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» 2015年01月16日 12時00分 公開

石川温のスマホ業界新聞:各キャリア2015年「年頭所感・挨拶」にツッコミ ━━4人の社長は新年に何を語ったのか (2/3)

[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

KDDI・田中孝司社長

2015年のテーマ:「新たな成長へ向けて実行する1年にしよう」

2015年のポイント

(1)お客さま第一に考え実行する

(2)先読みとスピードアップ

(3)個人個人も成長する

挨拶

 KDDIグループの全社員の皆さん、新年明けましておめでとうございます。2015年の年頭にあたり、私からご挨拶を申し上げます。2015年は、1985年の日本における電気通信の自由化から30年、KDDIの発足から15年という大事な節目の年にあたります。また、KDDIが成長企業として、今後も20年、30年と継続して発展していくためにも、大変重要な年になります。この節目の年を、なんとしてもKDDIが新たな歴史に向けて一歩を踏み出す年にしたいと思っています。

 はじめに、昨年について簡単に振り返りますと、通信業界全般においては、世界的に、スマホやタブレットの普及が進むとともに、今後のウェアラブルやM2Mなどの新たな拡がりを感じる1年でした。一方で、日本のモバイル市場は、VoLTEの開始などの大きなトピックスがありましたが、全体としては、我々の予想以上のスピードで、市場の同質化と固着化が進んだのではないかと見ています。また、MVNOの拡大やNTTグループによる光のサービス卸の発表など、今後の競争環境を大きく左右する動きもありました。

 我々自身を振り返ってみると、「新たな成長ステージを目指す」という会社方針のもと、au WALLET、Syn.構想、ミャンマー進出という新たな取り組みを進めました。国内通信事業においても、営業部門、技術部門をはじめ、全社員の皆さんには本当に頑張っていただいた1年だったと思います。しかしながら、事業環境は、総じて厳しい1年だったと思っています。

新たな成長へ向けて実行する

 本日から、2015年が新たにスタートしますが、今年は「新たな成長へ向けて実行する1年」にしていきます。4月から始まる2015年度は、中期計画の最終年度としての利益成長と、次の成長の柱を早期に立ち上げる1年になります。

昨年、皆さんには市場の同質化を打ち破り、成長していくために、「あらゆる分野での差別化」を進めてもらいました。また、新しい変化を起こさないといけないとの思いから、年末にはFirefoxスマホの発売、元旦からはauのCMも大幅に刷新しました。ただ、いずれの取り組みについても、やり切ることが必要です。

 昨年開始したau WALLET、Syn.構想、ミャンマーの通信事業といった新たな取り組みについても、加速させて、実行する1年にしてください。各部門が、それぞれにおいてスピードアップを図り、一つひとつやり切ることをお願いします。こうした中で、今年1年、皆さん一人ひとりに、心構えとして、実行してほしいことは次の3点です。

1.お客さま第一に考え実行する

 企業は、お客さまから離れて存在し続けることはできません。社員からショップスタッフをはじめ、あらゆる部門の皆さんが、「お客さま第一」の原点に立ち返ることが、その第一歩になります。

2.「先読み」と「スピードアップ」

 皆さん一人ひとりが、外を見て内を知ることで、変化の予兆を掴み、スピード感をもって対応し、やり切るということを心掛けてください。

3.個人個人も成長する

 今後、KDDIにおいては、新しい領域や取り組みが、ますます必要になっていきます。それを支えるのは社員力と組織力です。各自が、現状に甘んじず、勉強してスキルアップを図ってください。個人ベースでも、モチベーションをもって、地道に一歩一歩たゆまぬ努力を続けることで成長していってほしいと思います。また、上司は部下育成を、重要なミッションと認識して、サポートしてください。

 2015年を今後の成長に向けた新たな第一歩となるように、「実行」をキーワードとし、全社一丸となって取り組んでいきましょう。

 最後になりましたが、今年1年KDDIグループ全社員の皆さんとご家族のご健康とご多幸を祈念いたしまして、私の新年の挨拶とさせていただきます。

以上

田中社長の年頭挨拶を読んでみて

 昨年、KDDI・田中社長は「所感」ではなく「社員に向けた挨拶」という形になっている。NTTドコモ以上に攻めていたのがKDDI。スマホ全盛時代の「同質化」を避けようと、au WALLET、Syn.構想、FirefoxOSスマホなど、次々と新機軸を投入してきたのには驚いた。2014年は本当にKDDI関連のネタが多かったように思う。ラジオ番組のゲストを検討するときも、KDDIばかりが候補に挙がり、他キャリアとのバランスがつかなくなりそうなほどだ。

 経営を左右する料金プランに関しては、すぐにNTTドコモを真似して追いかけるのではなく、あえてシェアではなく、家族それぞれにパケット容量を与えて「ギフト」として送り合えるようにしたのは本当に賢かった。それぞれ家族のARPUが減ることなく、従来の料金プランにおけるARPUを維持したため、料金プランを変えても経営に響かなかった。このあたりはじっくりと相手を研究した成果が見て取れる。

 KDDIは着眼点が良く、他社よりも先駆けることも多いが、一方で、「きっちりと市場を育てる」というのが苦手のような気がする。その点、au WALLETやFirefoxOSスマホをきっちりと市場に根付かせられるかが課題となりそう。

 2015年も「同質化」を避けようと、テレビ東京「WBS」の報道によれば、Androidベースで作ったガラケーを投入するらしい(ちなみに日経新聞電子版「モバイルの達人」では「ガラホ」と命名)。2015年も田中プロの存在感が大きい年になりそうな気がする。

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