷をかけ続けると、底面中央部の左寄りはかなり熱を持つものの、操作時に手を置くパームレストまではあまり伝わってこない。

暗騒音32デシベル/室温25度の環境において、本体手前5センチに騒音計を設置し、動作音を測定した結果(グラフ=左)。ドックは液晶ディスプレイのヒンジ部から15センチ奥に設置した。室温25度の環境において、CINEBENCH R11.5と3DMark Vantage(Entry)を実行した直後のボディ表面温度を放射温度計で測定した結果(グラフ=右)

さらに磨きがかかったプレミアムなモバイルノートPC

 VAIO Zの直販モデルは最小構成で12万1800円、15周年記念カラー選択時(グロッシープレミアムカーボンカラー)の最小構成で13万1800円だ。そこからカスタマイズしてCore i7-3612QM、メモリ8Gバイト、SSD RAID 512Gバイト、フルHD液晶を選択した今回の評価機とほぼ同じ性能の構成(Power Media Dockなし)で見積もると24万7800円となる(価格はいずれも2012年6月27日現在)。

 薄型軽量ボディに広色域フルHD液晶、高速なSSD RAIDを搭載し、シートバッテリーやドッキングステーションによる拡張性も備えるなど、従来から継承する魅力に加えて、CPUが第3世代に進化したことで、クアッドコアCPUの搭載も可能にしつつ、長時間のバッテリー駆動時間を実現するなど、VAIO Zならではの付加価値にはさらに磨きがかかった。

 VAIO Zは、ボディの薄さ、バッテリー駆動時間、レスポンス、いずれもインテルが大々的に宣伝しているUltrabookの要件を満たしている。しかし、VAIO ZはUltrabookではない。超低電圧版CPUではなく、通常電圧版CPUを搭載しているためだ。つまり、高性能すぎるがゆえにUltrabookを名乗れない。

 おそらく、このまま超低電圧版CPUに載せ替えるだけでUltrabookとして販売できないこともないと思われる。それをせず、性能、機能ともにグレードを下げた「VAIO T」をUltrabookとして用意したのは、インテルのUltrabook構想のずっと前から、魅力的な小型軽量/薄型軽量ノートPCを独自の研究開発によって提供し続けてきたソニーのプライドの現れだろうか。

 インテルのお膳立てにより、ソニーでなくとも(VAIO Zでなされているような特別な研究開発をしなくとも)、デザインに優れた魅力的な薄型軽量ノートPC(Ultrabook)が作れるようにはなったが、それでも依然としてこのVAIO Zの付加価値、プレミアムな存在感は際立っている。これらに魅力を感じるならば、決して高すぎるということはない。

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