SIMフリースマホの販売を支援する“ディストリビューター”とは?:シネックスインフォテックに聞く(2/2 ページ)

» 2016年03月01日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]
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サポートや発注数量が日本参入の障壁に

―― サポートに関しては、どの程度やっているのでしょうか。

佐藤氏 会社によります。ASUSさんは、PCの方でサポートが出来上がっているので、心配ないのですが、初めて立ち上げるメーカーさんにはサポートセンターの必要性もお話ししています。日本でどういうサポートが望まれているかというところからですね。

 例えば、代替機もその1つです。スマートフォンはやはり通信を伴うものなので、使用不可になると、ものすごくフラストレーションがたまります。同じ機種でなくても、最低限通信ができるものは用意した方がいいでしょう。そういったことを、今はALCATALでもやっています。メーカーさんにとっては、どうしてもコストになってしまいますが、買うときに「サポートがあります」と言えることは非常に重要です。

 世界的なメーカーさんだと、サポートポリシーが出来上がっているところもあり、ローカライズしてもそこは変えなかったりします。一方で、日本国内では、キャリアさんのサービスに近づけた方が安心はできますが、コストが高くなってしまうので、どこまでギリギリで投資することを認めてもらえるか。そこが事前のビジネスにおいて協議が必要なところになります。

―― メーカーさんの参入をお手伝いする際に、障壁になっていることはありますか。

佐藤氏 MOQ(最低発注数量)ですね。世界各国でキャリアさんを相手にしていることが多いので、どうしても今のSIMフリーマーケットの規模は小さく見えてしまいます。「100件、500件と言われても……」という反応になってしまいがちですが、正直にそういうお話はしています。MOQを下げるのは安く買いたたきたいわけではなく、どうしたらMOQが少ない状態でスタートできるかを話し合います。

 それ以外の障壁は、先ほどお話したサポートであったり、展開の仕方であったりで、会社と会社の取引にはよくある話です。やはり食い違いがある状態ではスタートできないですからね。日本に対する華やかなイメージや過度な期待を持たれていることもありますから。

2015年からはコスパに優れたスマホも増えている

―― そんなSIMフリースマートフォンの市場ですが、今後どのようになると見ていますか。

佐藤氏 調査会社によって台数にはバラツキがありますが、2015年度の出荷台数が80万台になると見ています。ただ、MVNOとお話すると、やはり期待しているのは100万台で、私どももそうです。ちょっとだけ足踏みしているイメージはありますが、一方で、端末メーカーさんが供給される端末が2014年ぐらいだと型落ちだったものが、2015年ぐらいからはミッドレンジで、しかもコストパフォーマンスに優れたものも増えています。今後、この動きはさらに加速していくのではないでしょうか。

シネックスインフォテック シネックスも販売面のサポートを行っているTCLのスマートフォン「ALCATEL ONETOUCH IDOL 3」。価格は3万9800円(税別)

―― 現状を見ていると、3万円前後の端末が売れ筋になっていますが、メーカーさんの参入をお手伝いする際に、どういうモデルがいいのかをアドバイスすることもあるのでしょうか。

佐藤氏 プライスゾーンやメーカーさんのスペックのポートフォリオは、常にウォッチしています。今は2万円以下のものと、3万円前後、より高いものと3つのクラスに分かれています。ベースとしては2万円以下のものでユーザーを広げていき、時間を追うごとにスペックが高いものを求められるので、ミドル、ハイも置いていった方がいいというお話はしています。

―― 1万円以下の端末もありますが、その辺の状況はいかがでしょうか。

佐藤氏 量販店ベースだと伸びていますね。ユーザーの方に、うまくアプローチされているのだと思います。

取材を終えて:業界の予想よりやや端末の伸びが弱い?

 ASUSやFREETELなど、急伸しているメーカーの裏には、シネックスインフォテックの努力があった。新規に参入する海外メーカーにとっても、日本市場の動向を熟知している同社のアドバイスは、強みになるはずだ。特に日本語化の細やかさは、メーカーによって大きな差が出るポイント。日本人のスタッフが少ないメーカーにとっては、重要なパートナーといえるかもしれない。

 サポートについても同様で、ALCATELのように、代替機まで用意しているところはまだ少ない。一方で、佐藤氏が述べていた通り、スマートフォンはやはり通信機器だ。故障や紛失で端末が使えなくなってしまうのは、ユーザーにとって大きな痛手となる。この部分まできっちりサポートができていることは、メーカーにとっても強みの1つになりそうだ。

 一方で、佐藤氏からは、業界の予想よりやや端末の伸びが弱いこともうかがえた。このギャップをどう埋めていくかは、MVNOやSIMロックフリーメーカーの課題になりそうだ。ただ、2月からはキャリアの販売奨励金も減り、キャリアモデルとSIMロックフリーモデルの価格差も、以前よりは小さくなっている。その意味では、2016年こそが、SIMロックフリーモデルの行方を占う重要な1年になりそうだ。

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