0 SIMとイオンモバイルが参戦――「格安SIM」18サービスの実効速度を比較(ドコモ回線3月編)通信速度定点観測(2/2 ページ)

» 2016年04月11日 20時17分 公開
[小林誠ITmedia]
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午後のアイティメディア社内ではFREETELがMVNOで孤軍奮闘

 最後に東京都内のアイティメディアの会議室で午後に測定した。こちらは3月29日(火)に行った。いかにも春といった陽気の穏やかな日で、屋外を出歩いている人も多い。ランチタイムでビルから出てきた人だけでなく、観光や散歩に見える人も目立つ。

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 前日に行った横浜駅前のランチタイムよりも下り平均0Mbps台のサービスが続出。計13サービスが0Mbps台で、測定不能が1サービス。相当ネットワークは混雑していたのかもしれない。

 そのなかでトップは本家のドコモ(mopera U)で、下り平均17.93Mbpsとさすがの結果。さらに今回もFREETEL SIMが順調で下り平均13.46Mbpsで2位に付いた。とはいえ3位は一気に速度が落ち、Wonderlink(LTE F)の下り平均2.79Mbps。これにワイヤレスゲートの1.86Mbpsと、DTI SIMの1.58Mbpsが続いて、他は下り平均が0Mbpsばかりだった。

 ただし上りの速度を見ると、So-net モバイル LTEが平均18Mbps超えでトップ。BIGLOBE LTE・3Gは上り17Mbps台、NifMoが上り15Mbps台、IIJmio、OCN モバイル ONEも上りは10Mbps超え。

 ワーストワンは測定不能の楽天モバイル、ワーストツーは下り平均0.15MbpsのぷららモバイルLTEだった。さらに新規追加組の0 SIMとイオンモバイルも下り平均1Mbpsを切った。横浜駅前と比べ、都内の方が通信状況は苦しいようだ。

アイティメディア社内での計測結果
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:24 0.76 10.73
OCNモバイルONE 12:24 0.6 13.73
BIGLOBE LTE・3G 12:28 0.7 17.54
b-mobile(おかわりSIM) 12:28 0.44 9
So-net モバイルLTE 12:36 0.98 18.07
楽天モバイル 測定不能 測定不能 測定不能
NifMo 12:39 0.62 15.5
ぷららモバイルLTE 12:39 0.15 8.55
ワイヤレスゲート 12:42 1.86 2
FREETEL SIM 12:42 13.46 7.57
DMM mobile 12:45 0.73 5.61
U-mobile(LTE使い放題) 12:45 0.81 7.28
Wonderlink(LTE I) 12:48 0.76 7.46
Wonderlink(LTE F) 12:50 2.79 6.82
mineo(Dプラン) 12:50 0.96 4.39
DTI SIM 12:53 1.58 7.61
0 SIM 12:53 0.98 5.8
イオンモバイル 12:56 0.93 5.73
ドコモ(mopera U) 12:48 17.93 5.1

3月は通信状況に異変あり? FREETEL SIMの復活が印象深いが全体的には不調

 3月の通信速度測定は測定エラーの多発により、ついに楽天モバイルで測定不能という結果が出てしまった。しかも3回のテストで続いてしまったのはつらい結果だろう。知名度があるだけにMVNOのユーザーが急増しているのだろうか。それともたまたま運が悪い日にあたったのか。4月の測定でどう変わるのか、注目したい。

 そんな不安定な通信状況で、FREETELが鮮やかに復活したのは朗報だ。もともと混雑時にも強く非常に安定して強いサービスという印象だったが、最近陰りが出たように感じられたところ。心配は杞憂だったか。次回の測定も注視したい。

 好調なスタートを切った新規追加組の0 SIMとイオンモバイルだが、最後のアイティメディア社内での測定で速度が急降下。もっともMVNOでは混雑しやすい時間帯に通信速度が落ちるのは普通。あるいは都内では弱いだけなのか。次回以降どんな傾向が出るのか、これまた興味深い。

 各サービスの傾向をまとめると以下の通り。

  • IIJmio……ランチタイムが苦手
  • OCN モバイル ONE……混雑時は苦手
  • BIGLOBE LTE・3G……午前と夕方にお任せ
  • b-mobile(おかわりSIM)……混雑に弱いが上りは強い
  • 楽天モバイル……朝以外は測定不能
  • So-net モバイル LTE……赤坂は苦手も底堅さ目立つ
  • NifMo……赤坂は苦手も混雑時に強い
  • ぷららモバイルLTE……終始下りは×で上りに期待
  • ワイヤレスゲート……調子悪いものの上下1Mbps以上を維持
  • FREETEL SIM……朝は不調も混雑時に信頼◎
  • DMM mobile……ランチタイム苦手
  • U-mobile(LTE使い放題)……下り1Mbps前後ばかり
  • Wonderlink(LTE Iシリーズ)……午前と夕方に頑張るタイプ
  • Wonderlink(LTE Fシリーズ)……常に底堅い信頼◎
  • mineo(Dプラン)……朝は絶好調で夕方も頑張る
  • DTI SIM……常に数Mbpsで安定
  • 0 SIM……朝は絶好調で底堅い
  • イオンモバイル……ランチタイムに期待の底堅さ
  • ドコモ(mopera U)……ランチタイムはお任せ

 前回多少各サービスの傾向に変化を感じたが、今回は変化というよりも混乱、といったところか。FREETEL SIMこそ復活の印象だが、そのFREETEL SIMも午前中の測定で再測定を行っており、高速安定ともいえない。

 普段は混雑時でも下り平均で1Mbpsを切らないのでは? というSo-net モバイル LTEも、今回はアイティメディア社内の午後は下り平均0.98Mbpsとなり、苦戦を強いられた。また、いつもは3Mbpsほどで安定しているワイヤレスゲートも、1〜2Mbps台とさらに低速になってしまった。

 今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。

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