「半分以上はXに」「3Gは必要なし」――KDDI田中社長が語る「iPhone 8/8 Plus/X」(2/2 ページ)

» 2017年09月22日 20時05分 公開
[井上翔ITmedia]
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超大容量プランは「追随しない」

―― (ソフトバンクの)50GBへの追随は必要ないと考えているのか。

田中社長 率直にいうと、弊社には「20GB」「30GB」の大容量プランがあるが、多くのユーザーは20GBを選択していて、30GBはほとんどいらっしゃらない。その観点で「そこまでやる必要があるのか?」という議論があり、今のままでも料金的には劣後しないので、まあ(追随しなくても)良いかなと思っている。要望があれば、検討はしたい。

―― ソフトバンクが「一緒に住んでいれば家族」という緩い家族を打ち出してきたが、どう思うか。

田中社長 ちょっとまだ影響の範囲は分からない。特にシニアを対象にするなら何か(影響が)あると思っていたが、僕らの中ではまだ評価が定まっていない状態だ。

ウルトラギガモンスター ソフトバンクの「ウルトラギガモンスター」や新しい「家族」の概念には追随しない方針

新プランは「シンプル」 iPhone対応による影響は「これから」

―― Androidでピタットプランを始めた時から、iPhoneでもやろうと決めていたのか。

田中社長 そんなことはない。当時は交渉中だったので「something similar(何か似たもの)」と言った。「similar」ということで(アップグレードプログラムEX(a)として)12カ月プランを導入した点は異なるが、あとは(Androidスマホと)一緒だ。

 僕としてはピタットプラン・フラットプランは(他社から)値段的に追いかけられると思っていたが、そうでもなかったので、今回晴れて「auの料金って安いよね」と言えるようになったと考えている。

―― そういう意味では、各キャリアが三者三様の料金体系を構築しつつあると思う。その点についてどう評価するか。

田中社長 僕らは料金面では「一抜け」できていると思う。

 (プランが)複雑だと言われることもあるが、月額料金は「ピタットプラン」と「フラットプラン」の2種類(※)にして、端末代金は24回払いを選ぶか48回払いを選ぶかにした。(おトクに使うには)アップグレードプログラムEX/EX(a)に加入しないと意味はないので実質デフォルト(で加入してもらう)にしても、シンプルになっていると思う。

 他社と比べてみると、auのシンプルさと値段の安さは際立つと思う。

ピタットプランの訴求 auでは月額料金の安さを大きく訴求している

MVNOには「プラン」と「サポート」で対抗

―― ピタットプランやフラットプランをMVNOと比較していたかと思う。両プランをAndroidスマホ向けに出した後の状況、iPhoneを対象に加えたことによる今後の見通しと、傘下のMVNOへの影響について教えてほしい。

田中社長 いつぞやの記者会見でも言った通り、Androidスマホについては150%の売り上げ増を達成した。

 iPhoneの発表前には待ち(買い控え)が発生するが、先週発表されて今日から発売なので、先行きは良く分からない。iPhoneでも(Androidスマホと)同じプランが出たことで、今までの機種変更での売れ行きを勘案すると、これからはiPhoneがガーッと伸びることになるとは思う。あとは、他社からの(MNP)流入がどうなるかという点だ。

 今日時点では、評価のしようがない。

―― 携帯電話の平均契約年数が長くなってきていて、他社へのポートアウト(転出)がしづらくなっているとは思うが、auへのポートイン(転入)もしづらくなっていると思う。iPhoneがピタットプラン・フラットプランに対応することで、どれだけポートインを獲得できると思うか。

田中社長 僕らとしては転出するユーザーを減らして、解約率を下げたいと思っている。

 主な転出先であるMVNOとの差分は2つある。1つ目は月額料金で、その対策としてピタットプランとフラットプランを導入した。2つ目はサポートで、ユーザーの不満の声を聞いた上で、大いに強化することにした。(サポート強化については)踏み込み過ぎて不安な面もあるが、当面はこれら2本立てで(MVNO対策を)やっていこうと思っている。

MVNOを意識 MVNO並みの料金で利用できることも訴求

 auは「月額料金の安さ」「端末代金の負担」「サポート」の3点を武器に“iPhone商戦”に臨む。戦略が吉と出るか凶と出るか、注目したい。

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