Appleが6月8日(現地時間)、米サンフランシスコで開催中の開発者向けカンファレンス「WWDC 2015」にて、iOSデバイス向けの新OS「iOS 9」を発表。2015年秋にリリースする。
対応機種はiPhone 4s、iPhone 5、iPhone 5c、iPhone 5s、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPod touch(第5世代以降)、iPad 2、iPad(第3世代)、iPad(第4世代)、iPad Air、iPad Air 2、iPad mini、iPad mini 2、iPad mini 3。
iOS 9ではSiriの正確さや反応速度を40%向上させたほか、より柔軟なリクエストが可能になる。例えば、Safariでチェックした内容をリマインダーに登録する、特定の期間の写真を探してくれる――といったものだ。
ユーザーの利用パターンを学習し、次の操作内容を予測、提案してくれるのも、iOS 9の特徴だ。例えば朝起きて音楽を聴いている場合、毎朝ロック画面に音楽再生のボタンを表示してくれる、メールでカレンダーへのイベントの参加通知が来ていていつも承諾していると、同様のメールが届くと自動で承諾して予定に加えてくれる――というものだ。
また、アドレス帳に登録していない人から電話がかかってきた場合、その電話番号が過去に受信したメールの署名に記載されていると、「おそらく○○さんです」という形で着信画面にその人の名前を表示してくれる。
Spotlightの検索機能も拡張し、天気、スポーツの結果、YouTube動画、簡単な計算、祝日なども検索できるようになる。スポーツの結果は、例えば野球のチーム名を入力すると、その日に行われたそのチームの試合のスコアを表示してくれる。YouTubeの動画は、検索結果の画面から再生することも可能。また、過去の行動履歴をもとに、Spotlightでは最近連絡を取った人や、ユーザーが興味を持ちそうなアプリや場所を提案してくれる。
Apple独自の決済サービス「Apple Pay」は、米国に加え、7月から英国でも展開する。25万店舗に導入し、交通機関でも利用できる。支払い時にApple Payを提示すれば、ポイントカードとしても使えるようになる。
プリインストールしている「メモ」アプリを拡張し、フォントの変更やToDoリストの作成、写真・動画・手書きメモの追加などが可能になる。作成したノートは、iPadやMacで共有される。
プリインストールしている「マップ」アプリでは、バスや地下鉄を含めた乗換案内が可能になる。地下鉄の出口や歩行時間なども加味したトータルナビが利用できる。米国、ドイツ、英国、メキシコ、中国などの300の都市をサポートするが、日本の対応は不明。
新たに「ニュース」アプリを、米国、英国、オーストラリアで提供する。スマートフォンに最適化したレイアウトを採用し、カテゴリーごとにニュースを閲覧できる。ページや画像をスワイプして記事を直感的に切り替えることもできるほか、手書きのメモを残したり、気になった記事をブックマークしたりもできる。またニュースに埋め込まれている動画の再生もできる。日本での提供は未定。
iPadの操作性も改善する。文字入力では、予測変換候補を表示するバーに、コピーやペーストなどの操作ができるアイコンを追加したほか、画面上キーボードをなぞることで、トラックパッドのように使えるようになる。
iPad Air 2では2つのアプリを分割して1画面に表示して、同時に利用できるようになる。そのほかのiPadでも、表示中のアプリ画面の一部に覆い被せる形で、別のアプリを起動できる。
再生中の動画を小さいウィンドウに表示し、ほかのアプリを使いながら動画を視聴することもできる。
通常よりも1時間ほどバッテリーの持続時間が延びるという省電力モードを新たに用意する。パスコードで入力する数字を従来の4桁から6桁に増やしてセキュリティ面を強化した。ほかのiOSデバイスを新たに使う場合、もう一方のiOSデバイスにパスコードを表示させる2段階認証も採用する。
より多くのユーザーに端末単体でアップデートをしてもらえるよう、アップデート用のファイル容量をiOS 8の4.58Gバイトから1.3Gバイトに軽量化した。
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