5分で分かる、今週のモバイル事情9月29日〜10月5日

» 2007年10月09日 13時28分 公開
[ITmedia]

KDDI、新しい携帯端末の購入方法「au買い方セレクト」を11月12日からスタート

 KDDIは11月12日から、携帯端末の販売方法を変更する。新たに導入する「au買い方セレクト」により、新規契約時もしくは機種変更時に、初期費用を抑えて携帯を購入でき、充実したサポートを受けつつ快適に利用可能な“フルサポートコース”、あるいは月々の利用料金を抑えられ、携帯をあまり買い換えないユーザー向けの“シンプルコース”を選ぶことになる。

 フルサポートコースは2年間の利用が条件で、KDDIが購入価格の一部(2万1000円)を補助する「購入サポート金額」制度が使える。「誰でも割」などの定期割引サービスの契約解除料を無料にするほか、「auポイントプログラム」のポイント付与率が2〜3.5倍と大幅に向上する。ポイントはフルサポートコースの解除料に充当でき、毎月の支払額が高額なユーザーはポイントが早くたまるため、1年半や1年で容易に機種変更できるしくみを用意した。料金プランは従来と同じものを利用できる。

 シンプルコースは、端末購入時の補助はない代わりに、割り引きサービスの加入なしでも低廉の基本料金、通話料の「シンプルプランL」「シンプルプランS」を選択できる。auポイントの付与はなくなるが、シンプルプランLは基本使用料が2625円/月で、携帯電話としては業界最低レベルの通話料10.5円/分を実現。シンプルプランSでは、基本使用料1050円/月、通話料15.75円/30秒で利用可能だ。

 KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ事業統轄本部長の高橋誠氏は発表会で、「これは新しい携帯電話の買い方の提案。ユーザーに、生活スタイルや消費スタイルに合った形で、端末代金の支払い方法と月々の基本料金や通話料金を選んでいただく」と胸を張った。

ソフトバンクモバイルが5カ月連続純増1位

 電気通信事業者協会(TCA)が10月5日に発表した、2007年9月末時点での携帯契約数は、累計9933万3600となり、8月末から45万5900の増加。PHSの契約数は495万6800で、携帯とPHSの累計契約数は1億428万9400だった。

 キャリア別の結果は、NTTドコモが3万7500の純増、KDDIが15万8500(auは19万6700の純増、ツーカーは3万8700の純減)、ソフトバンクモバイルが19万8300の純増。ソフトバンクモバイルは5月から5カ月連続でキャリア純増シェアトップを獲得。またイー・モバイルは累計12万2300契約だった。

 PHSの契約数では、ウィルコムが300の純増を記録したものの、2008年1月7日にPHSサービスを終了するNTTドコモが2万100の純減。累計契約数は1万9800の純減で495万5800だった。

CEATEC JAPAN 2007開催──携帯関連は技術展示が中心に

 10月2日から6日までの5日間、千葉県の幕張メッセで情報通信・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2007」が開催された。

 携帯電話キャリア各社は、新端末の発表前ということもあって端末ラインアップよりも技術の展示が中心となった。しかし、それらの中には次世代の端末の在り方を想像させるさまざまなユニークな取り組みが紹介されていた。

 NTTドコモは「ウェルネスケータイ」として脈拍や体脂肪、消費カロリー、口臭のチェックなどができるケータイを出展。健康増進と維持をサポートする機能を備えており、健康への関心が高まる中、ケータイで何かできることはないかと考えて開発されたという。

 単純に計測する機能だけでなく、健康への配慮を続けるためのしくみも用意。端末に距離や時間、消費カロリーなどの目標数値を設定し、音楽を聴きながらジョギングやウォーキングを行える「ワークアウトミュージックプレーヤー」、SNSとの連携機能などが搭載されている。

 また、同じくドコモブースには、ダイヤルキー部分に電子ペーパーを組み込んで、用途に合わせてキーレイアウトを変更する「キーパッドディスプレイケータイ」や、人体を利用してデータの送受信を行う「人体通信」など、興味深い技術を出展していた。いずれも携帯に搭載されることで新たな可能性が広がる技術だ。

