次は近距離ものとして、招き猫を撮ってみる。確実に手前の猫にフォーカスが合うよう、タッチオートフォーカス(AF)を使っている。
と、こうしてみると、iPhone 5s以外の3機種はまったく同じ写りに見える。
でも、暗い場所へ行くにつれ、6s Plusが優位になる。それが分かるのが、次の室内で撮った、ランチについてくるデザートの作例である。外光があまり入らない暗めの席で撮影した。
ぱっと見は同じだが、iPhone SEとiPhone 6s Plusを拡大して見比べてみる。
よく見ると、iPhone SEの方がいちごの表面が少しざらついてるのが分かる。理由は簡単で、iPhone 6s Plusは光学式手ブレ補正を持っているからだ。これのおかげで、6s Plusではシャッタースピードが多少落ちても手ブレせずに撮れる。それもあって、6s Plusはノイズを軽減すべくISO感度をなるべく上げず、シャッタースピードを遅くして粘るのだ。
上の写真、iPhone SEや6sはシャッタースピードが1/15秒・ISO250なのに対して、6s Plusはシャッタースピード1/4秒・ISO64となっている。差は歴然だ。
ただし、実際の写りを見ると、それほど違いは大きくはない。シャッタースピードを速めに維持してくれるSEの方が使いやすいこともありそうだ。
次は、iPhone SEと6s Plusの2機種で撮り比べてみる。
SEはISO500、6s PlusはISO100と感度に差が出ているが、こちらも写りの差はさほど大きくない。気にするほどでもないか。
最後にiPhone 5sとSEでパノラマ撮影。両機種で画素数が違うわけだが、パノラマ撮影を行うと、それ以上の差が出る。
5sは長辺(縦方向)が約2500ピクセルであるに対し、iPhone SEは約3800ピクセルと、ぐっと高精細になっているのだ。パノラマはiPhone SEの圧勝だ。
せっかくなのでiPhone SEの作例をあと3点ばかり。
やはりiPhone 6sゆずりだけあって、きれいですな。
というわけで、今回は4台のiPhoneを持ち歩いて撮り比べたのだけれど、「写真を撮るときは画面がでかい方がきれいに見えて気持ちいいね」と、「写真を撮るときはボディーが小さい方が片手で持てるから撮りやすいな」のまったく相反する感想が出てきてなんとも微妙なのであった。
そういう意味では、SEと6sと6s Plusのどれがいいかを断言するのは無理。私は6s Plusを普段は愛用してるけど、時々「ああ、もっと小さければ片手で無理せず撮れるのに」と思ったりするもの。そこはもうお好みで。
ただ、5sとの比較でいえば、iPhone SEのカメラ機能は5sよりもぐんと良くなり、6sと同じ(全く同じと言い切って良いかは分からないので、同じようなもの、というくらいが良いか)になったのは確認できた。5sから特に進歩してうれしいと感じたのは、ディテールの描写力強化とAFが速くなったことだ。
描写力強化とAF、この2つは大きい。まあカメラ機能という観点でいえば買い換えて損はないだろう。
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