CESのシャープブースでは、4Kの大型テレビに加え、「IGZO」技術が大きくアピールされていた。モバイルの分野で注目を集めていたのが、このIGZOをディスプレイに搭載したスマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」「AQUOS PHONE Xx 203SH」とタブレット「AQUOS PAD SHT21」だ。海外ではIGZOについて初めて耳にする来場者も多いが、7日に行われたシャープのプレスカンファレンスでIGZOの詳細を知り、「IGZOを搭載したスマホはどれ?」と尋ねてくる人が多かったようだ。
本誌では何度も紹介してきたが、IGZOとは酸化物半導体のこと。IGZOを液晶に搭載することで、バックライトの透過率が向上するほか、静止画表示中における画像の更新回数を60分の1に抑えることができ、低消費電力に貢献する。シャープのブースではこうしたIGZOの仕組みや対応製品の特長を紹介している。
説明員によると、IGZO搭載製品の中でも特に来場者から注目を集めていたのが、AQUOS PADだという。「防水・防塵に対応しながら、厚さ9.4ミリと薄く、重さ272グラムと軽いところ。さらに、連続待受の約1000時間(3Gが約1040時間、LTEが約980時間)という数字に驚いている方が多いですね」(説明員)。SH-02Eについては、「2日間充電なしで使える」というキャッチコピーが多くの人に響いたそうだ。また、海外(特に米国)ではあまり見られないメタリックなRedのカラーを珍しがる人も見られたそうだ。ディスプレイが急きょIGZOに変更されたソフトバンクの203SHも、IGZOを搭載した実機が展示されていた。ディスプレイ自体はSH-02Eと同じものが搭載されており、ハードの違いはデザインのみとなる。
現在は日本市場でのみIGZO搭載スマホやタブレットを投入しているシャープだが、「米国を含め、海外での展開も視野に入れている」(説明員)という。また、国内の他メーカーにIGZOを供給する可能性もあるとのこと。その際、シャープ端末のディスプレイでの差別化が難しくなりそうだが、「IGZOをただ搭載しただけで、2日間使用できるほどの省エネ効果を得られるわけではない。IGZOの性能をフルに発揮するようなチューニングが必要」(説明員)とのことなので、このノウハウを持つシャープに優位性があると言える。
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