「3人の社員が5人分働いて4人分の給料をもらう」 Huawei躍進の背景にある思想(1/2 ページ)

» 2017年09月25日 10時12分 公開
[太田百合子ITmedia]

 ほんの数年前までは大手キャリアのODM製品が中心で、日本でもほとんどその名を知られていなかった中国メーカー、Huawei。ここ数年の間に、コンシューマー向けの製品で目覚ましい躍進を遂げ、スマートフォンのグローバルシェアがSamsung、Appleに続く世界第3位にまで上り詰めた(関連記事)。その躍進の背景にどのような取り組みがあったのか、また今後さらに上を目指すための戦略とは? コンシューマービジネス部門でマーケティングとグローバルセールスを統括するJim Xu氏に話を聞いた。

Huawei Huawei コンシューマービジネスグループ マーケティング&販売部門ヘッドのJim Xu氏

ネットワークとデバイス両方の手掛けているのが強み

―― ここ数年、目覚ましい躍進ぶりですが、ずばりその要因な何だと思いますか?

Xu氏 5年前、それまでODMを中心に手掛けていたのを、Huaweiのブランドでスマートフォンを作ることにしたのですが、そのときに2つのことに注力しました。1つ目はしっかりとした品質保証体系を構築すること。2つ目は各国におけるアフターサービスを強化することです。スマートフォンの業界からみれば弊社は新参者ですので、これからオープンマーケットで消費者に選んでもらうためには、この2つが何より重要だと考えたからです。

 また他社と差別化するために、カメラ、DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)、長時間バッテリーなど、基本性能の向上にも取り組みました。さらに他社のようなブランド力がない代わりに、ライカとの協業によるカメラ品質の向上や、AI対応のチップセットをいち早く開発するなど、高い技術力で競合他社に追い付き、追い越すことに目標を置いてきました。

 またオープンマーケットでは、製品が優れていることはもちろん、消費者が負担できる価格であることも重要です。高い技術と性能、品質を備えながら、かつ手頃な価格で届けることができれば、おのずとグローバル市場でHuaweiの価値を出すことができると考え、取り組んできた成果だと思います。

―― Huaweiが他社に比べて秀でているのはどういったところだと思いますか?

Xu氏 弊社は数あるスマートフォンメーカーの中でも、かなりユニークな存在だと思います。というのも、ネットワークインフラとデバイスの両方を同時に手掛けているからです。

 今から10年前、弊社で4Gのネットワークインフラを構築する際に大きな課題だったのが、消費者にいかにこの高速なネットワークを活用してもらうかでした。そこでその解決策として弊社では、USB接続のデータ通信カードを開発しました。これは日本を含む多くの多くの通信キャリアから発売され、大ヒットしました。

 あともう少しで5Gの世界がやってきますが、ここでも同様に、弊社が蓄積してきた通信技術とデバイスとのシナジーを発揮できると考えています。デバイス側で音声、データ通信、動画やゲーム、ビッグデータ、クラウドストレージといったものを十分に活用していただくには、ネットワークインフラをきちんと作らなければいけない。逆にネットワークインフラに最適化されたデバイスを作れば、非常に良いユーザー体験が実現できます。

 実はチップセットの分野においても、CPU、GPU、画像処理、それからバッテリーといった材料化学に至るまで、その研究開発は、ネットワークインフラを手掛ける部門ときちんと連携を取っています。ですので、より相乗効果が発揮しやすく、ネットワークの成果を端末の方で生かせるようになっています。これがまさに弊社独特の強みであり、他メーカーとの一番の違いではないかと思います。

日米のキャリアマーケットにもスマートフォンを投入か?

―― グローバルで特に今注力している市場はありますか? またその理由も教えてください。

Xu氏 今グローバルで販売されているスマートフォンの台数は、13億とも14億とも言われていますが、その大部分を占めるのが、中国、アメリカ、日本、そしてヨーロッパの一部の国です。中でも500ドル以上の価格帯のスマートフォンは特に、これらの国々に集中しています。インドやインドネシアといった国も人口は多いですが、そのほとんどがローエンドモデルですので、やはり優先順位としてはハイエンドモデルが売れているこれらの国々になってくると思います。

 特に中国はほんの4年前までSamsungがシェア30%でトップを走っており、弊社のシェアは低かったので生き残りをかけて取り組んできました。その結果、今ではSamsungのシェアが2%まで落ち込み、弊社は35%でシェアトップというところまで来ました。

 また同様に、この4年間はヨーロッパにも継続的に投資を行ってきました。おかけで今ではイタリア、スペイン、フィンランド、ポーランド、オーストリアといった国で弊社の市場シェアが20%を超え、1位になっています。ヨーロッパでのスマートフォンの売り上げは、50億ドルを超えるのではないかと見込まれています。

 もちろん日本も、戦略的にとても重要な市場の1つです。日本ではSIMフリーマーケットに主戦場を置いてスマートフォンを販売していますが、良い業績を上げられていると思います。口コミでも高い評価をいただいて、本当に励みになっています。弊社としても自信をつけることができたので、今後は日本の最大の市場であるキャリアマーケットでも諦めずに、取り組みを続けていきたいと考えていますし、近いうちにその成果を見ていただけるのではないかと思います。

―― より大きなシェアをとるために、北米市場にはどのような戦略を持っていますか?

Xu氏 米国はグローバルで見ても、よりPRが重要だと認識しています。当然重要なマーケットですし、継続的に努力しています。実はアメリカの量販店では、既に弊社のPCやウォッチ、スマートフォンなどの一部が販売されています。その業績は悪くないと思いますが、日本と同じようにアメリカでもキャリア市場が一番ボリュームの大きい。この件に関してはNDAもあり、今はお話できませんが、来年(2018年)以降はアメリカのキャリア市場でも、ある程度の成果を出せるのではないかと思っています。

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