NTTドコモが次世代高速通信(LTE)サービス「Xi(クロッシィ)」に対応した新タブレット「ARROWS Tab LTE F-01D」と「GALAXY Tab 10.1 LTE SC-01D」を発表。10月中旬から順次発売する。
新たなXi用データ専用プランも追加し、2012年9月30日までは速度変更と追加料金なしでXiの通信が可能。2012年10月1日以降は、通信量が7Gバイトを超えると速度が月末まで128Kbpsに下がるが、2Gバイトごとに2625円を支払うことでXiの通信が可能になる。同社取締役社長の山田隆持氏によると、ドコモのスマートフォンユーザーのうち、98%の通信量が7Gバイト未満だという。Huluの場合、30時間ほど動画をストリーミングすると7Gバイトに到達する。128Kbpsに下げる措置を新たに用意したのは、「ある月の料金が上がるのが不安」という声がXiユーザーから挙がったため。「例えば4月27日までに7Gバイト分の通信をしても、スピードが落ちるのは残り3日間だけ。5月になると元に戻るので、そういう料金体系を選択する人もいるのでは」と山田氏はみる。
山田氏が「Xiとタブレット両方の魅力を体感できるのは映像サービス」と話すように、「Hulu」「よしもとケータイバラエティJOOKER」「Qik ビデオ for DOCOMO」などのサービスを提供するとともにキャンペーンも展開し、より幅広いユーザーにタブレットを使ってもらえるよう訴求する。
Xi対応機はこれまではデータ端末のみだったが、Xiタブレットを投入することで、Xiの特長である「高速、大容量、低遅延」を、より多くのユーザーに享受してもらえるよう努める。また、ドコモはこれまでタブレットも「ドコモ スマートフォン」に含めていたが、今後は新たに「ドコモ タブレット」というカテゴリーを作り、スマートフォンとは異なるシリーズとして展開する。タブレットはコンシューマーだけでなく法人向けにも訴求し、「クラウドサービスやセキュリティを充実させて、全体の4割を法人に買っていただけるよう努力したい」と山田氏は意気込む。
さらに、山田氏はXi対応スマートフォンを2011年度冬春モデルで4機種提供する予定があることも明かした。Xi対応機としてスマートフォンより先にタブレットを提供したのは、「音声端末の方が技術的なハードルが高いため」で、通話機能を持たないタブレットの方が比較的開発しやすかったようだ。
GALAXY Tab 10.1が欧州で訴訟を受けて販売差し止めになった件について問われると、山田氏は「欧州の案件が日本に持ち込まれることはない。日本でも(日本サムスンとサムスンテレコムジャパンが)提訴されたが、Samsungから販売に支障はないと聞いている。注意深く見ていることは事実だが、特許の訴訟がドコモの販売に支障をきたすものではない」と強調した。
タブレット全体の販売目標については、「2011年度に20万台を目指したい」とした。
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