シャープが11月17日、2009年冬モデルと2010年春モデル全14機種58色をそろえた製品ラインアップの説明会を開催した。
シャープ製端末は、ドコモ向けとして「SH-01B」「SH-02B」「SH-03B」「SH-04B」「SH-05B」、au向けとして「AQUOS SHOT SH003」「SH004」「SH005」「AQUOS SHOT SH006」、ソフトバンク向けに「AQUOS SHOT 940SH」「AQUOSケータイ FULLTOUCH 941SH」「THE PREMIUM5 942SH」「AQUOSケータイ 943SH」「Jelly Beans 840SH」をラインアップ。バリエーションモデルなども含めるとさらに数は多く、1シーズンに発表された製品数としては過去最大になる。
ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル向けの各端末に共通するシャープ製端末ならではの特徴や製品開発のポイント、昨今の携帯電話市場動向や今後の見通し、そしてシャープがこれから目指す携帯電話開発の方向性などを、同社通信システム事業本部長の大畠昌巳氏が説明した。
シャープが2009年冬/2010年春モデルで目指したのは、「機能の強化」と「デザインの強化」。同社の製品ラインアップの魅力をさらに高めるため、特にカメラ機能の強化とデザイン表現での魅力強化に取り組んだ。
カメラ機能の強化という点では、3キャリア向けに12.1MピクセルCCDを搭載した「AQUOS SHOT」を投入。またシャープ製端末ならではのCCD搭載機も増やした。800万画素CCD搭載機も含めると、新ラインアップでは一気に10モデルがCCDカメラ搭載モデル。暗い場所や動きの速い被写体でもきれいに撮れるCCDカメラ搭載機は、今後もラインアップを増やしていく方針だ。
また顔認識機能には個人を認識できる機能を追加し、あらかじめ登録しておいた人に優先的にピントを合わせたり、登録した人だけを集めたアルバムを作ったりする機能も提供。撮ったあとに楽しめるフォトビューアーや、顔写真をレタッチするプリティアレンジカメラなどの充実も図った。
高級感を持たせつつ鮮やかなイルミネーションを実装したり、有名ブランドとコラボレートしたりといった取り組みを通してデザインの強化も果たした。特にイルミネーションは、複数のLEDを用いて端末の背面を美しく演出したり、カラフルに端末を彩ったりと、これまでにない感覚のデザインを施している。
そのほか、シャープ独自の直感的なユーザーインタフェース「スピンぐるメニュー」(ソフトバンク向け端末に採用)や、タッチパネルを活用して、写真に手書きで文字を書き込める「手書きアレンジ」「手書きメモカメラ」、待受画面に手書きメモを表示できる「手書き待受メモ」(ドコモ向け端末に採用)など、独自の機能も搭載した。KDDIとソフトバンクモバイル向けには無線LAN(Wi-Fi)対応モデルもラインアップし、携帯電話の新たな活用方法も提案する。
こうした多彩な製品ラインアップを用意した背景には、国内市場の厳しい現実がある。2009年度上半期(4月〜9月)の国内携帯電話出荷台数シェアは、シャープが24.7%と引き続き首位を獲得し、2008年度の23.0%から1.7ポイント増と、2位以下に差を付けたものの、約5000万台あった2007年度から、一気に3500万台以下に減少した出荷台数はまだ低迷を続けている。
大畠氏は「2009年度の上期は、前年比で見ると需要は回復基調にあるものの、1年間を通してみると前年比でマイナスになる可能性もある」と指摘。「2009年を底と見ており、2010年度以降は緩やかながら需要は回復する」と話した。とはいえ、出荷台数増加のペースは緩やかで、すぐに2007年度の規模にまで回復するとは予想していない。
端末の“売れ筋”が変化したことも、今回の商品戦略に大きな影響があったという。2007年度までは、販売奨励金があったため、ハイエンドモデルの買い得感が高かったが、販売方式の変化や景気の減速などにより、端末価格に割高感を覚える人が増え、買い換えサイクルが長期化。またミッドレンジモデルやローエンドモデルでも十分な性能を持つ端末が増えたことから、2008年度、そして2009年度上期と、時間を追うごとにハイエンドモデルの販売比率は下がり、今やハイエンドモデルとミッドレンジモデルの構成比は完全に逆転した。
「ミッドレンジモデルへのシフトが急速に進んでいる。シャープの推計になるが、今やハイエンドモデルの構成比は約30%程度で、逆にミッドレンジモデルが55%ほどを占める」(大畠氏)
また、国内出荷台数に占めるメーカーのシェアが、上位4社で全体の70%に上り、NECとカシオ日立モバイルコミュニケーションズの合併にともなって、今後さらに寡占化が進むと予測。「トップ4社で75%に上る寡占化が、業界再編の呼び水となる可能性は十分ある。さらに激動の時代がやってくる」(大畠氏)
加えて大畠氏は、国内で存在感を高めつつある海外メーカーにも言及。オープンOSを採用したモデルやコスト力を武器にした廉価モデル、プロモーション攻勢などにより、勢力を拡大しつつある海外メーカーの躍進も注視していると話した。特に日本市場向けにカスタマイズを施し、ローカル化を指向するメーカーも登場してきていることから、競争の激化は避けて通れないと予見した。
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