「Xperia Z5」シリーズの狙い/iPhoneに全面対抗のHuawei/中国勢の躍進――IFAで見えたスマホトレンド石野純也のMobile Eye(8月31日〜9月11日)(3/3 ページ)

» 2015年09月13日 12時15分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

ZTE、Lenovo、TCLなど、中国勢の躍進が目立ったIFA

 中国国内にとどまらず、アジアや欧州でシェアを上げているHuaweiは、中国メーカーにとっての成功事例だといえる。ここに続けとばかりに、IFAでは中国メーカーの活躍が目立っていた。

 インフラ事業も手掛けていることからHuaweiと並べて語られることの多いZTEも、IFAに合わせて、小さな発表会を開いた。ソニーやHuaweiとは異なり、大々的にフラッグシップモデルを発表したわけではないが、欧州、そしてグローバルへの足掛かりをしっかり築いていこうとする、同社の姿勢は感じられた。

 ZTEは、米国や中国で展開している「AXON」シリーズのグローバル展開を発表。「AXON Elite」という、指紋センサー、目、音声を使ったセキュリティ機能を売りした機種を新たにグローバル版として用意した。デュアルカメラを搭載しており、あとからフォーカスの位置を変更できるなど、意欲的な機能も盛り込まれている。

photo ZTEはグローバルの中核モデルとして、4つのラインを発表した
photo 欧州向けに発表されたハイエンドモデルの「AXON Elite」
photo 二眼カメラを搭載しており、あとからフォーカスの位置を変えることが可能

 日本でも同社はSIMロックフリーモデルに本腰を入れ始めたばかりだが、中国、米国以外のグローバル展開もまさにこれからが勝負といったところ。こうしてラインアップされたAXONシリーズなどが、将来、日本市場に投入される可能性もゼロではないだろう。

 中国メーカーという意味では、Motorolaを買収したLenovoも注目しておきたい1社だ。同社も従来は小規模な発表にとどまっていたが、2015年のIFAでは別会場を借り、大規模なプレスカンファレンスを開催した。

photo Lenovoの発表会では、かつてHTCで端末開発の責任者を務めた小寺康司氏が登場。3月にレノボに移籍したそうで、会場を沸かせた。今後はMotorola側から、両ブランドの端末を手がけていくそうだ

 LenovoはIFAに合わせ、Lenovo、Motorola双方のブランドから最新のスマートフォンを発表した。Lenovoブランドには5000mAhの大容量バッテリーを搭載した「VIBE P1」や、デュアルインカメラを搭載した「VIBE S1」などを、Motorolaブランドには「Moto X」シリーズの最新モデルである「Moto X Play」「Moto X Style」などをラインアップしている。

photo デュアルインカメラを搭載した「VIBE S1」
photo 「VIBE P1」は5000mAhの超大容量バッテリーを搭載する
photo Motorolaからも、5.7型のハイエンドモデル「Moto X Style」が発表された。ややスペックを落とした「Moto X Play」も用意する

 同社はデュアルブランド戦略を掲げており、市場に合わせてLenovoとMotorola、2つのブランドを使い分けていく方針。中国市場での不振から事業を立て直しているところだが、今後は徐々にMotorola側に経営資源を集中させていき、「確固とした3位」を目指す。

 日本に本格参入したばかりのTCLも、IFAで「ALCATEL ONETOUCH」ブランドの新機種「GO PLAY」を発表。こちらは防水や耐衝撃に対応した、アクティブな若者向けのスマートフォンだ。

photophoto カラフルな防水、耐衝撃モデルの「GO PLAY」

 以前から、中国メーカーの勢いが拡大しているIFAだったが、この波は日本市場とも無関係ではない。特にSIMロックフリーモデルが増え、MVNO市場が拡大している今、ヒットモデルがIFAで発表されたモデルから誕生する可能性もある。今から注目しておいても、損はないだろう。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. 楽天モバイルのスマホが乗っ取られる事案 同社が回線停止や楽天ID/パスワード変更などを呼びかけ (2024年04月23日)
  2. シャープ、5月8日にスマートフォンAQUOSの新製品を発表 (2024年04月24日)
  3. スマホを携帯キャリアで買うのは損? 本体のみをお得に買う方法を解説 (2024年04月24日)
  4. Vポイントの疑問に回答 Tポイントが使えなくなる? ID連携をしないとどうなる? (2024年04月23日)
  5. 貼り付ければOK、配線不要の小型ドライブレコーダー発売 スマート感知センサーで自動録画 (2024年04月25日)
  6. 通信品質で楽天モバイルの評価が急上昇 Opensignalのネットワーク体感調査で最多タイの1位 (2024年04月25日)
  7. 中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整 (2024年04月25日)
  8. ドコモ、「Xperia 10 V」を5万8850円に値下げ 「iPhone 15(128GB)」の4.4万円割引が復活 (2024年04月25日)
  9. 「iPhone 15」シリーズの価格まとめ【2024年4月最新版】 ソフトバンクのiPhone 15(128GB)が“実質12円”、一括は楽天モバイルが最安 (2024年04月05日)
  10. スマートグラス「Rokid Max 2」発表 補正レンズなくても視度調節可能 タッチ操作のリモコン「Rokid Station 2」も (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年