―― ソフトという点では、FREETEL UIに対するユーザーの反応は、いかがでしたか。AndroidらしからぬUIで、賛否両論ありそうですが。
増田氏 やはり好評です。圧倒的に片手で操作しやすいのは、やはり便利です。ただ、好む、好まないはもちろんあるので、オン、オフできることが重要です。改善点として、文字入力のときに下からメニューが出てないようにすること、スイッチの並べ替えができるようにすることも考えています。FREETEL UIは突き詰めていきますが、オン、オフですぐに戻れるような形は残していきます。
開発陣も、あと3〜4カ月すれば、150人ぐらいの体制になります。CM効果もあったのか、資本金も増え、だいぶ人は集めやすくなりました。
―― AndroidのUIというより、どちらかといえばiPhoneに寄っているのは、そのユーザーを狙ったためでしょうか。
増田氏 少し(iPhoneに)寄せているのは、受け皿と考えているからです。iPhoneの方は、「私はAndroidが分からない」とよくおっしゃりますが、これなら使えるのではないでしょうか。これで慣れていただき、FREETEL UIはもっと面白い方向に振っていこうと思っているところです。
―― UIもユーザーと一緒に成長するということでしょうか。
増田氏 そうです。ゆくゆくは、登録していただいた方にFOTAを先に出して検証しもらい、みんなで作るものにしたいですね。
―― ユーザー参加型という点では、XiaomiのMi UIと発想は似ていますね。
増田氏 あれは本当にいいアイデアでしたね。私は、(スマホの差別化の)最後はソフトウェアだと思っています。
―― 今後は、このUIがFREETELのスマートフォンの標準になると考えてよろしいのでしょうか。
増田氏 はい。FREETEL UIは、向こう4〜5年で、本当にいいものにしていこうと考えています。
―― 発表会では、Simpleの後継機も3機種紹介されました。まだ正式発表ではありませんが、あれはどのような意図があるのでしょうか。
増田氏 スマホに移れる架け橋として、折りたたみの「MUSASHI」を出しましたが、やはりこれ(フィーチャーフォン)をやめたくないという人がいます。ガラケーがいいという人には2種類あり、ひたすら「もしもし、はいはい」の人と、そこにプラスした機能が欲しい人がいます。3種類あるのは、そのためです。
ただ、「Simple 2+」のテザリングは、正直なところ、まだ悩んでいます。発表してしまったのですが、本当にテザリングを使うのか。給電機能に特徴を特化させた方が、分かりやすくなるのではないかと悩んでいます。
―― 使えた方がいいのではと思いますが。
増田氏 ただ、3Gなんですよね。
―― なるほど。そうなると、確かにちょっと悩ましいですね。しかし、まさかここまでバリエーションが増えるとは思いませんでした。
増田氏 面白い製品をたくさん出したいという思いがあるからです。うちにはソニーのOBがたくさんいますが、よく言っているのは、「昔はヒットが2割、3割でもよかったが、今は10割を求められてしまう」ということです。うちは、ニーズがあるところに面白い製品を出していきたい。それが売れる、売れないは別にいいじゃないかという考えです。10割を狙っていくと、逆に売れなくなってしまいますからね。
ボリュームゾーンで売れ線というのは、しょせん、過去のデータの話でしかありません。パイが大きければ売れると勘違いしがちですが、そこには他社もいますから、ゼロサム(損失と利益の合計がゼロになること)になってしまいます。これは、私が肌で感じてきたことです。
―― 次に料金プランのことを伺いたいと思います。使った容量に応じて料金が自動的に上がっていくプランは合理的でしたが、なぜ、あらためて容量別のプランを出したのでしょうか。
増田氏 あれでユーザーは増えました。一定の割合で、やはり定額の方が分かりやすいという方がいますからね。子どもに持たせる人や、月のおこづかいが完全に決まっている人は、気付いたら料金が上がってしまうより、決め打ちの方がいいというのがあります。
SIMカードも、これからいろいろと整えていきたいですね。メーカーはどうしても(SIMカードの種類を増やして)売り場の体積を増やしたくなりがちですが、あまり増えすぎると分かりづらくなってしまう。既にSIMカードのサイズだけで3種類あり、データ専用とSMS対応と通話対応まである。ここは整理することを考えています。
―― 通話定額のインパクトも大きいと思いました。他社にも提供するということで、単体での契約も増えそうですね。
増田氏 他社向けは夏ぐらいにはスタートする予定で、今ちょうど最終テストの段階です。あれは国内回しになるので、番号通知がちゃんと出るようにしています。その準備が整いました。
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