NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話とソフトバンクは9月5日から、「エリアメール」「緊急速報メール」(以下、まとめて「緊急速報メール」)において「洪水情報」の配信に対応する。鬼怒川流域にある茨城県常総市と、肱川(ひじかわ)流域にある愛媛県大洲市を皮切りに、国土交通省が順次対応エリアを拡大する。
従来の緊急速報メールでは、国土交通省(気象庁)が発出する「指定河川洪水予報」にもとづき、自治体が「災害・避難情報」として洪水に関する情報を発信していた。そのため、洪水予報の発出から情報の配信までに時間を要するケースもあった。
それに対し、洪水情報は国土交通省が情報を直接発信するため、情報が河川の流域にいる人により迅速に伝わり、より早期の避難が可能となる。配信する情報は「河川氾濫のおそれがある情報」と「氾濫が発生した情報」の大きく2つで、配信条件は以下の通りとなる。
「河川氾濫のおそれがある情報」は、対象河川の基準観測所の水位が氾濫危険水位に到達し、氾濫危険情報が発表された場合に発出される。
「氾濫が発生した情報」は、対象となる河川の基準観測所がカバーするエリアで、以下のいずれかの条件を満たすと発出される。
NTTドコモは、Android 4.1以降を搭載するスマートフォン・タブレット用のエリアメールアプリの更新を9月中旬から順次開始する。この更新では、2つの新機能が追加される。
現行のエリアメールアプリでは、緊急地震速報と(大)津波警報の5カ国語表示(対応言語は端末の表示可能言語に依存)と「やさしい日本語」での表示に対応している。しかし、災害・避難情報は配信内容が時々で変わる上、決まった文面がないため多言語表示や簡素化に対応できなかった。
そこで、今回の更新でエリアメールアプリにクラウド(オンライン)翻訳機能を追加し、災害・避難情報と洪水情報の配信文面を英語・中国語(簡体)・韓国語で表示できるようにした。
これら以外の言語についてはエリアメールアプリ内では翻訳・表示できないが、Androidの共有(インテント)機能を使って文面を「共有」することで、他の翻訳アプリ・サービスを使って表示できるように工夫をしている。
翻訳機能は、端末表示言語を日本語以外にしている場合は事前設定をしなくても使えるようになっている。
従来のエリアメールアプリでは、ブザー・チャイムを有効すると、端末で設定可能な最大音量で鳴動するようになっている。「もう少し音を小さくしたい」と思っても、細かく音量を調整できないため、「最大か無音か」の選択を迫られていた。
今回のバージョンアップでは、アプリにブザー・チャイムの音量調節機能が追加される。「音は出したいけど、最大では大きすぎる」という人にはうれしい新機能だ。調節後の音量は「受信画面および着信音確認」で確認する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.