Windows 7の日本語テーマフレーズは「あなたとPCに、シンプルな毎日を。」に決まった。マイクロソフトが算出したWindows 7に関連する国内PC市場規模は約3530万台。このうち、Windows 7の動作要件を満たさない約1980万台のPCは本体の買い替えを狙い、購入から5年未満のPC約1550万台はOSのアップグレードやPCの買い増し需要を見込んでいる。ちなみにグローバル市場は「2010年までに1億7700万台のWindows 7搭載PCが出荷されると見込まれ、2億4600万台のWindows 7が動作可能なPCが市場に存在する。これを足すと、3億6000万台規模もの市場がWindows 7を中心にあると考える。これはマイクロソフトだけでなく、パートナーさんも大きなチャンスとなる市場」(マイクロソフト 堂山昌司代表執行役副社長)だという。

Windows 7に関連するグローバル(左)および国内(右)の想定市場規模。国内市場は購入後5年が経過しているか否かを軸に、PC買い替え層とアップグレード/PC買い増し層が分かれると想定し、デジタル放送や通信サービス、新たな機能を含めて周辺機器の需要増も大いに見込む今後、9月下旬にパッケージ製品とDSP製品関連情報や互換性情報のアップデート、OS移行のための各種最新情報の公開、10月中旬に発売直前のパートナー共同プレス発表会、発売日近辺のローンチプロモーションイベント、発売日直後のユーザーイベントなどを予定し、10月22日の発売日に向けて動向を盛り上げつつも発売後も継続して露出する、──発売後にすぐ冷めさせないような、やや長期的なPR展開を行っていく。
Windows Vistaが広く普及しなかった理由の1つに「互換性に関連する悪い評価」があった。この評価がハイエンドユーザーから一般コンシューマー、そしてフォロワーコンシューマーまで伝播し、Windows Vistaにまだ触れていない人も、詳しい人などから聞いて“それならばダメなのか……”と感じてしまう悪いスパイラルに陥った。
この同じ轍を踏まないよう、ユーザーの声から学び、反映したというユーザー目線の仕様、互換性のサポート、最新情報の早期提供、ユーザーの体験ポイントを多数用意することベースに、“いいOS”であることを、ハイエンドユーザー層から一般ユーザーまで「口コミで伝播していく流れ」に持っていきたい考えだ。初期のローンチプロモーション効果による想定購入層を800万人と見込む。

Vistaを教訓に、確実に購入するハイエンド層(約12%)から一般層(約33%)/フォロワー層(約53%)まで「よさ」が口コミで伝播することを狙う(左)。ローンチ効果による即時購入層は500万人、ポテンシャル購入層として800万人を見込む(右)
Windows 7におけるマーケティング戦略のテーマと基本方針。Windows XP/Vistaユーザーの買い替えやアップグレードを強く訴求し、NetbookへのWindows 7搭載も促進させる(左)。プロモーションは、広く浅くではなく、具体的なユーザーや利用シーンの提案、および購入に直結するアプローチをとり、「ユーザーの口コミ」も重要ポイントと想定する(右)「Windows 7は、“いいOSである”ことがハイエンドユーザー層から一般ユーザーまで伝播していくOSになると信じている。Windows Vistaの出荷以降、全世界200カ国で約1200万ユーザーの不満点を聞き、1600回ものオンラインインタビュー調査を実施するなど、Windows 7の開発仕様を決める前に約4万時間をリサーチに費やし、“ユーザーの声から学んで、反映する”を徹底実施して完成したのがWindows 7。Vistaで残念ながら取り切れなかったところはWindows 7で一気に挽回したい」(マイクロソフト コンシューマー&オンラインマーケティング統括本部コンシューマーWindows本部の藤本恭史本部長)
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