KDDIは12月10日、auブランドが「BRAND OF THE YEAR 2015」に過去最高スコアで初選出されたことを発表した。
BRAND OF THE YEARは、CM総合研究所(東京企画)の「CM好感度調査」において、1年間(11月から翌10月)を通して一番優れた評価を得たCMを放映した企業に贈られる賞。1992年から続いている同賞は、ソフトバンク(旧・ソフトバンクモバイル)が2006年度から2014年まで8年連続で受賞してきた。
2015年度は、auの「三太郎」シリーズのCMが非常に高い評価を得て、調査開始以来過去最高となる4810P‰(※)を獲得し、好感度第1位とななった。なお、ソフトバンクは1780.7P‰で第2位、NTTドコモは462P‰で第9位だった。
※ポイントパーミル:CM好感度調査の指標。毎月行っている3000人対象の調査で「好き」と答えたCMの得票数を示したもの
同日、都内でBRAND OF THE YEAR 2015の授賞式が開催された。式で記念プレートを受け取ったKDDIの田中孝司社長は、司会の峰竜太さんから率直な感想を聞かれると、「(8年間連続で1位を獲得していた)ソフトバンクさんの後に紹介されるのはうれしいですね。今までは逆だった(ソフトバンクの前に紹介されていた)ので」と喜びを隠さなかった。
さらに、峰さんから三太郎CMの企画を持ち込まれた時のことを聞かれると、「心の底から笑った。(企画段階の)絵コンテの状態でこれほど笑ったことはない」と答えた。そこから、2015年度の好感度第1位を確信していたか聞かれると、「確信ですよ。『結果をコミットする』って感じで」と、好感度第3位となった「RIZAP」(健康コーポレーション)の宣伝文句で笑いを誘いつつ、三太郎CMへの自信があったことを示唆した。
授賞式の後、田中社長が来場者に向けてauの広告戦略を説明した。
auでは「auを好きになってもらうこと」を広告戦略のテーマとして掲げている。それを達成するために、基本戦略として「シンプルであること」をCMのストーリーから(訴求)内容まで貫いているという。1つのCMにつき、1つの製品・サービスだけを分かりやすく訴求するようにしているということだ。
そのために、具体的な広告戦略もシンプルで、「笑(わらい)」の1点に絞っている。とにかく、見た人が「面白おかしく思える」ような広告を作ろう、というのだ。
その過程で生まれたのが、三太郎シリーズのCMだ。ただ、三太郎だけでは「新しい自由 au」の世界観を表現できないため、「かぐや姫」「乙姫」「鬼」といった新たな登場人物によって、世界観の広がりと、今後のCM展開への期待を高める工夫を凝らしている。また、「ただ作るだけじゃ面白くない」というスタッフの遊び心から、隠しキャラクターとして「一寸法師」を入れている。予想より早く“見つかってしまった”ようだが、三太郎のCMの話題性を高める意味で良い効果をもたらしている。
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