Mozillaが7月1日、PCやMacのWebブラウザ「Firefox」のブックマークや履歴、開いているタブなどの情報をiPhoneから参照し、Safariなどで開けるアプリ「Firefox Home」をApp Storeに申請したと発表した。価格は無料で、早ければ来週にも公開される見通しだ。
Firefox Homeは、Mozillaの提供するオンラインストレージ(クラウド)に保存された、Firefoxのブラウザデータを同期できるアプリ。ブラウザのデータには、ブックマークや開いているタブ、Webサイトの閲覧履歴などが含まれ、Firefox Homeの内蔵WebKitブラウザでこれらのサイトを開いたり、Safariで閲覧したりすることができる。URLをメールで送る機能も用意した。
Firefoxの閲覧履歴などは、「Firefox Sync」というアドオンを用いてクラウドに同期する。PCやMacのFirefoxにこのアドオンをインストールしておけば、自動的にクラウドにデータが保存される。複数の環境のデータもまとめて管理可能。Firefox Homeはこのデータを読み込んで、URLのデータだけを取得する。なおユーザーインタフェースはすべて英語になるが、日本語での検索などは問題なく利用できる。
特別な作業や操作をしなくても、直前にPCやMacのFirefoxで開いていたWebサイトをすぐにiPhoneで確認できる。データは個人情報なので、IDとパスワード、パスフレーズ(秘密の言葉)を利用して暗号化して保存しており、第3者に中身を見られることはない。
Firefox Homeアプリは、オープンソースで提供される。クラウド側のサーバソフトウェアもオープンソースなので、特定の企業などでサーバをセットアップして運用することも可能だ。またサーバ側にはAPIを用意しており、Twitterのように、ユーザーが認証すればクラウド上のさまざまなデータにアクセスできるため、独自のクライアントアプリなども作成可能だという。ユーザーのブックマークを参照して何か情報を提供するようなサービスも開発できるとのこと。現状では、APIですべての情報が引き出せるが、将来的にはブックマークだけを公開したり、サービスごとにどんな情報を公開するかを選べるようにしたりできるようにすることも検討している。
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