iPad Proを語る上で外せないのが、同時発表された専用のスタイラスペン「Apple Pencil」とキーボード付きカバーの「Smart Keyboard」だ。
別売りとなるApple Pencilは筆圧と傾きの検知に対応し、圧倒的な反応速度によって「タイムラグゼロ」をうたっている。
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詳細なスペックはまだ不明だが、これまでiPadで筆圧検知に対応するサードパーティのペンアクセサリは数多く存在し、「ペンを使いたい」という需要は確実に存在していた。純正アクセサリとして登場した意義はかなり大きいものとなりそうだ。
一方でSurface Pro 3に付属するデジタイザペンは、N-trig製で筆圧検知が256段階というスペックを持っている。Apple Pencilのように傾き検知には対応していないが、大きな強みとしてデスクトップ向けのペイントソフトを利用できる点が挙げられるだろう。
今後、iPad向けの魅力的なペイントアプリが登場すれば、Apple Pencilがさらに有意義なアクセサリになることは間違いない。
同じく別売りとなるSmart Keyboardは、キーボードとカバーが一体形のキーボード付きカバーだ。iPad Proとの接続は「Smart Connector」と呼ばれる専用端子を用いるため、Bluetoothによるペアリングや充電を必要としない。この点についてSurfaceシリーズのキーボード付きカバーとほとんど同じコンセプトといえるだろう。
Smart Keyboardにはタッチパッドが搭載されていないが、iOSはマウスカーソルによる操作にはもともと対応していない。ポインティングはタッチスクリーンで行い、キーボードは純粋に文字入力を補助するものとなる。
タブレットとキーボードを両方持ち歩くのは非常に面倒なことだが、Surfaceシリーズのキーボード付きカバーはその点を見事に解消していた。iPad Proも後追いという形にはなるが、テキストをよく打つユーザーにとって必須のアクセサリになりそうだ。iPad AirやiPad mini向けのSmart Keyboardを待ち望む声も既に聞こえてくる。
Surface Pro 3に備わるフルサイズのUSB 3.0ポート、microSDカードリーダー、ヘッドフォンジャック、Mini DisplayPort、カバー用ポートという比較的豊富なインタフェースと比べると、iPad Proの本体に搭載するインタフェースはLightning、ヘッドフォンジャック、キーボード付きカバーを接続するSmart Connectorのみと、必要最低限だ。
そういった意味でも、Surface Pro 3はノートPCのイメージを色濃く残しているのに対し、iPad Proはあくまでタブレットの延長線上にあるという設計思想をあらためて読み取ることができる。
繰り返しになるが、自分自身の使い方を振り返り、外にiPad Proを1台持ち出して必要な仕事ができるかを想像してみると、おのずと必要なものが見えてくるかもしれない。
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