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» 2015年09月13日 12時15分 公開

石野純也のMobile Eye(8月31日〜9月11日):「Xperia Z5」シリーズの狙い/iPhoneに全面対抗のHuawei/中国勢の躍進――IFAで見えたスマホトレンド (2/3)

[石野純也,ITmedia]

欧州でも存在感を上げるHuawei、iPhone先取り戦略にも注目

 2014年に続きIFAで大々的な発表を行い、存在感を示していたのが、中国メーカーのHuaweiだ。2015年はSamsung ElectronicsがIFAでGalaxy Noteシリーズを発表しなかったこともあり、スマートフォンはソニーとHuaweiの一騎打ちといった様相を呈していた。中国市場でのプレゼンスが高いHuaweiだが、欧州でもシェアをめきめきと上げており、キャリアショップや家電量販店の様子を見ても、その勢いがうかがえた。

 そのHuaweiが新たに発表したのが、5.5型のディスプレイを搭載する「Mate S」だ。Mateシリーズは同社のフラッグシップモデルという位置づけで、Pシリーズよりもファブレット寄りのものが多かった。指紋センサーやオクタコアCPUなど、いち早く特徴的な機能を取り入れるのも、Mateシリーズならではだ。日本では2014年12月に「Ascend Mate7」を発売し、SIMロックフリーのハイエンドモデルとして人気を博している。

photo フォースタッチ対応で、カメラも強化した「Mate S」。日本での発売も予定されている(ただし、どのバージョンかは不明)

 Mate Sも、背面に指紋センサーを搭載。この指紋センサーはタッチパッド的な操作にも利用でき、片手だけでスクロールなどを行える。また、新たに「Knuckle Sense 2.0」に対応し、こぶしでアルファベットを描くことで、アプリなどを一発で起動できるようになった。カメラにもプロモードを採用。センサーにはホワイトの画素を加えて、高画質化を図っている。

photo 背面の指紋センサーは、スクロールなどの操作にも使える
photo カメラも強化し、プロモードを搭載

 HuaweiのMate Sが非常に面白いのは、当時iPhone 6s、iPhone 6s Plusに搭載されるであろうと言われていた「フォースタッチ(感圧タッチ)」を、当のAppleより先に実装してきたことだ。なお、Mate Sはスタンダード版に加えて、デラックス版、ラクジュアリー版と3つのバージョンがあるが、フォースタッチが搭載されているのは、最上位のラグジュアリー版のみとなる。

photo 画面を押す力の強さによって、画像の拡大率が変わる

 プレスカンファレンスには、同社で端末開発を指揮するリチャード・ユー氏が登壇し、時に笑いを取りながらもフォースタッチが優れた機能であることを強調していた。明言はされていなかったが、このタイミングでわざわざ採用した目的はおそらく1つだろう。iPhoneに対抗するためだ。

photo 「Mate S」を紹介するユー氏

 端末のデザインについても、しきりにiPhoneより優れていることをアピールしており、iPhone 6s、iPhone 6s Plusが採用すると言われていた(そして実際に採用した)ローズゴールドのようなカラーまで“先取り”している。これでiPhoneより後だったら“パクリ”のそしりは免れなかったかもしれない。ところがHuaweiは、ウワサを取り入れることで、本家のiPhoneより先にMate Sを発表してしまったのだ。

photo ゴールドに近いピンクを用意する

 これならどちらが模倣したかは分からなくなり、iPhoneの話題が出るたびにMate Sが比較の対象として語られる。つまり、iPhoneと同じ土俵の上に立ち、直接対決ができるというわけだ。認知度向上には、抜群の効果があるだろう。実際、同社は、2014年も「honor 6 plus」のキャッチコピーをiPhone 6 plusに似せるなどして、たびたびAppleを“挑発”している。

 こうしたHuaweiのなりふり構わぬ姿勢は、かつてのSamsung Electronicsのアグレッシブさをほうふつとさせる。そのSamsung ElectronicsはIFAを避け、iPhoneよりもできるだけ先に出そうと、「Galaxy Note 5」や「Galaxy S6 Edge+」を8月にニューヨークで発表してしまった。IFAで披露したのはスマートウォッチの「Gear S2」のみと、少々寂しい印象もあった。IFAという舞台の上に立つ主役の1人が、交代してしまったかのようだった。

photo Samsung Electronicsの「Galaxy Note 5」。すでに発表済みのためか、混み合ってなかなか触れないということはなかった

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