International CES 2010の開幕直前にGoogleが発表した自社ブランドのスマートフォン「Nexus One」。開幕前日のイベントでお披露目も行われ、同会場内ではもっとも注目された製品の1つだった。Nexus Oneが採用しているのはGoogleによるAndroid OS。急速に拡大を続けているAndroidは、CES会場内でも多くの製品が登場していた。
韓vilivが展示していたのは、一見すると普通のスマートフォンの「Viliv P3」。3.7型有機EL(800×480ピクセル)と小型高解像のディスプレイ搭載。CPUはCoretex ARM 800MHzで720pのHD/MKVファイルも再生できる。無線LAN、加速度センサーも搭載する。DBM(韓国版ワンセグ)放送のチューナーをオプションで搭載することも可能で、本体サイズは116(高さ)×62.5(幅)×9.8(厚さ)ミリ。
携帯電話機能はなく、スマートフォンではなくパーソナルメディアプレイヤー(PMP)という位置づけだが、その最大の特徴はAndroidに加えてWindows CE 6.0も搭載してデュアルブートが可能という点。「Windows CEが必要だけどAndroidも使いたい」というユーザーなどに向けて作られたそうだ。すでに、日本企業を含む各社に提案を行っており、6月には全世界で発売を開始したい考えだという。
同じく韓Inbricsは、3.7型800×480ピクセルの有機ELディスプレイを搭載したスマートフォン「MID M1」を出展。画面をスライドさせるとQWERTYキーボードが現れる。CPUはSamsungのCortex-A8(833MHz)を採用し、OSは発売時期に合わせてAndroid 1.5/2.0で選択するそうだ。
マルチメディア機能を強化しており、720pのHDムービーを再生可能で、DivXやXvidファイルを再生できる。GPSや無線LAN、Bluetoothに加え、3G携帯やWiMAXの通信モジュールも搭載可能。韓国や米国などで発売を予定しているそうだ。
Inbricsではさらに、小型のデジタルフォトフレーム「C1 Media CPE」も展示。デジタルフォトフレームとしての機能に加え、ウィジェット機能も搭載しており、WiMAXや無線LANにより、インターネット経由で情報を更新できる。ブースの説明員は、レストランなどのレジに設置し、支払いの間に広告を表示して客に見せるといった使い方を提案していた。
もう1つはSIPフォンの「SoIP S1」。ベースステーション側にAndroidが使われており、こちらは7型800×480ピクセル液晶を搭載。有線/無線LAN、HDMI端子、2メガピクセルカメラなどを備えており、PCやテレビとも連携できるそうだ。Skypeによるビデオチャット、SMS、オンラインバンキングやショッピングといったネットサービスにもアクセスできる。SIPフォンはほかにも例えば台湾UMECがタッチパネルとHDビデオの再生に対応した「CU793」などを展示するなど、通信系のAndroid採用製品は数多い。
また、目に付いたのが電子ブックリーダー。enTourageの「eDGe」は、本のように左右に開く大きめのボディに、左側がE-Ink、右側がAndroidを搭載するという独特のスタイル。Android側とE-Ink側で連携するので、電子ブックのリンクをAndroidのブラウザで開いたり、ブックに埋め込まれたYouTubeの動画を再生するといった機能が利用でき、電子ブックをよりリッチに使うことが可能だ。
ただ、本体サイズは閉じた状態で203.2(幅)×273(高さ)×25.4(厚さ)ミリ、約1.25キロとやや大きめ。4Gバイトのメモリや無線LANを搭載する。
同じくSpring Designは、Androidを搭載した2画面の電子ブックリーダー「Alex」を展示。こちらは一般的なサイズで、上下に画面が分かれ、上がE-Ink、下がAndroidという形になっている。AndroidではWebやメール、音楽プレイヤーなどの機能が利用でき、無線LAN、3Gといった通信機能も備えている。
Nexus One以外にも、Sony Ericssonの「Xperia X10」、Motorolaの「BACKFLIP」などの注目機に加え、米Qualcommと米HP(Hewlett-Packard)が「Smartbook」コンセプト(QualcommとHP、Snapdragonを搭載したAndroidベースの“Smartbook”を公開)を発表するなど、さまざまな分野でAndroidの普及が進んでいることがうかがえた。
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