新社会人必見、「FastBizCard」で脱・紙のアドレス帳松村太郎のiPhone生活:ビジネス

» 2011年05月02日 15時30分 公開
[松村太郎,ITmedia]

名刺管理アプリを「FastBizCard」に乗り換えてみる

 ご無沙汰しています。

 さて、今年の春の新生活は、普段とは違う風景だったと感じる方も多いのではないだろうか。そして、新生活を始めた方にとっては、苦労も多い幕開けだったかもしれない。4月が1ヶ月過ぎ、新生活もゴールデンウィークで一段落する。そこで、仕事に活用するiPhoneの環境を少しずつ軌道修正して行ってもいいだろう。

 今回ご紹介するのは「FastBizCard」。開発元のアプリ・スマートさんからオススメされて、試してみて、なるほどというアプリだったのでピックアップした。価格は900円。このアプリは名刺をOCRで読み取り、iPhoneの連絡先に保存できる、いわゆる「名刺管理アプリ」なのだが、それだけではないのだ。

 名刺は、誰かと挨拶するときに、ほぼ確実に交換するいわば“ご挨拶した確認票”のようなものだ。カバンの中の名刺ホルダーやデスクの引き出しにしまって管理する方も多いのは、もし連絡が取りたくなったときに、すぐに連絡先が分かるようにだろう。しかし電話はケータイからかけることも多くなり、連絡の多くはメールで送る。そうした場合、果たして名刺ホルダーやデスクの引き出しが、名刺の最適の管理場所か、といわれるとそうではない。

 そして昨今はソーシャルメディアもある。ある社会人の先輩は先日Twitterで「名刺はFacebookやLinkedInで友達登録するまでの仮登録用紙、ないしは登録のための手がかりがメインの用途になっていくのかな」とツイートしていた。つまり名刺を入り口にして電話もメールも飛ばして、ソーシャルメディアでのコミュニケーションを行う方がお互いに効率的じゃないか、ということである。

 そうなると、名刺にはTwitterやFacebookのコンタクト先を書くべきなのかもしれないが、会社から発行される名刺にこれらが書かれているのは、ベンチャー企業か先進的なテクノロジー企業がほとんどだろう。一応、こういう時代が来るかもしれないということを頭の片隅に、話を進めたい。

 おそらくたくさんの人とご挨拶をすると、その名刺も大量に溜まるが、いざ連絡を取りたいと思ったときには、デジタルデータになっていなければすぐに利用することができない。名刺が管理されているクリアファイル(もしくはそのまま積まれた名刺の山)から、目的の人の情報を見つけ出す必要があるからだ。そんな状況を改善したいと考える人は多いようで、iPhoneのカメラを使って名刺をデジタルデータ化するアプリはいろいろな種類があり、FastBizCardもその1つ、ということになる。

 FastBizCardで名刺を読み取るときは、名刺を取り出し、アプリを立ち上げ、iPhoneのカメラで撮影する。このとき、画面いっぱいに名刺が映り込んでいなくても、名刺を真正面から撮影しなくても大丈夫だ。アプリでは名刺が写っている範囲(=読み取り範囲)を指定して認識させることができる。そしてワンタッチで名刺から氏名・役職・会社名・連絡先などを認識してくれる。もし読み取った情報が間違っている場合は、その項目をタッチすれば、読み取った写真を参照しながら修正可能だ。

 FastBizCardの読み取りエンジンは、オムロンソフトウェアの「モバイルOmCR」を採用しており、日本語はもちろん、英語、中国語の読み取りにも対応する。一般に名刺OCRは漢字の登録し直しが面倒だが、認識率が高ければその頻度も減り、楽に名刺をデジタルデータ化できる。

 平均的に、名刺1枚の読み取りを終わらせるまでに約30〜40秒程度ですむ。もし3人との打ち合わせだった場合でも、長くて2分あれば名刺の読み取りが終わる。10人と挨拶したパーティーでも、5〜6分で入力終了、つまり帰りの電車の中のわずかな時間を使えば、名刺をデジタル化することができるのだ。もちろんiPhoneに元々入っている連絡先アプリからも、FastBizCardからも検索ができるようになる。

 アプリ・スマートによると、近日公開のアップデートで、名刺を読み取った日時と位置情報も自動的に挿入するようになるという。電車の中で読み取った場合はこの限りではないが、パーティー会場などですぐに読み取った場合は、いつ・どこでその人に会ったか、という情報まできちんと記録されるようになる。

PhotoPhotoPhoto FastBizCardは、その場で撮った写真や、あらかじめ撮影してある写真から名刺データを読み取り、氏名や連絡先の情報をデータ化できるアプリ

One More Thing:アクティブメモを司令塔に

 FastBizCardのもう1つのポイントは「アクティブメモ」と呼ばれるメモ機能だ。メモもまた、iPhoneアプリでは熾烈な競争が行われており、メモアプリ単体としては、ジャストシステムの日本語入力システムATOKが利用できる「ATOK Pad」が一押しだが、FastBizCardのアクティブメモはまた別の価値がある。

 アクティブメモは、ただ単にテキストでメモが取れるだけでなく、書いたメモからSMS/MMS、メールの新規作成をしたり、メモした内容をGoogleや地図、乗り換え、Wikipediaなどで直接検索する連携機能を持っている。例えば「品川 新横浜」と書かれたメモがあれば、地図や乗り換え検索、終電検索に一発で飛べるのだ。あるいは知らない単語を聞いたり目にしたりしたときにメモしておいて、移動中などのスキマ時間に検索する、といった活用方法も可能になる。

 次のアクションが求められるメモを取る必要がある場合、ぜひ活用して行きたい機能だ。

PhotoPhotoPhoto 書いたメモからSMS/MMS、メールの新規作成をしたり、メモした内容をGoogleや地図、乗り換え、Wikipediaなどで直接検索する連携機能を持つアクティブメモも便利だ
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プロフィール:松村太郎

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東京、渋谷に生まれ、現在も東京で生活をしているジャーナル・コラムニスト、クリエイティブ・プランナー、DJ(クラブ、MC)。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。1997年頃より、コンピュータがある生活、ネットワーク、メディアなどを含む情報技術に興味を持つ。これらを研究するため、慶應義塾大学環境情報学部卒業、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。大学・大学院時代から通じて、小檜山賢二研究室にて、ライフスタイルとパーソナルメディア(ウェブ/モバイル)の関係性について追求している。


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