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» 2017年10月21日 06時00分 公開

石野純也のMobile Eye:auとソフトバンクを圧倒するドコモの冬春モデル その狙いを読み解く (3/3)

[石野純也,ITmedia]
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売れ筋のXperiaでも差別化を図る、3年ぶりのGalaxy Noteも登場

 話題をさらったMや、堅実に売れ筋を狙ったdocomo withの3端末以外にも、冬春モデルでは注目の端末が多い。特に日本ではiPhoneに次いで抜群の人気を誇るXperiaは、他社にないコンパクトモデルの「Xperia XZ1 Compact」を取りそろえており、差別化が図れている。吉澤氏も、発表会では「国内ではドコモだけが取り扱う」と、ドコモの独占提供であることを強調した。

ドコモ 「Xperia XZ1 Compact」は、日本でドコモが独占

 Xperia XZ1 Compactは、9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFAで発表された、ソニーのフラグシップモデル。コンパクトながら、プロセッサやカメラなどはXperia XZ1と同じで、主な違いはサイズやそれに伴うディスプレイの解像度という位置付けだ。より女性ユーザーを意識しているため、インカメラにも特徴があり、広角モードにワンタッチで切り替えられる機能も搭載する。この機能はXperia XZ1 Compactだけのものだ。

ドコモ ワンタッチで広角に切り替えられるインカメラ

 同時に、夏モデルとして発売された「Xperia XZ Premium」にも、新色のロッソを投入する。端末名こそ「XZ」だが、Xperia XZ Premiumは、Xperia XZ1やXperia XZ1 Compactの兄弟機という位置付け。カメラモジュールも3機種共通の積層型CMOSセンサーを使った「Motion Eye」で、プロセッサもSnapdragon 835を搭載する。ただし、OSのバージョンが新モデル2機種に比べると古く、Motion Eyeに加わった笑顔検出も搭載していない。これについては、Android 8.0へのOSバージョンアップで対応していく予定。新色のロッソもOSはAndroid 7.1のまま発売され、後日バージョンアップが行われる。

ドコモ 「Xperia XZ Premium」の新色となるロッソ。発色のいい赤色で、人気が出そうだ

 ちなみに、夏にXperia XZ Premiumを取り扱っていたのもドコモだけで、他社は、2017年冬モデルの「Xperia XZ」をマイナーチェンジした「Xperia XZs」しか販売できていなかった。Xperiaの最新モデルが、サイズ違いで3つから選べるのもドコモだけで、この点も他社との差別化につながりそうだ。

ドコモ 写真の「Xperia XZ1」を含む“3兄弟”がそろうのはドコモだけ

 もう1つ、忘れてはいけないのが、「Galaxy Note8」である。同端末はauからも発売されるためか、発表会での紹介はあっさり終わってしまったが、ドコモは初代から取り扱いを続けており、Galaxyユーザーも多い。一方で、日本国内では「Galaxy Note 5」が発売されず、その後継機となる「Galaxy Note 7」は、発火事故を受け、発売が直前で見送られてしまった。Galaxy Note8は、日本では2014年に発売された「GALAXY Note Edge」以来、実に3年ぶりのGalaxy Noteとなる。リピート率の高いGalaxy Noteユーザーにとっては、待望の新機種といえるだろう。

ドコモ ついに日本でもGalaxy Note8が発売される

 他にも、ドコモ独占という意味では、耐衝撃性能を備えた富士通の「arrows NX」や、ディズニーとのコラボモデルであるLGエレクトロニクスの「Disney Mobile on docomo」も用意している。LGからは、5年ぶりとなるジョジョコラボモデルも登場するのと同時に、GoogleのVRプラットフォームである「Daydream」に対応した「V30+」も発売される。V30+はこれまでの経緯を考えると、auからも「isai○○」として発売されるかもしれないが、現時点で取り扱いを表明しているのはドコモだけとなる。

ドコモ 富士通の「arrows NX」も、ドコモにしかない端末だ
ドコモ
ドコモ
ドコモ LGエレクトロニクスは3機種を用意。「Disney Mobile on docomo」や「V30+」のJOJOコラボモデルなど、凝ったモデルが多い

 成熟化を迎え、3キャリアの取り扱う端末も均質化している一方で、ドコモは、自社企画のモデルを開発したり、価格で勝負したり、独占モデルを用意したりと、ラインアップにさまざまな工夫を凝らしている。吉澤氏は、発表会の冒頭でドコモの戦略である「Beyond宣言」をあらためて掲げながら、「お客さまの期待を超える感動と価値を提供する」と語っていた。本稿で取り上げたスマートフォン13機種にも、その意識が貫かれていることがうかがえた。

ドコモ 吉澤氏は「Beyond宣言」が実行フェーズに入ったと語る

 総務省のガイドラインが改定され、端末の売れ行きが悪化するとささやかれる一方で、ドコモは大きく実績を落とさず、販売台数はほぼ横ばいだ。ユーザーの母集団が大きかったり、販路としてのドコモショップが強力だったりといった側面もあるが、その背景には、冬春モデルとして紹介されたラインアップのように、魅力のあるスマートフォンがそろっていることもありそうだ。

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