サンプルをいくつか作っておいた。いずれもiVOCALOIDで読み込んで、iVOCALOIDからYouTubeに投稿したものだ。
とりあえずの作例はこのくらい。試したジャンル、伴奏スタイルは少ないので、もっといろいろトライしてみたいという気持ちが高まった。
作ったものを無修正で「自分の作曲です」として投稿するのは今の段階では難しいと思う。というのは、与えた歌詞に対して生まれてくるメロディーの区切りが自然ではない場合があるからだ。そのあたりは自分で編集していかなければならない。でも、自動作曲されたはずのメロディーにインスパイアされて、続きが自然と生まれることもある。自分の中の作曲家魂を呼び出す機能みたいなものだろうか。
こうした、自動作曲のメロディーを修正するのには、iVOCALOIDが直感的に操作しやすいのでおすすめだ。ボカロネットが作ってくれた曲のおいしいところは残しつつ、それを自然につなげるとこういうメロディーのほうがいいかもな、といった作業をiPhoneやiPadでできてしまう。
伴奏で不足する部分があれば、GarageBand本格的な音楽制作アプリに読み込んで追加したり、置き換えたり、さらにボーカルを足したり、iVOCALOIDのメロディーを上下に移動させてコーラスを作り、それをGarageBandに追加することも可能だ。いったんボカロネットにアップロードした曲を、別の歌声のiVOCALOIDでボカロネットから読み込んで、重ね合わせることもできる。
iVOCALOIDが使えないユーザーには3つの方法がある。Windowsユーザーの場合には「VOCALOID 3 Editor SE」という、VOCALOID専用の編集ソフトを購入して最新版にアップデートすると、その中からボカロネットにアクセスし、自動作曲した曲をダウンロードして編集し、再投稿することができる。
Windowsユーザーはもう1つ方法がある。「VOCALOID Editor for Cubase NEO」の最新版を使うやり方だ。これもVOCALOID 3 Editor SEと同様に、ボカロネットの自分のアカウントで登録した楽曲を読み書きできる。
1つ違うのは、このソフトは本格的な音楽制作ソフトである「Cubase」と緊密に連動しているので、VOCALOIDの編集だけでなく、読み込んだ伴奏の変更・追加が簡単にできるところだ。Cubaseにはさまざまなエディションがあり、なかにはオーディオインタフェースなどに無料バンドルされているものもあるから、伴奏も自分なりにやりたいという人は、この方法のほうがいいかもしれない。
VOCALOID 3 Editor SEはMacに未対応なので、Cubaseを手に入れて、VOCALOID Editor for Cubase NEOを購入して使うことになる。Cubaseじゃいやだ、初音ミクに付属する「Piapro Studio」で編集したい、という人もいるだろう。その場合には、ボカロネットのプレミアム会員になれば、VOCAOOIDの標準ファイル形式である.vsqx、伴奏ファイルのFLAC、伴奏ファイルのMIDIファイルがダウンロード可能になるので、Logic Pro XやGarageBandに読み込んで使うことになる。
筆者もボカロPを自称してはいるが、ほとんどカバー曲専門なので、こうしたお手軽作曲ツールを、しかも普段使いしているiPhoneからいつでも利用できるのはとてもありがたい。わざわざPCの前に座らなくてもいいのだ。歌詞を思いついたらすぐにボカロネットにアクセスして、曲にしてもらう。著作権はヤマハとの共同ということになるが、同人音楽などの軽微な利用であれば問題はないらしいから、どんどん使っていこうと思う。
でも問題は、そもそも歌詞を思いつかないということなんだよな……。それについては別途方法を考えてみるつもりだ。
これであなたもオリ曲作れるボカロP。そう、iPhone、iPadならね!
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