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歌舞伎町26時 唯一の「深夜薬局ビジネス」が成り立った理由「ニュクス薬局」のビジネスモデル【前編】(3/5 ページ)

» 2021年11月05日 05時00分 公開
[田中圭太郎ITmedia]
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歌舞伎町なら需要があるはず

 では、なぜ歌舞伎町だったのか。歌舞伎町といえば、一般的には危ない街というイメージもある。深夜に営業していて、トラブルに巻き込まれることもあるかもしれない。しかし、中沢氏は独立するなら歌舞伎町しかないと決めていたという。

歌舞伎町といえば、一般的には危ない街というイメージもある

 「転職した頃から新宿に住んで、歌舞伎町でたびたび飲んでいましたので、街のことはよく分かっていました。銀座も夜に人が多い場所ですが、深夜はそこまで人はいません。銀座に比べれば、新宿の方が圧倒的に多いです。

 渋谷や六本木で働いている人の中には、アフターで歌舞伎町に来る人や、新宿に住んでいる人がかなりいます。その一方で、歌舞伎町で働いている人は、歌舞伎町から出て行きません。当時の歌舞伎町には深夜に営業している薬局がありませんでしたので、お客さんは来るだろうと思っていました」

 貯金額が目標の1000万円に到達した13年、中沢氏は起業の手続きに関する本を新宿の紀伊國屋書店で購入し、たまたま入った不動産屋で空き物件を見つけた。その場で即決し、契約を進めた。

 「もともとは中華料理屋だった物件でした。当時は新宿東宝ビルがまだ建設中でしたが、割と近い場所にあるので問題ないかなと思って即決しました。スケルトンからの工事だったので、内装と保証金で700万円くらい掛かったと思います」

 中沢氏は14年、計画通りにニュクス薬局を新宿区歌舞伎町2丁目にオープンする。薬局は21年9月に同じ歌舞伎町2丁目に移転し、現在も変わらず営業している。

ニュクス薬局の店内

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