2008年に「iPhone 3G」が発売されてから、タッチパネルを搭載したケータイが増え始めた。もちろんiPhoneだけが直接の要因ではないだろうが、iPhoneの登場によって、日本でもタッチパネルがケータイの新たなUI(ユーザーインタフェース)として注目されるようになった。2009年夏モデルでも、NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルからタッチパネル搭載ケータイが発売され、「Sportio water beat」や「OMNIA POP 931SC」などダイヤルキーを搭載しないフルタッチ仕様のモデルも登場した。
これらの端末が搭載するタッチパネルは、どれだけ“使える”のだろうか。夏モデルでは、すでに過去にタッチパネルを搭載したモデルの後継機もいくつか登場しており、どれだけ進化したのかも気になる。一方で、タッチパネルを搭載するものの、対応する操作や利用できる機能に制限のある機種もある。そこで今回は、2009年夏モデルの中からタッチパネルを搭載した7機種を選び、その使い勝手を比較する。ドコモからは富士通製の「F-09A」、LGエレクトロニクス製の「L-06A」、NEC製の「N-06A」、シャープ製の「SH-06A」、auからは「biblio」、ソフトバンクモバイルからはSamsung電子製の931SCとシャープ製の「AQUOS SHOT 933SH」を選んだ。
タッチパネルケータイとしては、F-09Aは「F-01A」と「F-03A」、L-06Aは「L-01A」、N-06Aは「N-01A」、SH-06Aは「SH-03A」と「SH-04A」、931SCは「930SC OMNIA」、933SHは「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」の後継機に位置付けられる。
タッチパネルは国内メーカー製のF-09A、N-06A、SH-06A、biblio、933SHが、タッチした部分の電荷の変化をとらえて位置を検出する「静電式」、海外メーカー製のL-06Aと931SCが圧力の変化を感知する「感圧式」を採用している。静電式が指の腹で操作するのに対し、感圧式は指先(爪)やタッチペンを使って操作をする……という具合に、この2種類のタッチパネルは操作性が異なる。指を使った直感的な操作は静電式、ペンを使ってピンポイントで項目を選択するのは感圧式が向いているといえる。
L-06AとN-06A、SH-06A、931SC、933SHは、ディスプレイを触った後にバイブレータが作動するほか、L-06AとN-06A、931SCははバイブレータをOFFにもできる(N-01Aはタッチ時のバイブは非対応だった)。さらに、N-06Aは本体を閉じた「タッチスタイル」、ディスプレイを横に開いた「シェアスタイル」、ディスプレイを縦に開いた「コミュニケーションスタイル」の3スタイルごとにタッチパネルのON/OFFを切り替えることも可能だ。
端末を回転すると、連動して画面も90度回転して縦・横画面を切り替えられるモーションセンサーは、F-09A、L-06A、931SC、933SHが対応している。ただしモーションセンサーが有効になる機能は機種によって異なるので、機能ごとのレビューで後述したい。N-06Aはシェアスタイルにすると横画面になるが、SH-06Aは手動で縦・横画面を切り替える必要がある。
タッチパネルの方式 | タッチ後の振動 | タッチ補正 | タッチパネルのオン/オフ | モーションセンサー | |
---|---|---|---|---|---|
F-09A | 静電式 | − | − | − | ○ |
L-06A | 感圧式 | ○(オン/オフ) | ○ | − | ○ |
N-06A | 静電式 | ○(オン/オフ) | − | ○ | − |
SH-06A | 静電式 | ○ | − | − | − |
biblio | 静電式 | − | − | − | ○ |
931SC | 感圧式 | ○(オン/オフ) | ○ | − | ○ |
933SH | 静電式 | ○ | ○ | − | ○ |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.