 次世代の通信技術としては、スーパー3GやモバイルWiMAXのデモも実施された。ドコモブースのスーパー3Gは有線接続ではあるものの、20MHz幅の帯域を利用してフェージングシミュレータ経由で下り最大200Mbpsでの通信が可能な様子を披露した。KDDIブースで実施されたモバイルWiMAXのデモは、KDDIらが共同出資して設立したワイヤレスブロードバンド企画が実験免許を取得して、実際に20ミリワットの電波を発射して無線通信を行った。10MHz幅で、最大27Mbpsでのデータ転送が可能で、ストリーミング映像とテレビ会議の映像など、合計5〜6Mbps程度のデータを途切れることなく送受信できている模様を見せていた。

 そのほかKDDIブースでは、複数のカメラで撮影した素材を空間ごとに分割し、自由視点からの映像を合成する「超臨場感テレビ」といったブロードバンド通信を活用する技術なども展示されていた。

 チップやインタフェース機器などの出展もあるCEATECでは、ユーザーインタフェースとして利用可能な機器の展示や、端末の小型化に伴うヒンジの開けにくさを解消する機構ワンセグのホイップアンテナを不要にするアンテナの展示なども見られた。

ソフトバンクモバイルがM2M分野に本格参入──シーメンスと提携

 ソフトバンクモバイルは10月1日、シーメンス製のHSDPA対応通信モジュール「HC28」を利用して、M2M事業に本格参入すると発表した。

 HC28はGSM/W-CDMA/HSDPAネットワークに対応し、全世界で利用可能なM2M通信モジュール。販売はシーメンスが自社ブランドで行い、ソフトバンクモバイルがネットワークを提供する。ユーザーはシーメンスから直接技術面のサポートを受けたり、グローバル向け開発のノウハウを共有したりできる。

 M2M市場は今後世界中で大きな伸びが期待されており、日本市場では物流事業の車両管理などを行う「動態監視」と、電子マネーやクレジットカード決済などを軸とした「汎用通信ユニット」分野を中心に活用が進むとソフトバンクモバイルとシーメンスは見ている。ソフトバンクモバイルはこの通信モジュール投入を皮切りに、M2M分野に本格的に注力する姿勢を示した。

ドコモのFOMA契約数、4000万を突破

 NTTドコモは10月2日、3G携帯電話サービス「FOMA」の契約数が、9月29日時点で4000万契約を突破したと発表した。

 FOMAサービスは2001年10月にサービスを開始したが、当初は通話エリアが限定されていたことや、端末が大きく、バッテリーの持ちが悪かったことなどで敬遠され、契約数が伸び悩んだ時期もあった。2003年9月にようやく100万契約を突破し、900iシリーズやパケット通信の定額制「パケ・ホーダイ」を導入した2004年に500万契約を達成。

 その後は順調に契約を延ばし、2005年2月に1000万契約、同年12月には2000万契約を突破。2006年6月にはFOMA契約が全契約数の半数を超え、2006年11月には3000万契約を突破した。

Nokiaがデジタル地図サービス会社NAVTEQを買収

 フィンランドNokiaは10月1日、地図サービスの米NAVTEQの買収で合意に達したと発表した。買収は、NokiaがNAVTEQの株式を1株78ドルの現金で買い取る形で行われ、買収総額は81億ドル。取引は、NAVTEQ株主の承認などを経て、2008年第1四半期に完了する見通し。

 NAVTEQは、デジタル地図情報の提供企業で、カーナビやモバイルナビゲーション端末、Webベースの地図アプリケーション、政府や企業向けソリューションなどにサービスを提供している。買収後、NAVTEQはNokiaのグループ企業となるが、地図データ事業は独立で運営を継続し、従来通りのサービスを現行および将来の顧客に提供する。

アイピーモバイルの筆頭株主・新社長が杉村五男氏に

 アイピーモバイルは10月2日、筆頭株主の森トラストから提案があった臨時株主総会を開催し、竹内一斉社長を含む取締役4人の退任と新取締役2人の選任を決定。前会長の杉村五男氏は新体制のもと、アイピーモバイル社長に就任した

 新取締役は佐藤勝久事務所 代表取締役の佐藤勝久氏とワッショイ取締役の梶谷農氏。佐藤勝久氏は森ビルでラフォーレ原宿やビーナスフォートの開発などを手がけたこともある人物。梶谷農氏が取締役を務めるワッショイは、 TD-CDMAシステム向けの端末開発を手がける企業。

 なお臨時株主総会後の取締役会で、森トラストが保有するアイピーモバイル株16万4422株の杉村五男氏への譲渡が承認され、筆頭株主は森トラストから杉村氏へ異動した。

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