パイオニアとレコチョクは5月8日、車載向けの定額制音楽配信サービスでの協業を発表。5月下旬以降に順次発売するパイオニアのカーナビカロッツェリア「サイバーナビ」新モデルに音楽配信の新機能「ミュージッククルーズチャンネル」を搭載する。
ミュージッククルーズチャンネルは、レコチョクの定額制音楽配信サービス「replay」(年間3000円、税別)をベースにパイオニア独自の楽曲レコメンド技術を用いて開発したもの。replayは携帯電話という枠を超えてさまざまな企業とコラボレーションをする音楽配信サービスのソリューションで、レコチョクにとって車載向けサービスの提供は今回が初となる。
カーエレクトロニクス事業が売上全体の7割を占めるパイオニアは、2015年4月より同事業に特化する方針を取っており、主力のカーナビのほか、カーオーディオ、スマホ連携商品などにも力を入れていく。パイオニア執行役員 大館諭氏は「車載機器や情報サービス、周辺機器などがすべてつながる“コネクテッド化”が進んでいる」と説明し、「レコチョクの音楽配信事業社としての実績とパイオニアのカーオーディオ関連技術とブランド力を掛け合わせることで、音楽との新しい出会いの場を提供する」と意気込みを語った。
ミュージッククルーズチャンネルは、スマートフォンで専用アプリ「ミュージッククルーズチャンネル」(iOS/Android共にダウンロード無料)をダウンロードし、対応のサイバーナビにBluetooth接続して利用する。対応機種は、iPhone 5/5c/5s/6/6 Plus(いずれもiOS 8以上)と、Android 4.2以上を搭載する端末。
パイオニア商品統括部 事業企画部の田中修部長は、「これまではSDカードやCDをクルマに持ち込む必要があったが、もうその必要はなくなる。通勤時に1人で運転するときや、家族や友達とわいわいドライブに行くときなど、ストリーミングサービスならさまざまなシーンに対応できる」と話す。
ミュージッククルーズチャンネルは楽曲単位ではなくチャンネル単位でカーラジオのように音楽を楽しめるのが特徴で、「特選チャンネル」「レコメンドチャンネル」「マイチャンネル」の3カテゴリーが用意されている。特選チャンネルは定期更新される約50チャンネル(各30曲程度を収録)を提供。レコメンドチャンネルは、ユーザーの再生楽曲を自動的に分析して最大24種類のチャンネルを提案してくれる。マイチャンネルでは、気に入ったチャンネルを登録したり、「明るい」「パーティー」「夏っぽい」など、特定のキーワードを組み合わせて好きなチャンネルを作成したりできる。「ノンストップミックス再生」機能により、楽曲間をシームレスに再生可能。説明員は「100万曲を配信しており、今後は200万曲まで増やしていきます」と話す。
基本操作はサイバーナビ本体で行い、運転中はスマホの操作はできない。マイチャンネルの作成や歌詞の表示はスマホでも可能。また、着信があると自動でハンズフリー通話に切り替わり、通話が終わると前回の続きから再生できる。
今回発表されたサイバーナビの新モデルは計10機種。それぞれ、8V型のラージサイズが「AVIC-ZH0999LS」と「AVIC-ZH0999L」の2機種、1DIN+1DINタイプが「AVIC-VH0999S」と「AVIC-VH0999」の2機種、200ミリワイドの2DINタイプが「AVIC-ZH0999WS」など3機種、2DIN通常タイプが「AVIC-ZH0999S」など3機種となっている。このうち、AVIC-ZH0777WとAVIC-ZH0777以外の8機種がミュージッククルーズチャンネルに対応。サイバーナビの新モデルを購入すると、1年間は無料でreplayを利用できる。価格はオープンで、実売想定価格は12万5000〜23万6000円前後(税別)。各モデルの上位機種は車載カメラの映像にナビ情報を重ねて表示できる「クルーズスカウターユニット」がセットになっている。
そのほか、フリップダウンモニターやカースピカー、パワーアンプの新商品もお披露目された。フリップダウンモニターは、10.1V型XGA「TVM-FW1040-B」と10.2V型VGAの2機種「TVM-FW1030-B」「TVM-FW1030-S」(ブラックとシルバー)をラインアップ。TVM-FW1040-Bの実売想定価格は6万4800円前後(税別)。RCAビデオ入力2系統に加えてHDMI入力端子も備える。3次元Y/C分離回路、超解像クリアシャープ回路、HDMI HDプロセッシング回路を搭載したことで高精細な画像を楽しめるとしている。
カースピーカーは2機種、パワーアンプは1機種を発表。セパレートタイプの2ウェイカスタムフィットスピーカー17センチモデル「TS-C1720A II」と16センチモデル「TS-C1620A II」の実売想定価格はいずれも3万2000円(税別)。ブリッジャブルパワーアンプ「GM-D1400 II」の実売想定価格は1万6000円(税別)。カースピーカーは振動板に軽量・高剛性な「2層構造アラミドファイバーコーン」を採用したことで微少信号にも素早く反応し、広帯域にわたり躍動感のある高音質再生を実現するという。パワーアンプは、高性能パワー素子MOS FETをClass D増幅回路内に集積して回路の小型化を図り、筐体の小型・軽量化を実現。回路構成も見直し、高効率な高音質再生を可能にしたとしている。
型番 | 概要 | 実売想定価格(税込) | 発売時期 |
---|---|---|---|
LS(ラージサイズ)メインユニットタイプ | |||
AVIC-ZH0999LS | 8V型VGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・5.1ch対応・DSP AV一体型HDDナビゲーションクルーズスカウターユニットセット | 25万5000円前後 | 5月下旬 |
AVIC-ZH0999L | 8V型VGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・5.1ch対応・DSP AV一体型HDDナビゲーション | 18万円前後 | |
1D+1Dメインユニットタイプ | |||
AVIC-VH0999S | 7V型ワイドVGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・5.1ch対応・DSP AV一体型HDDナビゲーションクルーズスカウターユニットセット | 23万円前後 | 5月下旬 |
AVIC-VH0999 | 7V型ワイドVGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・5.1ch対応・DSP AV一体型HDDナビゲーション | 16万円前後 | |
200mmワイドメインユニットタイプ | |||
AVIC-ZH0999WS | 7V型ワイドVGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・5.1ch対応・DSP AV一体型HDDナビゲーションクルーズスカウターユニットセット | 22万5000円前後 | 5月下旬 |
AVIC-ZH0999W | 7V型ワイドVGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・5.1ch対応・DSP AV一体型HDDナビゲーション | 15万円前後 | |
AVIC-ZH0777W | 7V型ワイドVGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/SD/チューナー・DSP AV一体型HDDナビゲーション | 14万円前後 | 6月上旬 |
2Dメインユニットタイプ | |||
AVIC-ZH0999S | 7V型ワイドVGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・5.1ch対応・DSP AV一体型HDDナビゲーションクルーズスカウターユニットセット | 22万円前後 | 5月下旬 |
AVIC-ZH0999 | 7V型ワイドVGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・5.1ch対応・DSP AV一体型HDDナビゲーション | 14万5000円前後 | |
AVIC-ZH0777 | 7V型ワイドVGA地上デジタルTV/DVD-V/CD/Bluetooth/SD/チューナー・DSP AV一体型HDDナビゲーション | 13万5000円前後 | 6月上旬 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.