10月23日(現地時間)、Appleが米国サンノゼのカリフォルニアシアターでメディア向けのイベントを実施。13インチ Retinaディスプレイ搭載の「MacBook Pro」、CPUが一新された第4世代「iPad」、そして7.9インチディスプレイを搭載した「iPad mini」など、複数の製品を一挙に発表した。
それらの中で、とりわけ世界中から注目されているのが「iPad mini」なのは言うまでもない。周知のとおり、AppleのiPadは“タブレット端末”という新たな市場を切り開き、常にトップシェアを維持。ポストPC時代の立役者の地位を確固たるものにしていた。しかしポータビリティという観点では、日本などアジア市場を中心に“どこにでも気軽に持ち運べるもう少し小さなサイズ”が潜在的に求められていたのも事実である。iPad miniは、そのようなニーズに応える製品となっている。
このiPad miniはどれほど魅力的なのか。カリフォルニアシアターのハンズオン(実機体験)会場から、実際に触り体験してみたファーストインプレッションをお届けする。
薄い、軽い、持ちやすい!!
iPad miniを取り上げてみて、まず感じるのがそれである。iPad miniは7.9インチのディスプレイを搭載し、そのサイズは幅134.7×高さ200×厚さ7.2ミリ(iPad 第4世代は幅185.7×高さ241.2×厚さ9.4ミリ)と大幅に小型化。重量もWi-Fi版 308グラム、Wi-Fi+Cellular版は312グラムと軽量化されている。とりわけ「薄さ」と「軽さ」は感動を覚えるポイントだ。これであれば男性のブリーフケースはもちろん、女性のハンドバッグの中でもまったく邪魔にならない。そして電車の中でも周囲に気兼ねすることなく、そして自らも気楽に使えるだろう。このサイズには、手にしただけで「欲しい!!」と思わされるだけのインパクトがある。
そして当然ながらデザインも美しい。
iPad miniは先に発売された「iPhone 5」と同じく、ホワイト&シルバーとブラック&スレートのデザインになっており、ガラスと金属の質感によって高級感が生まれている。プラスチック製のボディを採用したタブレット端末にありがちな安っぽさは微塵もない。ライフスタイルを体現するツールに必須である“精緻さと作りのよさ”が、その小さなフォルムに詰め込まれているのだ。
iPadもノートPCに比べれば可搬性が高かったが、iPad miniは正真正銘の「モバイル機」である。ビジネスシーンからプライベートまで、いつも持ち歩ける気軽さがある。また、ノートPCを普段持ち歩いているユーザーが、サッと取り出して使えるタブレットとしてiPad miniを持ち歩いてもいいだろう。
小型化し、デザインも美しくなったiPad mini。しかし、性能・機能の面でまったく妥協がないのも特筆すべきポイントだ。
まずスペック面では、CPUはデュアルコアプロセッサの「A5」チップ、FaceTime HDカメラ、5MピクセルのiSightカメラ(裏面照射型CMOS)など今年のiOSデバイスとして標準的なものを搭載。通信機能は、Wi-Fiは802.11a/b/g/nに対応し、802.11nは2.4GHz帯に加えて5GHz帯にも対応。Wi-Fi+Cellularモデルでは、LTE(国内ではKDDIとソフトバンクモバイル)にも対応した。
ハンズオンで実際に試してみても、スペック的な不安は一切感じなかった。A5チップと高速通信機能でWebブラウジングがサクサクと快適なのはもちろんのこと、写真の表示および表示の切り替え、動画の再生なども小気味よく行える。iPhotoやiMovieの利用も、これまでのiPadと同じ快適さだ。小さくなったからといって、体感速度が落ちるといったことはない。このあたりはユーザー体験を重視するAppleらしいところと言える。
さらに、これだけ快適な動作を実現しながらも、バッテリー駆動時間がこれまでのiPadと同様の最大10時間を実現している点も見逃せない。今回のiPad miniが、何かを犠牲にしての小型化ではないことは、実機を触ってみてよく分かったポイントだ。
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