3件目のドスパラ秋葉原本店で、二谷氏が引いたのは「CPU」カードだった。合計6GバイトのDDR3メモリを購入したと伝えると、とたんに表情が曇る。「本当に予算の制限はなくていいんですよね?」と言われたのでハイと即答すると、「Core i7 965 Extreme Edition」をプッシュされた。
トリプルチャンネル向けのメモリを購入した時点でCore i7を購入することは予想していたが、まさか最上位となるとは。価格表にはほかのモデルよりケタの多い10万8480円の文字が踊っている。
しかし、二谷氏も単にクロック数が高いから推薦したわけではない。「メモリとのバスとなるQPIの速度が965だけ抜きんでて速いんです。Core i7 920と940が4.8GT/秒なのに対して、965は6.4GT/秒ですからね。メモリのスピードも高められるので、より高いパフォーマンスを体感できるはず。現行のCore i7で唯一内部クロック倍率が可変である点も魅力です」という。
それだけ熱い性能を持っているなら買う以外に手はない。しかも二谷氏は「今ちょうどデモ機に使った開封品が1個だけあります。7万9800円と非常にお買い得なので、ぜひそちらをどうぞ」と超強力な救いの手を差し伸べてくれた。ということで、普通よりも3万円近く安くCore i7 965 Extreme Editionを購入。それでも、領収書を個人名でもらう際「本当に“アイティメディア様”じゃなくていいんですか?」と繰り返された。
続いて訪れたのはフェイス本店だ。2階に上がって、布施氏に単語カードを引いてもらい、同店で購入するのは電源ユニットに決まった。布施氏にこれまで購入したパーツを伝えると「Core i7マシンなら、定格600ワット以上はほしいところですね。そこからさらに複数のHDDなどを加えていくなら、750ワット前後の電源ユニットがよいと思います」と見当をつけ、該当コーナーに案内してくれた。
電源ユニットを選ぶ際のポイントとしては、定格ワット数だけでなく、複数のパーツが必要とする+12ボルト電圧の許容量と系統数も重要になる。さらに、もう1つ見逃せないのが信頼性だ。「電源ユニット内部のよしあしは、同じ定格ワット数でもモデルによって大きな差があります。一般的には安いモデルはそれなりのコンデンサや回路しか使えないので、壊れにくかったりバックアップ体制がしっかりととれる高級モデルと比べると、どうしても信頼性が落ちますね。価格度外視で性能重視でいくなら、信頼性で人気のオウルテックのSeaSonicシリーズかENERMAXブランドのモデルがオススメです」という。
そこで最終的に選んでもらったのは、SeaSonicシリーズの定格750ワット電源「SS-750EM」だった。価格は2万9980円。「静音性にも定評があるシリーズなのが決め手です。高性能な構成では特に冷却に気を配る必要があるので、1つ1つの騒音をなるべく小さくすることも重要になりますからね。ハイエンドユーザー御用達のモデルです」
現在4店を巡った段階での合計金額は15万78円。すでに仮予算の半分を超えてしまったが、それぞれ極上のパーツが購入できている満足感はある。このままの勢いで残る5店舗を回って、最高級のマシンを組もうじゃないか! できれば30万円以内で……(中編へ続く)。
古田雄介(ふるたゆうすけ)
週末アキバPick UP!を担当するデジタル系ライター。メインPCでは、主に一太郎などを使ったテキスト入力やエクセルによる表計算、インターネットブラウジングやメールチェックなどを行っている。つまり、ごく一般的なPCユーザー。自ブログは古田雄介のブログ。
プレイバック“大人買い” 2005:第1回 大人買いPCのトホホな顛末:轟音編
プレイバック“大人買い” 2005:第2回 大人買いPCのトホホな顛末:悪あがき編
大型連休の狙い目は「Phenom II」か「Core i7」か?
「1万円上がるSSDもありそうッス」――連休を待たずに買ったほうがよさげなパーツは?
「もうすぐ夏だしね」――“GTX 275とHD 4890の対決”より注目を集めているアレとは?
「GeForce GTX 275」対「RADEON HD 4890」――待ったなしのGPUシェア争い
GPUの2009シーズンは本日開幕──Radeon HD 4890でベンチを走らせる
GeForce GTX 275搭載グラフィックスカードが各社より発売
ツクモが脱皮を完了した3月のアキバ
店員の「思いつき」が“祭”に変わる街、アキバ
「ぐ、偶然なんだからねっ」――“新生ツクモ”がグランドオープン、期間限定でじゃんじゃん亭も
アキバに広がる九十九電機“苦境の破片”
「ま、多分大丈夫じゃないの?」――ツクモが“3月中旬”まで臨時休業
「全然微妙じゃなかった」――Phenom II X3が大ヒット中
「すごく、微妙」――Socket AM3対応Phenom II登場も最上位モデルは不在
アウトレットに追い風?――秋葉原中央通りに進出した大阪発のイオシス
新しいパーツを安く手に入れる究極の手段――「中古買い取り」の現状Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.