なお、大内氏の「個人的な興味」で調べたApple SIMについての調査結果も紹介した。
日本ではauのデータプリペイド契約ができるApple SIM。1つのSIMで複数キャリアの契約を切り替えられるが、それがどのような実装で、どのような挙動をするかを大内氏が調査した。auとGigSkyのプリペイド契約をして確認している。
この調査にはSIM解析ツールを利用。ドイツのComprionが開発したSIMと端末をテストするツールで、端末メーカーやキャリアが一般的に使っているものだという。
未契約状態のApple SIMは、見かけ上は何のデータもないSIMに見える。SIMと端末間でやり取りが起こると、AT&TのSIMに変化。日本だとその後、ソフトバンク経由のローミングで接続する。また、SIM自体が直接、端末のIMEI(端末識別番号)を取得したり、SMSを送信したりし、キャリアと契約するとSIM情報をサーバからダウンロードしているように見えるという。
Apple SIMは複数キャリアの同時契約や切り替えが可能で、切り替わり自体は1分程度で行われる。auのプリペイド契約をすると、auのVoLTE SIMと同等のものになるが、Apple SIM対応iPad以外ではSIMを認識しない。例えばiPhoneに差しても、不正なSIMという表示が出て使うことはできない。
GigSkyのプリペイド契約を行うと、GigSkyではなくデンマークのキャリア(Tele Denmark)のIMSI(加入者識別番号)が見えるが、理由は不明。日本ではドコモ経由でローミング接続する。auの場合と異なり、この状態のSIMをiPhoneなど他の端末に差しても利用できるそうだ。その場合のキャリア表示はローミングしているドコモ、キャリア設定はTele DenmarkのTDCとなる。なお、3Gでの接続しかできない。
大内氏によると、最近のSIMロックフリー端末は制御信号に関わる接続問題の報告が多く、詳しい調査が必要になることがあるという。「安定してSIMロックフリー端末を使ってもらうために、高度な解析が可能な基地局シミュレータの導入も視野に入れてやっていきたい」と語った。
23日は、通信ジャーナリスト石川温氏がパーソナリティーを務めるスマホ情報番組「スマホNo.1メディア」(ラジオNIKKEI第1 毎週木曜日22時〜22時30分)の公開録音も行われた。IIJの中の人、佐々木氏と堂前氏をゲストに迎え、IIJmio meetingやIIJmioのこれまでを振り返ったほか、ユーザーからの質問に応えるコーナーもあった。
この日の模様は1月28日22時から放送。また、ポッドキャストで聴くこともできる。Webはこちら、スマホはこちらから視聴できる。
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