ケータイ世代も大事なことは“直接話す”

» 2009年04月15日 07時00分 公開
[ITmedia]

 ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「Benesse教育研究開発センター」は4月14日、ICTメディアの利用実態調査の結果を発表した。調査は2008年9月から11月に小学4年生から高校2年生の8学年の子どもを対象に実施したもので、有効回答数は1万267人。

 同調査によれば、携帯電話の所有率は「自分専用の携帯電話を持っている」と「家族と一緒に使う携帯電話を持っている」を合わせてると、小学生が30.6%、中学生が47.8%、高校生が92.3%だった。学年別でみると、特に中学生では学年が上がるにつれて所有率が上昇し、中学3年生と高校1年生の間では55.2%から91.3%に急上昇している。男女別で見ると、女子の方が男子よりも所有率が高まる時期が早く、中学生では女子の方が15ポイントから20ポイント程度高い。

 携帯電話の所有者に、1日あたりの電話やメールの頻度を聞くと、小学生では「友だちにメールを送ること」については「ほとんど使わない」が58.8%、「家族に電話をかけること」では「ほとんど使わない」が28.7%となった。中・高校生は「友だちにメールを送ること」については「ほとんど使わない」という回答は1割程度。男女別に見ると、全般に女子の方がメールを活発に利用している様子がうかがえた。

 携帯電話で利用する機能については、学年を問わず「カメラで写真を撮る」が所有者の8割前後と最多だった。「動画(ムービー)を撮る」も5割から6割と高い割合で使われている。これに対して「音楽をダウンロードする」や「インターネットで調べものをする」用途については、年齢が上がるにつれて「する」という回答が増加。男女別で見ると写真や動画、音楽ダウンロード、また中・高校生では電子書籍は女子の方が「する」割合が高い。これに対してゲームは、特に中・高校生で男子の利用率の方が高かった。

Photo 小中高校生が携帯電話で利用する機能

 携帯電話の利用について、「携帯電話を使うのが楽しい(とてもそう+まあそう)」と感じているのは、中学生、高校生ともに9割弱となったが、その一方で7割が「携帯電話で知らない人とやりとりするのは怖い」と考えていることが分かった。「携帯電話はいつでも必要な情報を調べることができて便利だと思う」は、中学生では65.8%なのに対して、高校生では79.6%に上昇。また、中学生、高校生ともに6割程度が「絵文字は気持ちを伝えるのに欠かせない」と回答している。

Photo 携帯電話の利用についての意識

 携帯電話を利用する上で「気にしている(とても+まあ)」という回答が最も多いのは「知らない人からの電話に出ない」で、中学生で77.4%、高校生で77.0%となった。次いで「禁止されている場所では電源を切る」「携帯電話を使いすぎない」も7割台で続く。最も少ないのは「友だちといるときは携帯電話に出ない」で、中学生、高校生ともに「気にしている」のは3割程度だった。

 携帯電話の使い方について、親との間で使い方のルールを「決めていて守っている」と回答したのは、小学生では携帯電話所有者のうち55.6%、中学生で34.3%、高校生で18.5%だった。また携帯電話をどのように使っているかについて、親が知っていると思うかという質問には、小学生では携帯電話所有者のうち87.4%、中学生では77.1%、高校生では65.7%が「知っていると思う(よく+まあ)」と回答した。

 一緒にいるとき、友達が携帯電話を使用した場合、どのように感じるかを調べたところ、友達が「かかってきた電話に出る」ことについては、「いや(とても+少し)」と回答したのは、中学生で23.2%、高校生で18.7%だった。また、「届いたメールに返事を書きはじめる」ことについては、中学生で34.5%、高校生で26.8%となり、いずれも「いや」という回答は少数派だった。

 また携帯電話の所有率が5割程度である中学生について、携帯電話の所有者と非所有者に分けて意識の違いをみたところ、2つのいずれの場面についても、所有者の方が非所有者よりも、「いや」と感じる割合が低いことが分かった。

 いくつかのコミュニケーションの場面を設定し、最もよく使うと思う方法を聞くと、高校生では「親しい友だちを遊びに誘う」は57.1%、「あまり親しくない友だちを遊びに誘う」は67.4%が「メールを送る」と回答しており、他の方法よりも選択率が高かった。一方「好きな人に告白する」では63.7%、「相手に対する不満を伝える」では59.1%、「親に謝る」では82.2%が「直接話す」と回答しており、最も多く選択された。

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