3DMark Android EditionでNexus 7とかXperia Zとか測ってみた世界標準ベンチマークテストをスマートフォンで(3/3 ページ)

» 2013年04月09日 14時20分 公開
[長浜和也,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

圧倒的に優勢なSnapdragonデバイス

 3DMark Android Editionを使って、Nexus 7、AQUOS PHONE Xx 203SH、HTC J butterfly、Xperia Z SO-02E、そして、GALAXY Note II SC-02EとG'zOne TYPE-Lを測定した。測定したデバイスの主な仕様(特にベンチマークテストのスコアに影響しそうなところ)は以下のようになる。

型番 Nexus 7 AQUOS PHONE Xx 203SH HTC J butterfly Xperia Z SO-02E GALAXY Note II SC-02E
プロセッサー Tegra 3 Snapdragon APQ8064 Snapdragon APQ8064 Snapdragon APQ8064 Exynos4412
動作クロック 1.2GHz 1.5GHz 1.5GHz 1.5GHz 1.6GHz
コア数 4 4 4 4 4
グラフィックスコア ULP GeForce Adreno 320 Adreno 320 Adreno 320 Mali-400
システムメモリ(RAM) 1Gバイト 2Gバイト 2Gバイト 2Gバイト 2Gバイト
液晶ディスプレイサイズ 7インチ 4.9インチ 5インチ 5インチ 5.5インチ
解像度 1280×800ピクセル 1280×720ピクセル 1920×1080ピクセル 1920×1080ピクセル 1280×800ピクセル
Android 4.2 4.1 4.1 4.1 4.1

Ice Storm Score
Ice Storm Extreme Score

Ice Stormで測定した個別のscore
Ice Stormの個別テストで測定したフレームレート

 用意したデバイスは、G'zOne TYPE-Lを別として、NVIDIAのTegra 3プラットフォームとSamsungのExunos 4プラットフォーム、そして、Snapdragon APQ8064プラットフォームに分けることができる。総合スコアのIce Storm scoreとIce Storm Extrem scoreは、Snapdragon APQ8064が圧倒的に優勢だ。Nexus 7とGALAXY Note IIは、G'zOne TYPE-Lにも及ばない。

 しかし、Futuremarkが用意する算出式で求めるGraphics scoreとPhisics socreでは、Graphics scoreでSnapdragon APQ8064搭載デバイスが圧倒的であるものの、Physics scoreでは、その差はなくなり、GALAXY Note IIのスコアはAQUOS PHONE Xxを上回る。

 これは、測定した“生データ”ともいえる各テストの平均フレームレートの値を見ても、同様で、Graphics test 1とGraphics test 2のフレームレートはSnapdragon APQ8064搭載デバイスが大きく差をつけているが、Physcis testのフレームレートではその差が縮まり、GALAXY Note IIのフレームレートはAQUOS PHONE Xxを上回る

これで分かるのは“特定場面”の優劣だ

 Graphics test 1もGraphics test 2もグラフィックスコアの描画性能を測定するテストで、Graphics test 1は、頂点(vertices)演算処理性能を、Graphics test 2は、ピクセル演算処理性能を測定する。対して、Physics testは、CPUコアで行う物理演算処理性能を測定する。Futuremarkのスコア算出式において、Ice StormはGraphics testのウエイトをPhysics testの2倍以上にしているため、グラフィックスコアの性能をより反映することになる。そのため、Ice Storm scoreで差がついていても、CPUコアの性能は互角か、または、上回っていることもありえる。

 3DMark Android Editionは、ARM系プロセッサーを搭載してAndroidを導入するタブレットデバイスやスマートフォンでゲーム利用を想定したパフォーマンスの指標として開発したベンチマークテストだ。その存在意義は、これまでのPC版3DMarkと変わらない。ただ、製品の優劣を示す指標として、ベンチマークテストのスコアは分かりやすいため、店頭のPOPやユーザーのレビューなどで示すことが増えてくるだろう。

 タブレットデバイスやスマートフォンの優劣は、グラフィックスコアの優劣だけで決まるものではない。その上で、3DMark Android EditionのIce Storm scoreは、一場面における総合的な性能指標に過ぎないことと、少なくとも、Graphics scoreとPhysics scoreで、グラフィックスコアとCPUコアの処理性能の指標として使えるデータとなることを意識してユーザーは利用したい。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月06日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  3. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  4. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  5. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  6. 「健康保険証で良いじゃないですか」──政治家ポストにマイナ保険証派が“猛反論”した理由 (2025年12月06日)
  7. ドコモが「dアカウント」のパスワードレス認証を「パスキー」に統一 2026年5月めどに (2025年12月05日)
  8. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  9. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  10. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【11月5日最新版】 1万ポイントの還元やキャッシュバックも (2025年12月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー