キャリアが販売するスマートフォンでは、緊急速報メール(エリアメール)の受信に対応していますよね。家電量販店やMVNO(仮想移動体通信事業者)などで販売されているSIMロックフリーのスマートフォンでも緊急速報メールは受け取れるのでしょうか。
端末が対応していれば受信できます。ただし、大手キャリアの端末と挙動が異なる場合があります。
(ITmedia Mobile編集部 井上)
大手キャリアが販売する現行のスマートフォンは「緊急速報メール」(エリアメール)に対応しています。これは、「ETWS(Earthquake Tsunami Warning System)」「CBS(Cell Broadcast Service)」「Broadcast SMS」といった圏内の携帯電話に無差別にメッセージを送信する仕組みを利用して実現しています(参考記事)。
緊急速報メールは、以下の6種類に大別されます。なお、特別警報と国民保護に関する情報については、システム上は「災害・避難情報」として配信されます。
無差別に一斉配信する、とはいえ、端末側が対応していないとメッセージを表示して警報を出すことはできません。キャリアから発売されているスマホには、一斉配信されたメッセージを処理して警報を出す仕組みが備わっています。SIMロックフリースマホでも、その仕組みさえ持っていれば緊急速報メールを受信できるのです。
SIMロックフリーのiPhoneの場合、キャリアを通して購入したiPhoneと同様に緊急速報メールを受信できます。受信すると、国内3キャリア共通の警報音が鳴ります。緊急地震速報の場合は「地震です」という音声も流れます。
緊急速報メールの受信は標準状態で「有効」になっています。「設定」→「通知」の「緊急速報」のスイッチで受信するかどうか切り替えることができます。
Androidスマホの場合、Android 4.4以降のバージョンでETWS方式の警報メッセージの受信に対応しています。ただし、あくまでも「OSとして」の対応であり、受信してメッセージを処理して表示できるかどうかは端末次第です。
例えば、Androidのリードデバイスである「Nexus 5X」の場合、「無線とネットワーク」の設定内にある「緊急警報」で「極めて重大な脅威」「重大な脅威」を表示する設定にした上で、「通知を有効にする」と、緊急地震速報と津波警報を表示できます。NTTドコモのネットワークで利用する場合、Xiエリア・FOMAエリアともに受信できますが(参考記事)、ソフトバンク・Y!mobileの場合は4G LTEエリアにいるときに限り受信できます(参考記事)。一方で、災害・避難情報については表示できません。警報音は、独自のものが流れます。
富士通の「ARROWS M01」「arrows M02」についても、Nexus 5Xと同様にETWS方式の緊急地震速報と津波警報を受信することができます。
ASUSの「ZenFone」シリーズについては、「メッセージ」アプリの設定を変更することで緊急地震速報を受信できます(参考リンク)。
以上は受信に対応した機種の情報ですが、対応していない機種も少なくありません。ファーウェイ・ジャパン(Huawei)とプラスワン・マーケティング(FREETEL)の2メーカーに対応状況を尋ねたところ、以下のような回答を得ることができました。
手持ち、あるは購入を検討しているSIMロックフリーのAndroidスマホがETWS方式の警報を受信できるかどうかは、事前にメーカーへ問い合わせて確認することをお勧めします。
なお、緊急速報メール対応できない機種は、代替措置として緊急地震速報や(大)津波警報をプッシュ配信するアプリを利用することを検討しましょう。ただし、通常のデータ通信を使って配信されるので、配信サーバーや回線の混雑などにより緊急速報メールより受信が遅れる可能性があります。
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