格安SIM×端末の動作検証はどうやっている?――IIJが検証現場の裏側を紹介IIJmio meeting 10(2/2 ページ)

» 2016年01月31日 00時00分 公開
[房野麻子ITmedia]
前のページへ 1|2       

「Apple SIM」についてもリサーチ

 なお、大内氏の「個人的な興味」で調べたApple SIMについての調査結果も紹介した。

IIJ 2つのトピックを紹介する時間がなかったため、「Apple SIMについて」のみ紹介。なお、「AndroidのIPv6テザリングについて」もスライド資料はアーカイブされている

 日本ではauのデータプリペイド契約ができるApple SIM。1つのSIMで複数キャリアの契約を切り替えられるが、それがどのような実装で、どのような挙動をするかを大内氏が調査した。auとGigSkyのプリペイド契約をして確認している。

 この調査にはSIM解析ツールを利用。ドイツのComprionが開発したSIMと端末をテストするツールで、端末メーカーやキャリアが一般的に使っているものだという。

IIJ Apple SIMの調査にはComprion社のSIM解析ツールを使用

 未契約状態のApple SIMは、見かけ上は何のデータもないSIMに見える。SIMと端末間でやり取りが起こると、AT&TのSIMに変化。日本だとその後、ソフトバンク経由のローミングで接続する。また、SIM自体が直接、端末のIMEI(端末識別番号)を取得したり、SMSを送信したりし、キャリアと契約するとSIM情報をサーバからダウンロードしているように見えるという。

IIJ 未契約状態のApple SIMの挙動

 Apple SIMは複数キャリアの同時契約や切り替えが可能で、切り替わり自体は1分程度で行われる。auのプリペイド契約をすると、auのVoLTE SIMと同等のものになるが、Apple SIM対応iPad以外ではSIMを認識しない。例えばiPhoneに差しても、不正なSIMという表示が出て使うことはできない。

 GigSkyのプリペイド契約を行うと、GigSkyではなくデンマークのキャリア(Tele Denmark)のIMSI(加入者識別番号)が見えるが、理由は不明。日本ではドコモ経由でローミング接続する。auの場合と異なり、この状態のSIMをiPhoneなど他の端末に差しても利用できるそうだ。その場合のキャリア表示はローミングしているドコモ、キャリア設定はTele DenmarkのTDCとなる。なお、3Gでの接続しかできない。

IIJ auで契約した状態のApple SIMの挙動
IIJ GigSkyで契約した状態の挙動

 大内氏によると、最近のSIMロックフリー端末は制御信号に関わる接続問題の報告が多く、詳しい調査が必要になることがあるという。「安定してSIMロックフリー端末を使ってもらうために、高度な解析が可能な基地局シミュレータの導入も視野に入れてやっていきたい」と語った。

石川 温氏と中の人によるラジオの公開録音も

 23日は、通信ジャーナリスト石川温氏がパーソナリティーを務めるスマホ情報番組「スマホNo.1メディア」(ラジオNIKKEI第1 毎週木曜日22時〜22時30分)の公開録音も行われた。IIJの中の人、佐々木氏と堂前氏をゲストに迎え、IIJmio meetingやIIJmioのこれまでを振り返ったほか、ユーザーからの質問に応えるコーナーもあった。

IIJ 石川 温氏(右)、佐々木氏(中央)、堂前氏(左)で「スマホNo.1メディア」の公開録音が行われた

 この日の模様は1月28日22時から放送。また、ポッドキャストで聴くこともできる。Webはこちら、スマホはこちらから視聴できる。

基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO

格安SIM、SIMロックフリースマホのすべてが分かる

関連キーワード

Apple | IIJ | IIJmio | iPhone | AT&T | 石川温 | テザリング | VoLTE


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年