シャープが1月27日、中国市場向け携帯電話事業に関する説明会を開催し、2009年度に年間販売台数が初めて100万台を超えたことを明らかにした。同社は成長が続く中国市場で、早期に年間出荷台数500万台超の実現を目指し、端末ラインアップと販売チャネルの拡充を図る。
約13億人の人口を抱える中国市場は、携帯電話の契約数が2007年7月に7億件を突破したが、まだ成長が見込まれる巨大な市場だ。端末の販売台数は、2009年の年間需要だけで2億台と、日本とはけた違いで、今後も年間10%以上の伸長が見込まれている。
さらに富裕層が拡大していることを受け、1000元(約1万3000円)未満の価格帯の端末が約7割を占める中国市場でも、1000元を超える価格帯の製品の販売台数が増えると予測されている。そのためすでに液晶テレビ「AQUOS」のブランドが確立されているシャープは、積極的に「最先端・高品質」な端末を高価格帯に投入し、中国市場でのシェアとブランドを向上させている。
2008年6月に初めて「AQUOS手机」(AQUOSケータイ)ブランドの、GSMに対応したサイクロイド端末で中国市場に参入して以来、2008年度に6機種、2009年度には7機種(現時点)の端末を投入。2010年2月には、メモリー液晶を搭載したGSM端末を2機種、太陽光での充電が可能なソーラーパネル搭載GSM端末を1機種投入する計画だ。
2月に新たに投入するのは、メモリ液晶製大型サブディスプレイを採用した「SH6220C」と「SH6228C」、それにソーラーパネルを搭載した「SH6230C」の3モデル。いずれも2.9インチの液晶ディスプレイやAF付きの500万画素カメラなどを搭載する。
この3モデルの投入により、年間のモデル数は10機種になる。2010年度には、これを倍増させる計画だ。
宣伝広告には、中国の人気女優レネ・リュウさんやalanさんをイメージキャラクターに起用し、WebサイトやTVCM、店頭POPなどを展開する。大型トラックを利用した移動式のショールームでのキャラバンや、大型ショッピングモールでのタッチ&トライイベントも開催してブランド認知を向上させる。
また現状約3500点の販売店舗数を、2010年3月までに約1万店に増やすほか、現在は専売店が中心の販売ルートも、量販店やキャリアショップなどへ拡大させたい考え。現状はGSM端末が多く、3G端末は2機種しかラインアップしていないが、普及が見込まれる3G端末の数も増やしていく。
端末の販売だけでなく、コンテンツ・サービスの提供にも力を入れる。メモリ液晶搭載ケータイ向けの情報配信サービスを独自にスタートするほか、2009年12月25日に開設した中国向けのコミックコンテンツ販売サイトなども活用し、コンテンツ販売による収益も強化する。
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