レビュー
» 2012年06月27日 13時30分 公開

クアッドコア×グロッシーカーボンでUltrabookを圧倒せよ――「VAIO Z 15周年記念モデル」徹底検証16.65ミリ厚に“4コア”Ivy Bridgeを内蔵(2/5 ページ)

[鈴木雅暢(撮影:矢野渉),ITmedia]

通常電圧版Ivy Bridgeを採用、ついにクアッドコアも搭載可能に

 基本システムには、モバイル向けの第3世代Coreプロセッサー・ファミリー(Ivy Bridge)に、Intel 7シリーズチップセットを組み合わせたChief Riverプラットフォームを採用している。3Dトランジスタ技術を世界に先駆けて導入した22ナノメートルプロセスルールによって、第2世代Core(開発コード名:Sandy Bridge)以上に高いレベルで高性能と低消費電力を両立していることが特徴だ。

 通常電圧版CPUへのこだわりも継承されている。CTOメニューでの選択肢はすべて超低電圧版(TDP 17ワット)ではなく、よりパフォーマンスの高い通常電圧版(TDP 35ワット)だ(TDPは熱設計電力の意)。省電力で発熱が低い超低電圧版のCPUを使えば、薄型化と軽量化は容易だが、超低電圧版は通常電圧版に比べて動作クロックが低く、そのぶん性能も低い。性能と携帯性の高度な両立をテーマに掲げるVAIO Zでは通常電圧版の搭載にこだわってきたが、今回もその方針にブレはない。

クアッドコアCPUの搭載に対応。4コア/8スレッド対応のCore i7-3612QMが選べるようになった

 CPUの選択肢は、今回入手したVAIO Zにも搭載されているクアッドコアのCore i7-3612QM(2.1GHz/最大3.1GHz/3次キャッシュ6Mバイト)のほか、Core i7-3520M(2.9GHz/最大3.6GHz/4Mバイト)、Core i5-3320M(2.6GHz/最大3.3GHz/3Mバイト)、Core i5-3210M(2.5GHz/最大3.1GHz/3Mバイト)、Core i3-3110M(2.4GHz/3Mバイト)が用意されている。ハイエンドからエントリーまで選択肢は豊富だ。

 中でもクアッドコアのCore i7-3612QM(2.1GHz/最大3.1GHz)には注目したい。CPUにコア(命令を解釈して処理する部分)を4つ内蔵するクアッドコアモデルは、動画エンコードなどマルチスレッド処理性能が非常に優れているが、消費電力や発熱が高い傾向にあり、第2世代Coreでは45ワットのTDPが最低だったため、モバイルノートPCへの搭載はとても考えられるものではなかった。

 第3世代Coreでは22ナノメートルプロセスルールの導入により省電力が大きく改善。クアッドコアでTDP 35ワットをうたうCore i7-3612QMが登場したことにより、ついにクアッドコアの搭載が可能になった。もちろん、TDPが35ワットになったとはいえ、16.65ミリ厚で1キロそこそこの薄型軽量モバイルノートPCへの搭載は困難だ。最高峰の薄型化・軽量化技術、放熱技術が投入されているVAIO Zだからこそ、実現できた快挙といえる。

 Core i7-3612QM(2.1GHz/最大3.1GHz)は、定格の動作クロックが2.1GHzだが、Turbo Boost 2.0に対応しており、4コアアクティブ時で最大2.8GHz、2コアアクティブ時で最大3.0GHz、1コアアクティブ時で最大3.1GHzまでクロックが上昇する。

 Turbo Boost 2.0による動作クロックの幅が大きいだけに、Turbo Boostがきちんと機能するかどうかも気になるところだが、4コアがアクティブになるCINEBENCH R11.5の実行中は、最後までCPUのスペック通り、2.8GHzで動作していることが確認できた。

CPU-Zの情報表示画面。Ivy Bridgeの開発コード名で知られる第3世代Coreを採用。CPUにはクアッドコアのCore i7-3612QMが選べるようになった。Core i7-3612QMはTurbo Boost 2.0に対応し、4コアアクティブ時で最大2.8GHz、2コアアクティブ時で最大3.0GHz、1コアアクティブ時で最大3.1GHzまで動作クロックが上昇する。一方、アイドル〜低負荷時は最低1.2GHzまでクロックを自動で下げて消費電力を節約する仕組みだ。3次キャッシュも6Mバイトと余裕がある

メモリはPC3-12800に高速化、USB 3.0は2基に、もちろんSSD RAIDも

 チップセットは、第3世代Coreに最適化されたIntel H77 Expressを採用する。CPUが世代交代したことに伴い、メモリは従来のPC3-10600(DDR3-1333)からPC3-12800(DDR3-1600)に高速化した。専用薄型モジュールで提供され、容量は4Gバイト(2Gバイト×2)、6Gバイト(4Gバイト+2Gバイト)、8Gバイト(4Gバイト×2)の3種類から選べる。ユーザーによる増設はできないが、いずれもデュアルチャンネル転送に対応するという。

 データストレージはSerial ATA 6Gbpsに対応した高速SSDをデュアルで利用したRAID 0構成となっており、単体のSSDを大きく超える性能を実現している。このSSD RAID構成もVAIO Zの突出した性能を象徴するパーツの1つだ。容量は128Gバイト、256Gバイト、512Gバイトの3種類を用意している。

 通信機能は1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 4.0を標準装備。無線LANはWiMAX+IEEE802.11a/b/g/n(排他利用/MIMO 2×2)のほか、WiMAXなしのIEEE802.11a/b/g/n(MIMO 2×2)、WiMAXなしの高速IEEE802.11a/b/g/n(MIMO 3×3)が選べる。また、無線WAN機能として、NTTドコモのLTE高速データ通信サービス「Xi」対応モジュールの搭載が可能だ。

 そのほか、CTOメニューでは、ノイズキャンセリングヘッドフォン、指紋センサー、TPMセキュリティチップ、“Exmor for PC”CMOS センサー搭載HDウェブカメラ(有効画素数131万画素)の有無などを選ぶことが可能だ。

 本体装備のインタフェースは、チップセットの進化に合わせて、USBポートが2基ともUSB 3.0対応となった(1基はドッキングステーション接続コネクタ兼用)。有線LAN、HDMI出力、アナログRGB出力、PRO-HG対応のメモリースティック デュオスロットと、SDXC/SDHC対応のSDメモリーカードスロットも備えており、通信機能にも拡張ポートにも妥協がない。

前面には2つのメモリカードスロットを用意(写真=左)。背面は液晶ディスプレイのヒンジとなるアルミニウム製バーで覆われている(写真=右)。バーの両側にある突起が、液晶ディスプレイを開いたときに本体の下へ回り込み、フットスタンドになる仕組みだ

左側面にアナログRGB出力、排気口、盗難防止ロック用コネクタを配置(写真=左)。右側面にはヘッドフォン出力、カバー開閉式の有線LAN、HDMI出力、USB 3.0、USB 3.0機器も接続できるドッキングステーション用コネクタを備える(写真=右)

Intel HM77 Expressチップセットの採用にともない、本体右側面のUSB 3.0ポートは2基になった(画面=左)。1基はドッキングステーション用コネクタと兼用だ。手前側のUSBポートは本体の電源オフ時に、USB機器の充電が行える。ノイズキャンセリングヘッドフォンはCTOメニューで搭載/非搭載が選べる(画面=右)。ユーティリティでノイズキャンセリング効果の調整ができる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.