“3D化”がより高いCPUパワーを必要とする――Intel基調講演2010 International CES(1/2 ページ)

» 2010年01月09日 14時30分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

3Dが次のけん引役に、求められるより高いCPUパワー

米Intel社長兼CEOのポール・オッテリーニ氏

 1月7日午後(現地時間)、米Intelのポール・オッテリーニ社長兼CEOが2010 International CESで基調講演を行い、Intelの最新技術と、それらを各分野へ応用した各種ソリューションを紹介した。

 同日早朝にはすでにCore iシリーズの最新CPUに関する発表が行われており、今回の基調講演では製品そのものの発表よりも、むしろそれらを活用した応用事例や今後の展望などの話題が中心となった。


 「Intelよ、お前もか」――そんな言葉が思わず最初に出てしまったが、2010年のCESは「3D、3D、3D……」とどこを向いても3Dというキーワードが出てくるくらい3Dネタで埋まっている。

 開催前日にあたる6日夕方のソニーの発表会では、来場者にあらかじめ3Dメガネが手渡され、発表会参加者が全員メガネをかけている写真が、2010年のCESを象徴するイメージショットとなった。翌日の7日朝に開催されたNVIDIAの発表会でもやはり3Dメガネが手渡され、同社CEOのジェン・セン・ファン氏が「世界初の3Dプレゼンテーション」と題して終始3D映像によるプレゼンを展開した。Intelの基調講演では会場の各席にすでに3Dメガネが置いてあり、やはり3D映像のプレゼンが行われることは予想に難くなかった。

 だが、Intelのメッセージはよりシンプルだ。3Dそのものをセールスポイントにするというよりも、3Dの世界が広がることで、より強力なCPUパワーが必要になるというものだ。オッテリーニ氏によれば、2010年だけで50以上の3D制作映画がリリースされる予定だという。

 2009年末に公開されたジェームズ・キャメロン監督による映画「Avatar(邦題:アバター)」が現在大ヒットを記録しているが、3D映画の数は急速に増えている。例えば、2010年3月に全米で公開予定の同名の児童小説をベースにした3D映画「How to Train Your Dragon(邦題:ヒックとドラゴン、日本では8月公開予定)」も、CG映画のヒットメーカーであるDreamWorks Animation発ということで、ある程度以上のヒットを見込めるだろう。

3D映画「How to Train Your Dragon」のデモトレーラーを上映。カメラを通すとただのブレた映像にしか見えないのが難点だが、3Dメガネをかけた状態では立体視される(写真=左)。上映中の会場風景(写真=右)。ソニー、NVIDIA、Intelの発表会では3Dによるプレゼンテーションが行われていたため、全員に3Dメガネがあらかじめ配布されており、ちょっと後ろを振り向くとこんな感じの風景が目に飛び込んでくる

 CG制作の映画には、膨大なコンピュータパワーによるレンダリング作業が必要になることはよく知られている。CGの質感や動きの滑らかさ、そして高精細化など、そのクオリティは年々向上している。

 同時に、アニメーションや実録映像のCG加工に必要なコンピュータ処理は年々増加しており、DreamWorks制作のヒット作品「Shrek(邦題:シュレック)」の例でいえば、シリーズを追うごとにほぼ倍々ペースでレンダリングに要する時間が増えている。オッテリーニ氏によれば、これまではHD化への移行が制作側だけでなくユーザー側の再生装置でのCPU能力需要をけん引していたが、今後のけん引役は3Dに取って代わられるという。それは、今後もより高いCPU能力が求められ続けるというIntelの考えでもある。

CGアニメとしてはシリーズを通して大ヒットとなっているShrekだが、新作が出るごとにトータルのレンダリングにかかる時間は増えている(写真=左)。3D映像にリアルタイムで修正を加えている様子(写真=中央/右)。テロップのサイズや深さを変更していることが分かる。編集作業にはCore i7ベースのシステムを利用している

Intelとホームエンタテインメント

 主にPC向けCPUの半導体メーカーとして成長してきたIntelだが、近年はコンシューマエレクトロニクス(CE)、いわゆる家電などの組み込み分野にも力を入れている。AtomはNetbook向けCPUとして有名だが、組み込み分野での主力製品でもあるのだ。

 Intelは2009年9月にテレビ向けSoC(System on Chip)の「Atom CE4100(開発コード名:Sodaville)」を発表しているが、これもCPUコアはAtomがベースになっており、動画再生などに必要な周辺ハードウェアが1つのパッケージになっている。

 Intelのテレビソリューションは高性能CPUによるリッチな3Dユーザーインタフェースが特徴だが、同時に「Widget Channel」と呼ばれるアプリケーションフレームワークも用意しており、サードパーティが簡単に同システム向けアプリケーションを開発できるようになっている。こうした高機能でオープンな点が従来にない差別化ポイントだというのが、Intelの主張だ。

SoCのAtom CE4100を組み込んだIntelのテレビソリューション。2009年9月のIDFで発表されたものだが、曲線的なスロット表示によるチャンネル検索システムやWidget Channelによるアプリケーション開発フレームワークなど、Intel TVならぬIntelligent TVとなっている点が特徴だ

 このほか、「Intel Wireless Display」技術によるPCとテレビの手軽な連携や、家電を集中制御して監視する仕組みなど、Intelがこれまで培ってきた技術をベースに、どうやって家電の世界をよりインテリジェントにしていくかが課題の1つとなりそうだ。

 Wireless Display技術については同社サイトで概要が紹介されている。簡単にいえば、無線LAN化された環境にHDMI経由のテレビ接続アダプタを設置するだけで、Core i5搭載PCなどに保存されたHD映像コンテンツを無線経由で簡単に転送してテレビで視聴できるというものだ。日本での提供計画は不明だが、米国ではアダプタが2010年1月17日からBest Buyで販売される予定だ。

PC内のコンテンツや表示映像を無線LANを介して大型テレビに転送する「Intel Wireless Display」と呼ばれる技術。NETGEARが販売する100ドル未満のアダプタをテレビに接続することで、気軽にテレビ出力が可能になる

デジタルホームのコンセプトデモ。部屋の隅に壁掛け式のコントロール端末が設置されており、時計やカレンダー、天気情報といった情報表示が行える。さらに、ネットワーク化された家庭内の電気機器の制御や、電気の使用状況を把握して省電力のアドバイスを行うなど、ちょっと賢い機能も付いている

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