OPPO Find N2 Flipは、折りたたみ時は手のひらに乗るサイズ感で、開くと6.8型(2520×1080)の縦長ディスプレイを利用できる。折りたたみ時も5.5型(720×382)のカバーディスプレイで現在時刻や通知をチェックでき、クイック設定、ウィジェットなどを利用できる。
本体はガラス仕上げで光沢が強く、ツルツルとした手触り。筆者が借りたのはパープルだが、均一な単色ではなく、ファンデーションを塗ったような色合い。他のカラーの仕上がりがどうなっているかは分からないが、パープルに関しては、女性に人気を集めそうだ。
サイドフレームは同系色のメタル素材。右側面にボリュームキーと電源キーを搭載。開いた状態では、ボタンは必然的に高い位置になる。底部にUSB Type-CポートとSIMスロット。スピーカーはディスプレイ上部と底部にあり、ステレオサウンドを出力できる。
プロセッサはFind N2とは異なり、MediaTekの「Dimensity 9000+」を採用。最大3.2GHzの8コアで、同社製では最高峰の5G向けチップだ。筆者が借りたモデルは、メモリ8GB+ストレージ256GBだったが、中国向けサイトを確認したところ、メモリ12GB+ストレージ256GB、メモリ16GB+ストレージ512GBも選べるようだ。OSはAndroid 13がベースのColorOS 13.0が搭載されている。
Find N2 Flipは普段はコンパクトに折りたたんで携帯し、使うときには開くという、いわばガラケーのような使い方ができる。ただし片手で開けるのは難しく、ユーザーの多くは片手で持って、片手で開いているのではないかと思う。
カバーディスプレイが大きめで、閉じたままでできることが多いことも特徴。ここで通知をチェックしたり、設定を変えたりできる他に、「カメラ」「天気」「タイマー」「小紅書」のウィジェットが使えるように初期設定されている。ちなみに「小紅書」は “中国版インスタグラム”といわれる、女性に人気のSNSだ。ウェジェットは自分が使いたいものを追加することもでき、「微信(WeChat)」「支付宝(Alipay)」などが追加できるようになっていたので、ここにQRコードを表示させて決済したりもできるのだろう。
カメラのスペックは、Find N2よりも抑えられている。アウトカメラはメイン(5000万画素/F1.8)+超広角(800万画素/F2.2)の2眼。Find N2と同じように、ハッセルブラッドと共同開発したカメラで、自社開発の「MariSilicon X」も搭載している。
超広角カメラの有効画素数が少なめで、望遠カメラが搭載されていないことが気になったが、実際に撮ってみると不便を感じることはなかった。超広角カメラもメインカメラと同じように明るく鮮やかな画質で撮影でき、デジタルズームは最大20倍だが、2〜3倍程度の撮影では画質劣化は気にならなかった。
メインディスプレイの上に、パンチホール型のインカメラ(3200万画素/F2.4)も搭載されている。ただし、自撮りは折りたたんでアウトカメラで行えるので、インカメラはビデオ通話用と捉えていいだろう。
筆者は、2022年秋からサムスンの「Galaxy Z Flip4」を使っている。Find N2 FlipはGalaxy Z Flip4と同じ縦折りタイプで、使用感も非常に似ている。手にしたときのサイズ感、開閉の感覚、半開きにして撮影できる利便性など、多くの部分が共通している。Galaxyが先行して切り開いた市場にOPPOが後から参入した形なので、Galaxyの長所をまねているといえなくもない。
最大の差分はカバーディスプレイにある。Find N2 FlipはGalaxyよりも大きなディスプレイを搭載し、閉じたままでできることが多い。Galaxy Z Flip4のカバーディスプレイにもウィジェットを表示でき、できることはFind N2 Flipより多い。しかし、画面が小さいので、多くの情報を見たり、手の込んだ作業をしたりするには「開いた方が早い」ということにもなりがち。筆者はGalaxy Z Flip4を開いて使うことが多いのだが、もし、Find N2 Flipを使ったとしたら、開く時間が短くなるように感じた。
OPPO Find N2、OPPO Find N2 Flipともに、折りたたみという先進性を意識することなく、通常モデルと同じように使えることが魅力。筆者がOPPOのスマホを使い慣れているからかもしれないが、操作性にクセがなく、すんなりと使いこなせた。明るくメリハリのある画質で表示されるディスプレイも使っていて心地よかった。大画面と携帯しやすさを両立させたい人にとっては申し分のない端末だと思う。
筆者が実際に使ってみて、最も気に入ったのはカメラだ。デフォルトでシャッターを押すだけで、きれいな写真が撮れるので、「自分のカメラの腕が上がった」と錯覚すること請け合いだ。
日本ではまだ折りたたみスマホが普及しているとはいえないが、これらのモデルが発売されたら、ユーザーの関心度が高まり、市場が拡大するきっかけになるのではないかと思う。今期は無理だとしても、次期モデルの日本発売を期待したいところだ。
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