前回は、ケータイでPCメールをやり取りする方法として「モバイルGmail」を紹介した。モバイルGmailは通信料以外は無料で利用できるほか、WebメールなのでPCからもケータイからも同じメールボックスを使えるのがメリットといえる。
一方、Webメールなのでケータイが圏外だとメールを確認できない、メールを確認するには1件ずつアクセスしないといけない、といった不満点もある。そこで今回は、モバイルGmailの“Webメールならではの弱点”を補うアプリを紹介しよう。
Gmail専用iアプリ「EViS(エビス)」を利用すると、ケータイからGmailの閲覧や送受信ができる。ここまではモバイルGmailと機能的には同じだが、EViSは“メーラーアプリ”であることが大きな違い。PCのメーラーのように、送受信済みのメールをオフラインで閲覧したり、カーソル移動するだけでメール一覧や本文を確認したりといった操作ができる。
EViSは、サーバに保存したメールにアクセスする「IMAP(Internet Message Access Protocol)方式」に対応しているので、PCのGmailやモバイルGmailで受信済みのメールを、EViSでも別途受信できる。さらに、Gmailに保存した全メールを検索できるほか、Gmailのラベルや振り分け設定が反映される。
モバイルGmailと同様、EViSからメールを送受信した場合でも、PCのGmailにも同じ送受信メールが保存され、メールボックスのデータが同期される。EViSでは、こうしたWebメールならではのメリットもしっかり享受できる。また、1度受信したメールはオフラインでも確認できるので、過去にやり取りしたメールを読むだけなら圏内でも問題ない。
EViSの対応機種は、NTTドコモの903i、703iシリーズ以降のメガiアプリ対応機種。利用料金は無料。アクセスは http://evis.mobi/ から。提供元のビジュアライズによると、「将来的にはソフトバンクモバイル向けにも提供できるよう検討中」とのこと。
EViSは、初回起動時にGmailのIDとパスワードを入力すれば初期設定は完了。以後はIDとパスワードの入力は不要で起動する。
画面はメール一覧+(選択したメールの)本文の2ペインで表示され、ケータイメールに近い感覚で利用できる。メール一覧で上下にカーソル移動すると、選択したメールの本文が画面下部に表示される。ここで決定キーを押すと、選択したメールの本文にカーソルが移動し、上下キーで本文のスクロールができる。カーソル移動やスクロールは非常にスムーズで、ストレスなく操作できる。
本文の一番下まで進み「…続きを受信」を選ぶと、全文を受信できる。「…続きを受信」を選ぶ前は最大1024バイト、選んだ後は最大5120バイトのメールを受信できる。なお、HTMLメールは表示できない。
メール一覧を選んだ状態で十字キーの左右を押すと、画面上部にある「受信」「返信」「転送」「登録」「アドレス」「新規」アイコンを選択でき、メールの受信や返信、転送、アドレス帳の編集、新規作成などができる。
「メニュー」から「受信」→「フォルダ更新」を選ぶとフォルダ内の新着メールを、「最新データ受信」を選ぶと全フォルダの新着メールを受信できる。「全データ再受信」を選ぶと、最大300件のメールをまとめて受信できる。
EViSに保存できるのは受信メールが最大300件、送信メールが最大30件となる。保存件数を超えると、古いメールから削除されていく。
メールの未読、既読といった状態や、Gmail上で設定した「スター」や「ラベル」など、Gmailの設定がEViSに同期されるのも大きな特徴だ。
左上ソフトキーで「フォルダ」を選ぶと「ゴミ箱」「スター付き」「下書き」「迷惑メール」「送信済みメール」といったフォルダや、設定したラベルにアクセスできる。なお、EViSのアプリからスターや振り分け、ラベリングなどの設定はできない。
キーワードによるメールの検索も可能だ。EViSで受信できるメールは最大300件だが、Gmailに保存された過去のメールすべてを検索でき、最大100件のメールを表示する。検索直後は一覧のみを取得し本文は表示されないが、メール一覧で決定キーを押すと本文も取得できる。
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